今回は、ロックの踊り子MIKAさんのことを、「限りない探求心」と題して観劇レポートさせて頂きます。
H25年ももう年の瀬になった。毎年、12月になると踊り子さんの引退興行が続く。私がホームにしているTS系でもエース格の水咲カレンさんや盃島楓さんが辞める。彼女たちのように引退興行をしてくれると前もって気持ちの整理はつくが、突然いなくなってしまうと目の前が真っ暗になる。今年一番多く応援してきた青山はるかさんと羽音芽美さんが突然香盤から消えてしまった。ショックが大き過ぎて心の整理がつかないでいる。
この心の空隙を埋めるには、別の踊り子さんにすがるしかない。無性にMIKAさんに会いたくなった。今の私を再び熱い気持ちにさせてくれる踊り子さんはMIKAさんしかいない。
ちょうど12月14日(土).15日(日)に仙台ロックに会いに行く予定にしていたが、一日前倒しにして13日(金)に行くことにした。14日(土)の夜行バス予約をキャンセルし、新幹線で仙台に向かった。仙台には正午過ぎに着いた。
仙台ロックの平日興行は16時半からの三回公演。
開演まで時間があったので、私は仙台ロックから徒歩五分ほどのラーメン二郎に行った。仙台ロックのある国分町通りから広瀬通りを右折して100mほどのところにある。ラーメン通の従業員ブッチャーのお奨め。前から食べてみたくて二三度行ったのだが、いつも長蛇の列で諦めた。11時半から21時までの営業時間。12時半頃だったので20人近く並んでいた。最後尾の客に「これでどのくらい待ちますか?」と尋ねたら「30分くらいですよ」との返答。時間があったので待つことにした。最後尾の若い客が親切でいろいろ教えてくれた。お奨めは何かと尋ねたら、種類はしょうゆ豚骨の一種類だけ。量がとてつもなく多いので、初めてだったら小に限ります。にんにくや生姜が入っていますが好みによって抜くこともできます。野菜やにんにく、生姜の量を調整することも可能です。そのときには「野菜増し」とか「全部増し」と言えばいいです。ちなみに自分は麺を固めで量を半分にしてもらってます。それから最初に食券を買っておいたらいいですよ。私が順番をとっておきますから入口の券売機で食券を買ってきて下さい。などなど・・・
ラーメン小は650円。
予定通り30分くらい経って店内に入る。カウンターに17席。余裕のスペースで座れた。
隣の客はラーメン大を頼んでいたが、更に「全部増し」と言う。大きな器に野菜が山盛りになっていた。こんな量を食べきれるのかと驚く。
私が頼んだラーメン小もすごい量だった。ステーキのように分厚いチャーシューが二枚も入っている。もやしとキャベツとねぎの野菜を食べるだけでお腹がふくれる。なかなか麺が現れないほどだ。にんにくと生姜が利いて味はいい。麺は太麺でずっしりくる。私はラーメン好きだが、情けないことに麺が食べきれなかった。半分近く残してギブアップ。先ほどの若い客が麺の量を半分にしてもらっているのがようやく納得。ラーメン小でこれなのだから大を食べている奴らは化け物だぁ~!!!
仙台ロックで従業員のブッチャーに報告したら「太郎さんもついにラーメン二郎デビューしましたか!」と喜んでくれた。身体の大きいブッチャーには、あの量はたまらないのだろうな。
おっと、ついつい好物のラーメンの話が長くなり失礼しました。
13日(金)15時頃、開場の30分前くらいに劇場前に並ぶ。平日だから当然誰もいない。
少しして、MIKAさんがやってきて声をかけてくれた。MIKAさんの顔を見た瞬間に心がときめいた。MIKAさんは手を振って、隣の劇場入口に入っていく。お蔭で開演前からるんるん気分♪
今週のメンバーは次の通り。①夏木りりか、②空まこと、③はるか悠、④MIKA、⑤柏木由紀奈(全員ロック)〔敬称略〕。ちなみに、最初の香盤情報では、鈴木千里さんが15日までだったが、夏木りりかさんに変わった。また、ショウコさんが空まことさんに変わった。
MIKAさんの一回目のステージは演目「Church」。
栗橋で観ているので、観劇レポートをなぞる気分で眺めていた。後半に一旦、幕が閉まり、リングが現れると思った。ところが、二本の布が天井から吊られている。ひっくり返るほど驚いた。浅葱アゲハさんが演じる布なのか!? MIKAさん、布の演技にも挑戦するの!?
