今回は、ロックの踊り子、MIKAさんについて、4周年作品を記念して「ジェームス・ボンドにはなれないけど」と題してレポートします。

 

 

5月早々に、5月結の仙台ロック公演にMIKAさんの名前が入った。怪我で3月の仙台ロック公演を流してしまったので、すぐにカバーしようとしたんだね。遅ればせながら私との約束を果たしたい気持ちも感じられた。私は喜び勇んで夜行バスとホテルの予約を行った。

さて、土日まで待てなくて前乗りすることにした。

たまたま運よく、5/23(金)は新宿で午前中に講習会に参加する。午後から劇場に行きたくて午前の部にした。私は午後に仙台ロックに向かう。午後12時半に講習会が終わり、新宿から東京駅に向かい、13時36分発の盛岡行やまびこ新幹線に飛び乗った。けっこう混んでいて自由席にギリギリ座れた。

16時前に仙台駅に降り立った瞬間、冷やりと感じた。さすがに仙台だね。東京はワイシャツ一枚が丁度いい気温で、半袖の人もちらほらいる。ところが仙台はワイシャツ一枚ではいられない寒さで、上着が必要。私はかろうじてベストを持参していたので助かった。仙台は梅雨時期になるともう一度コタツを出すほど気温が下がるのは住んでいたので知っていた。

開場の16時半前に劇場に入ったが、平日なので運よくかぶり席が空いていた。一回目ステージが終わるときには一見客が帰り、私はいつものセンター席に移動した。一日目から大好きな踊り子さんにしっかりかぶりつけた(笑)。

 

今週の香盤は次の通り。①夏木りりか、②沢村れいか、③清水愛、④MIKA、⑤あすかみみ(ロック)〔敬称略〕。全員ロック。

今回は全員お気に入りで、途中で席を外すこともなく、ステージを楽しめる香盤。

ポラ代はかかるけどね。ちなみに、前乗りしても金曜日は衣装ポラ500円Dayなので助かる。夜行バスと新幹線の差額はポラ代で相殺されるね。(笑)

MIKAさんは私が前乗りして喜んでくれた。「仙台に前乗りしてくれてありがとう~。三日間、楽しく過ごせるかと思うとワクワクだよ~↑」「太郎さんが前乗りしてくれたお蔭で、今日はすっごく楽しく過ごせました♪ありがとう。」前乗りした甲斐があるよん♪

 

今回のMIKAさんの出し物は、周年作と前作の「蕾」。

「蕾」を観ていて、おやっ!? ベッドに森山直太朗の曲が入っている。すぐにポラ時にMIKAさんに確認したら「そうなの!仙台バージョンなの!」と気付いてくれて嬉しい表情。「(リングを)仙台ではできないのが本当に残念。でも。仙台用にベッドを増やしてきたので、より大人のエロスを感じてもらえたらいいな♪」 はい、しっかりエロスを感じております♡ 私としてはこちらも嬉しい限り♡

 

さて、一回目ステージで、周年作「Rock with U」を拝見。

赤い化粧台の前で、鏡を持って化粧する女性。髪を上げてピンで結っている。最初の場面がすごくいい雰囲気。

化粧台から立ち上がる。ピンを取り長い髪を垂らす。清楚な高級感あふれる黒いドレス。胸元は黒いラメが入った生地でキラキラ輝く。胸元から下はエナメル生地のようで、さらりと足元に流れる。踊りやすいように裾が分かれている。足元に黒いハイヒールが見える。黒い手袋。そして、首周りにたくさんの銀の糸が垂れるネックレスを付け気品を増す。派手さはなく、むしろ落ち着いた大人の高級感を醸している。

徐々にドレスを脱いでいく。黒いパンティがまぶしい。右足が黒い紐で巻いてある。全裸の上に、黒いスーツっぽい上着を一枚重ねる。そして、椅子を使ってかっこよく踊る。相変わらず、振付に凝っているのが分かる。

その後、もう一度、黒いドレスに着替える。透け透けの生地で軽やかなドレス。ただ、前面にキラキラした宝石入りの白い刺繍が目を引く。かなり高価なドレスなんだろうな。軽く踊った後でベッドへ。

今回の衣装は、全てモノトーン調に作られている。落ち着いた演技、そして妖しい色香。大人の雰囲気が漂う。私はキャバレーのイメージを抱いた。

MIKAさんを見ていたら、大人の恋がしたいなぁ~と思わせられた。キャバレーでMIKAさんを横にして洒落た大人の会話を楽しみたい。そして、しっとりと愛してあげたい。