よく見たら、布を取り付ける天井の金具が小さい。これでは体重を支えられない。案の定、布に登ったりはせず、二本の布を使って、身体に巻き付けたりして、しっとりと演じる。
MIKAさんから手紙で解説されて納得。「今週は残念ながらリングができないので、仙台バージョンを考えてきました♪」「実は先週、仙台でどうしてもリングがしたくて、オフ中に一回確認しに仙台に来たの。吊り所をくまなく探したんだけど、やっぱりダメだった~。地震もあったし、構造的にも難しいみたい・・・」そうなのか。仙台のお客さんにリング演技を観てもらいたいMIKAさんの気持ちが痛いほど伝わる。
この演目「Church」を観ていたら、二日目にベッドの構成が少し変わっているのに気付いた。白い衣装だったのが黒に変わっていたのでおやっと思った。「『Church』に関しては、さらにもう1パターン、ベッドを少し変えたものを今週中にできたらいいなと思ってます♪」こういうことかと感心する。
二回目のステージは演目「Body Feels Exit2」。
こちらも前の栗橋で拝見したもの。同じ内容と思って眺めていたら、またも度胆を抜かれた。
栗橋では白いドライバー手袋だったのに、今回は軍手のような手袋に変わっていて、おやっ!と思った。すると、照明が暗くなった瞬間に、手袋が七色に光った。
光が舞う・・・親指から順に緑・青・黄・赤・白とカラーが並ぶ。手の動きだけで観客を酔わせる。素晴らしい演出である。
以前ステージで、蛍光塗料で骨の演技を観たことがあったが、このような七色の、しかも手だけの演技は初めて拝見した。たしかに、今や世界的に人気があるテクノポップユニットPerfume(パフューム)のステージはこういう演出を駆使している。なにはともあれ、MIKAさんが電子グローブのようなハイテク流行を取り入れていることに感動した。
ステージ演出・ショーupに限界はないなと改めて思う。お客に喜んでもらうことを常に考えていたら、無限にアイディアは浮かぶもの。探求心は限界をなくす!
演目「Church」でも、リングをやらなくても、ベッドを少し長めにやれば一つのステージとして十分なのだが、それで満足しないところがMIKAさんの凄いとこ。さらにベッドを工夫したいと試行錯誤している。フィギュアスレートではないけれど、常に最高得点を狙いたいんだね。まぁ、私が審査員だったらMIKAさんが現れた瞬間に満点を付けちゃうけどね(笑)。
MIKAさんのステージに対する貪欲さに脱帽。向上心と探求心がある限り、ステージはどんどん良くなっていく。客を飽きさせないのでファンがどんどん増える。気持ちひとつで好循環スパイラルに入っていく。
こんな素敵な踊り子と巡り会えたことをストリップの神様に対し感謝に耐えない。
ステージが素晴らしいだけではない。
MIKAさんそのものが女神のように美しい。なんて綺麗なんだろうとため息がでる♡
青山はるかさんや羽音芽美さんの抜けた心の空隙に染み込むように、MIKAさんの美しさが輝く。
MIKAさんの全てを食べちゃいたい気分♪ ラーメン二郎のように残したりはしないよー(笑)。MIKAさんの全てを自分の中で消化したい気持ちでいっぱいだよ。
この三日間は最高に幸せ♪ H25年度はMIKAさんでめでたく締められそう。
振り返ると、9月のあの広島公演がH25年度最高のクライマックスであり、もしかしたら私のストリップLIFEにおける最高の一ページになるかもしれない。私の観劇レポートと童話「リング物語」たちとともに。
平成25年12月 仙台ロックにて
~MIKAさん(ロック所属)の作品「Body Feels Exit2」を記念して~
本当に光輝くものって何?