私はステージを見ながら、そんな雰囲気に一人で陶酔していた。

突然、酔いを覚まされる。007(ジェームス・ボンド)の曲が流れる。MIKAさんが激しい動きをして、最後はピストルを取り出して発砲。我々ファンはMIKAさんの前で素直に死んじゃう♡

そうか! ボンド・ガールが今回のテーマだったのか! やられたぁ~☆

今回のステージ構成は面白い。最後に、裏切られる展開が最高にスパイらしいよ。

 

ボンド・ガールMIKA

MIKAさんなら映画に出演しても絶対に様になるよー☆

上品で綺麗なうえ、運動神経がいい。濡れ場には最高のエロスを放つだろうなぁ~♡

冗談抜きに「ボンド・ガールMIKA」を観てみたくなったよん♪

 

私は中年オヤジになったからジェームス・ボンドにはなれないけど、ボンド・ガールMIKAを愛する気持ちは負けないよ~♪

ステージの上で、大人の恋をさせてくれるMIKAさんが大好き♡

よしっ! 空想の翼を広げて、大好きなMIKAさんのジェームス・ボンドになれる童話を創ろうっと!

 

平成26年5月                           仙台ロックにて

 

 

 

『ボンド・ガール』-平和を願って-

~MIKAさんの4周年作「Rock with U」を記念して~

 

 

ボンドは、仕事と休養を兼ねて、とある外国の街のキャバレーにいた。

 一人の踊り子のステージに目が留まった。「なんて、すてきな雰囲気をもった女性だろう」

 ステージは、彼女が赤い化粧台に座り鏡をもって化粧している姿から始まった。髪をピンでとめて結い上げているせいか、美しい顔がよく見えた。観客に流し目を送り、おもむろに立ち上がって踊り出した。ピンを外し、長い髪がくるりと背中に垂れた。シックな黒い衣装が大人の雰囲気を醸していた。キラキラ輝く胸元の銀のネックレスが彼女の気品を高めている。

 ボンドの心が高鳴った。すぐにバーテンに彼女と一緒に飲みたいと話した。

 彼女は笑顔でボンドのいるテーブルに着いた。名前をMIKAと言った。

「踊りがお上手ですね」とボンドが話すと、「ありがとうございます。小さい頃からダンスが好きで習っていたんです。」とMIKAは答えた。

 ボンドは、旅行で来ていること、いろんな外国での出来事をユーモアを交えて話し出した。MIKAは目を輝かせて話に聴き入った。お洒落な大人の会話が続き、二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。

 

 ボンドはA国の秘密諜報部員。鍛えられた肉体だけでなく、知識・教養を含めて、まさに選ばれた人間だった。

 一方、MIKAもB国の秘密諜報部員だった。美しい美貌、気品だけでなく、身体能力に長けていた。まさに彼女も選ばれた人間だった。

 最高の男性と最高の女性が、お互いの素性を知らないままに出会った。それは最高の恋になるはずであったが、悲劇はすぐに訪れた。

 二人は、それぞれの国からの指示で、共通のある事件の重要人物を追っていた。その人物が一方の国に捕えられるともう一方の国が大変に不利な状況に置かれるために必死で捜索を続けていた。両国とも国の威信をかけ、スパイ活動を中心に対応していたが、事態はどんどん泥沼化してきた。

 そんな中、A国の秘密情報部からMIKAの殺害命令が下った。ボンドは愕然とした。

 一方、同じ頃に、B国でもボンドの殺害命令が下った。MIKAは驚愕した。

 

 二人は秘密裡のうちに、出会ったキャバレーで再会した。

 それぞれの国の命運を担った二人だが、国の指示に従うつもりはなかった。愛する相手を殺すことなんてできない。しかし、命令に背いたら生きて帰れない。

「君を殺すことなんてできない。君のためなら僕は死んでもかまわない。」とボンドは言う。

「私もあなたを殺せない。あなたのために死を選ぶわ。」とMIKAも応える。

 二人は心中しようと誓った。

「今度生まれてくるときには、争いのない時代で、必ず結ばれようね」

 二人は拳銃をそれぞれの胸に当てて向かい合った。

 

 そんな二人の前に「平和の神様」が現れた。

「死ぬのは待ちなさい!もうすぐ事態は変わる。別のことで、あなたたちは必要とされます。」

 神様の言葉が終わるやいなや、ボンドとMIKAの携帯がほぼ同時に鳴った。

「どこにいるんだ。すぐに戻って来い!大変なことが起こった。」

 二人はそれぞれの国に急いで戻った。

 

 地球は、ある異星人から宣戦布告を受けていた。

 異星人が地球を侵略し出し、いくつかの都市に異星人が入り込んできた。

 A国もB国も地球内で小競り合いしている場合ではない。地球が一つになって異星人に立ち向かわなければならない事態となる。

 地球防衛軍が組織される。その責任者にボンドとMIKAが任命された。まさに選ばれた二人に地球の命運が託された。

 

 宇宙飛行船から現れた異星人は、人間よりかなり小さく、頭が大きく幼児体型をしていた。一見、弱弱しい感じ。「一気に異星人を捻りつぶしてやる!」と人間は息巻いた。

 地球防衛軍は、優れた兵器を繰り出して、異星人や宇宙飛行船に反撃を加えた。

 ところが不思議な現象が起こった。地球人の怒りの感情や兵器の威力が、異星人に吸い取られ、まるで鏡に反射するように人間に跳ね返って来た。兵器の破壊力が大きければ大きいほど、カウンターの威力になって返って来た。地球は大きな被害を受け、ますます熱くなって攻撃を増大した。殺傷能力が優れている兵器を使うほど、それだけ多くの人間が死んでいった。地球上から戦闘に加わった男性がどんどん死んでいった。

 ところが不思議なことに、反抗しない女子供に対しては全く危害を加えなかった。

 地球防衛軍が、異星人は相手の力を利用して倍返しするカウンター攻撃を得意とすることに気付いたときには、もう地球上の武器は底をつき、多くの都市が破壊され焼け野原になっていた。地球は完全に劣勢となり、このままでは異星人に侵略されてしまう。

愛し合っていたボンドとMIKAは「このままでは僕らの未来の子孫に地球をバトンタッチできなくなる」と危機感を抱いた。責任者として二人は苦悩する。

 

 そこに再び「平和の神様」が現れた。「この地球をあなた方人間だけに任せるつもりはありません。私に任せなさい。今から全地球規模で攻勢に出ます。」

 平和の神様の号令で、たくさんの天使たちが集まりました。人間以外の生物として、動物、鳥、魚、昆虫、さらに細菌などの微生物、そして魑魅魍魎の妖怪まで含めて全地球規模の攻撃体制が整いました。

それらが一斉に異星人に襲いかかりました。ところが、それらの生物は相手を殺そうという感情は無く、武器を持っていませんでした。ただただ、自分らの生きる権利と生活する場所を確保するために邪魔しないでほしいと主張しているに過ぎません。

異星人は、自分達を殺そうという意思や感情等のマイナスのエネルギーを利用してカウンター攻撃しようとするも、相手にマイナスの思いが無いため混乱しました。異星人は防御の仕方が分からないまま最後は自滅しました。

 

地球は都市という都市がことごとく破壊され、荒廃した地が続きました。

「平和の神様」は、この荒れ果ててしまった地球をもう一度人間の手に託すことにしました。

 ボンドとMIKAに向かって言いました。

「あなた方二人が、これからの地球のアダムとイブになりなさい。あなたたちは地球の命運を託された真に選ばれた人間なのです。」

そして、こう付け加えました。「地球は荒廃してしまいましたが、全ての武器という武器は地上から無くなりましたね。国境も無くなったし、もう殺し合うことはありません。」と平和の神様は片目をつぶりました。

 

ボンドはMIKAに結婚を申し込みました。MIKAは喜んでボンド・ガールになりました。

 

                                    おしまい 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔事後メモ〕

 またまた私の代表作を書き上げた満足感に浸っています。

 今回、5/23~25の三日間を仙台ロックでMIKAさんのステージを観劇していて、新作のレポートと合わせて、この童話「ボンド・ガール」を書きました。レポートを初日に書き、それをベースにして、童話のストーリーを二日目に構想し、三日目に渡しました。最初は、自分がジェームズ・ボンドになった気分でMIKAさんをボンド・ガールにするよう、映画ちっくに仕上げました。自分なりに面白さを追求しました。

MIKAさんがとても喜んでくれた。「『ボンドカール』すごくワクワクするストーリ展開で、なんだか文章を読んでるのに映画観てるみたいな感覚になったよー♪ すごく好き♡ ラストの平和の神様の言葉がいい~↑ こんなに短時間で、かっこいい作品を作ってくれて本当にありがとう。大好きな作品がまた一つ増えました。やっぱり太郎さん、すごいな~☆」これだけ喜んでくれると書いた甲斐があるよー♪

 