少女は小さい頃から光輝くものに憧れていた。
お金持ちの子が煌(きら)びやかなお洋服を着ていたり、光り輝くアクセサリーを付けていたりするとすごく羨ましかった。でも、自分の家は貧乏なので無理だと分かっていた。
年頃になり、少女は恋をした。
毎日平凡でつまらない生活を送っていたが、恋をした瞬間に、周りの全てのものが輝いてみえた。
太陽も、空も、水も、花も、木々も・・・全てが輝いていた。
そして、驚くべきことに、一番輝いていたものは自分だった。それを相手の少年が教えてくれた。
「この世の中に、君ほど美しく輝いているものはないよ。少なくとも僕にはそう見える。」
これまで自分は何の取り柄もないダメな人間だと思っていた。しかし、少年の言葉によって、少女は自分の中に輝くものがあることを知った。
ふと、手のひらを太陽にかざしてみた。
五つの指がそれぞれ五色に輝いていた。青・赤・緑・黄・白とカラーが並ぶ。もともと目には見えない太陽光線に含まれる七つの色を、彼女の手は具体的な色彩に変えられたのだった。
そんな彼女の手は不思議な力をもっていた。
失恋したり、仕事に失敗したりして落ち込んでいる人に出会うと、手のひらがブルーに変わった。彼女は、その人の話に静かに耳を傾ける。一通り話を聞き終わると、彼女は「恋をしているときのあなたはとても輝いていたわ。やはり恋って素敵よね。」また「働いているときのあなたの汗はきらきらと輝いていたわ。是非もう一度働いて輝きましょうね。」と語りかけました。
そして最後に、話してくれた人の手を両手で優しく包む。すると、彼女の手は五色に輝く。しばらくすると、元気がなかった人の瞳がきらきらと輝き始めた。
人に騙されてカンカンに怒っている人がいた。振込詐欺の被害に遭ったようだ。彼の心は怒りで燃え上がっていたので、彼女が側に近づくと手のひらが真っ赤に染まりました。
彼女は彼の傍らに寄り添い、彼の手を握って話を聞きました。彼の話を一通り聞き終わった最後に「心の貧しい人にお金を恵んであげたと思いましょうね」と彼女は優しく囁きました。そして彼の手を力強く握る。すると五色の光が放たれ、彼の心は怒りから解放されて平常心に戻りました。
彼女は、花や草木など自然のものを愛していた。自然が悲鳴をあげると彼女の手のひらは緑に染まりました。
傷ついている草木にそっと手を添えて念ずると、彼女の手のひらは五色に輝き、草木も緑色に輝きました。
病気で顔色が黄色くなっている人がいると、彼女の手は黄色くなった。優しく相手の手をとり、念じた。すると、手が五色に輝き、病気は快方に向かいました。
彼女は病気を治す力をもっているわけではありません。その人が本来もっている自然治癒力を引き出しているに過ぎません。人には輝ける力が本来備わっていて、それを導き出す力を彼女がもっているのです。
白髪の老人が床に伏せっていると聞くと、側に寄り添い話を聞きます。もちろん老人の手をしっかり握っています。彼女の手は生命のエネルギーが枯れかけた人の前では白く染まります。
「私は失敗ばかりしてきて、何も人に誇れることはありません。つまらない人生でした。」と老人が嘆くと、「そんなことはないわ。たくさんの人が、あなたがいてくれたことを感謝しているわよ。輝ける人生を送ってきたのよ。もっと自信をもちなさい。」と少女は語る。老人の手を包んでいた彼女の手は五色に光りました。
すると、老人は安らかな寝顔のまま天国に旅立ちました。
いつしか、彼女の手は神の手「ゴッドハンド」と呼ばれるようになりました。
さて、彼女は今どこで何をしているの。
彼女は、淋しい男性たちを慰めるためにストリッパーになりました。何も身に着けず、まさに裸ひとつでどれだけ自分が輝けるかを試しています。
いまMIKAという名前でステージの上にいる。彼女の手のひらは時々五色に輝きました。
おしまい