ところで、この童話を渡す直前のステージを拝見していて別のインスピレーションが湧く。

 テーマを‘平和’に置いたからには、物語にもっと深みを出したいなぁと考えていたら、ふと異星人のカウンター攻撃を思いつく。人間が人間の力(憎悪の感情と武器)によって滅びていく形。人間の傲慢こそが敵なのである。

 選ばれた最高の男女がつまらない国家間のエゴで命を失うなんて許されない。本来、選ばれた人間は人類のために働かなければならない。スパイなんていう仕事は人類にとって無駄な仕事である。平和の神様は人間のエゴを許せない。

 この宇宙戦争は、実は平和の神様が画策したもの、という含みを持たせた。片目をつむったのはそのせいです。そして、最高の男女である二人に、人類のアダムとイブになるように未来を託しました。

 人類は自ら作り上げた武器で一旦破滅しました。都市機能も無くなり、原始に戻りました。たしかに不便な世の中になったかもしれませんが、少しくらい不便になった方がいいと思います。今の人は便利に慣れ過ぎていますから。

 以上の想いを、童話「ボンド・ガール」の改良版に織り込みました。そして一週間後の楽日5/31(土)に持参する。

 

 早朝、仙台ロックの前に並んでいたら、MIKAさんの熱烈なファンの盛岡の方が来ました。彼は前日から観劇しており、MIKAさんが体調が悪くて途中からステージ内容を変えたりポラサイン無しの対応をとっていたことを話してくれました。もしかしたら、今日は降板するかもしれないとのこと。先週三日目の最後のステージで、一瞬、起き上がれなくなっていたことを思い出す。過呼吸の症状。すごく心配になりました。栗橋で肋骨の骨折から過呼吸になりましたが、骨折は治っても、体調が悪いと過呼吸が癖のように出てくることがあります。他の踊り子さんも同じ症状があり、治療に半年くらいかかると聞きました。そのせいかどうか分かりませんが彼女は早く引退しました。そういう例を知っているので、ものすごく心配になり、盛岡の彼に尋ねたところでした。彼も本当に心配していました。

 二人でそんな話をしているところに、MIKAさんが楽屋に入っていくのが見えました。いつもなら明るく挨拶してくるのに、今日は暗い表情で黙って楽屋に入っていきました。相当具合が悪そう。無理しないで休んだらいいのにね!と彼と話していました。出演してくれるのは嬉しいけどファンとしては増々心配になります。

 

 MIKAさんは当日は普通にステージをこなしました。この一週間の間に随分痩せたなぁ~という印象。心配でたまらなくなります。とりあえず手紙とこの童話「ボンド・ガール」改良版を渡しました。「『ボンド・ガール』の改良版を読めるの、すっごく楽しみにしてたよ~♪ これを読むまでは絶対降板なんかしないっ!って思いながら今日まで踊ってきました。」とのコメントに胸が熱くなりました。

 MIKAさんは私の予想通りに感激してくれました。「びっくりするくらい良くなってる~!!!! ほんと深みが増して、スケールもおっきく感じます! 基本的なストーリーや登場人物は変わってないのに不思議・・・太郎マジックだね♡ ほんと、すごすぎて『すごい』しか言えない・・(笑) それくらい・・・大好きで素晴らしい作品に仕上げてきてくれて本当にありがとう。かなり時間をかけて練り上げてきてくれたことが伝わって感動☆ 異星人たちの攻撃の仕方、なんだか納得しちゃった。平和の神様が全て仕組んだからだったんだね! 読み終わった後も、たくさんの気付きがある、素敵な作品ですねっ。」

 いつもながら、MIKAさんの反応や感想は私を励ましてくれる。童話創作においてMIKAさんの存在はどれだけ大きいかと改めて感ずる。MIKAさんはいつも私に最高の童話をプレゼントしてくれる。改めて思うが、童話は好きな踊り子さんのパワーを使って創り上げるために、極めてその踊り子さんのカラーを反映する。これまでのMIKA童話はまさにMIKAさんの味がよく出ている。MIKA童話は私とMIKAさんの共同作業であり、まさに私とMIKAさんの子供のようなものだ。これからも沢山の子作りに励みたいよん♡ (失礼しました!)

  そのためにも、絶対に無理をしてはいけない。無理すれば踊り子寿命を縮めてしまう。「今週の仙台では4日も一緒に居てくれてありがとう。太郎さんが来てくれたから体調も良くなったのかも。来週、仙台から東京に戻ったらすぐ浅草のレッスンで、その後40日間浅草のロング出演が決まってるの。身体がもってくれるか今の感じだと不安なんだけど、なんとか頑張ってくるねっ!!!」ファンとして心配でならないよー。