今回は、ロックの踊り子MIKAさんを追いかけての広島紀行です。彼女の魅力について観劇レポート「いろんな顔をもつ踊り子」として語ってみます。
H25年9月21(土).22(日).23(月) と9月に二度目の三連休があって、私は広島に遠征した。
応援している晃生の青山はるかさんが広島に初出演なのは分かっていたが、それだけで広島まで足を伸ばすつもりは元々なかった。ところが、ロックのMIKAさんの出演が入った瞬間に私は広島行きを決めた。ロックお気に入りのMIKAさんと、ロック以外でお気に入りの青山はるかさんというツートップがいたら迷うことはなかった。また、関東や関西・仙台の香盤で是非観たいと思えるところがなかったのも奏功した。
広島へは二度目の遠征になる。前回は昨年H24のGW、ロック特別公演。あのときに現在はるかファンとして親しくしているつよぽんと知り合った。また、あの時に板野舞さんが劇場に預けていたポラが、今回返ってきた。従業員に話したら奥の倉庫から探し出してくれ、白いポラ袋と併せて戻ってきたのがすんごく嬉しかったよん!
さて、今週の広島第一劇場の香盤は次の通り。 ①白川理恵(フリー)、②星愛美(晃生)、③MIKA(ロック)、④青山はるか(晃生)〔敬称略〕。
青山はるかさんの師匠が星愛美さんだが、白川理恵さんはその星愛美さんの師匠らしい。白川理江さんは還暦という。ということで、MIKAさんと青山はるかさん以外でも重い香盤になっている。(笑)
MIKAさんには青山はるかさんの話題を事前にしていたし、ポラ写真も見せていた。私は大好きな二人に仲良くなってほしいと心底思い、ハルミカの仲良しコンビになって!と二人に話した。「私も是非はるかちゃんと仲良くなって、ハルミカコンビになりたいな♪ 優しくて、おっとりしてて本当に素敵な女の子ですよね。ファンがたくさんいるのも納得!!」
MIKAさんには私がどんな劇場に行って、今どういう踊り子さんを応援しているかを手紙(レポート)を通じて詳細に報告している。MIKAさんはストリップ・ファンとしての私のことを一番よく理解してくれている一人。だからMIKAさんは何でも話せる母親的な存在であるのだが、本人が母ではなく彼女でいたいと言ってくれるので(笑)、私の特別な憧れのマドンナでもある。
広島に来てしまったからには、MIKAさんのことを集中的に想い、必ずMIKAオリジナルの観劇レポートと童話を創作しようと心に誓った。そして初日に本人に手紙で宣言した。後は有言実行あるのみ。
その週は1.3回目に新作「shine」を披露。
最初に、裾広がりの青いドレス姿で登場。ドレスには銀の刺繍がちりばめられ、長い黒髪には王冠をかぶる。まるでお姫様のように、華麗で清楚。ムーンライト・セレナーデのゆっくりした旋律に合わせステージは流れる。
静かな空気を一変させるように、今度はラフな格好で登場。白いワイシャツ姿であるが、他に身に着けているものは全て黒がポイント。黒いハットに、黒いネクタイ、黒い手袋、黒いブーツ、おまけに黒い足バンドを右ふとももに巻き、下着も黒いブラジャーに黒いパンティ。
白黒のモノトーンで、黒はとてもセクシーに映える。
二曲目は、足を高く上げたりと、静から動に動きが変化。最初に、ネクタイを外し、手袋を取り、最後にブラジャーを外して、ベッドに移動する。
ベッドでよく見たら、貴金属がキラリと光る。耳にイヤリング、首にネックレス、腕にブレスレット・・・
白と黒のコントラストがとても美しい。衣装だけでなく、MIKAさん自身が白い素肌に黒い長髪とコントラストしている。
今回の演目は二面性を表しているように感じた。華麗なドレスとラフな姿、静から動、白と黒のコントラスト・・・全く違った面を表現したいのだと思う。
MIKAさんというのは典型的なお嬢様タイプだと思う。育ちの良さが出ている上品で教養の高い高学歴ガール。普通の男性がみな憧れるタイプ。そんな普通にいい娘がなぜにストリップにはまったのか、ストリップ界の七不思議だ。だからこそ、永遠の清楚なお嬢様に憧れる男性にとって、MIKAさんは最高の存在になった。
ストリップというのは男性がエロを求めるところだが、本当のエロスというのは清楚の中で最も映える。こんな娘が・・というギャップ感こそが本物のエロスなんだと思う。だからMIKA人気に火が付いた。今では最も客を呼べて最もポラが売れる踊り子として絶対的な存在になった。
だから、MIKAさんはデビューから既に二面性を持っていた。そして踊り子を通じて、いろんな顔を演出し始めた。リングはその典型例である。まさかMIKAさんがリングに挑戦して、しかもこれだけアクロバテックに素晴らしい身体美を演じてくれるとは夢想だにしなかったはず。いい意味で客の期待を見事に裏切ってこれた。
時にはAKBのように可愛いセーラー服姿。時には時代劇風にきりっとした表情での剣さばき。時にはSM風にエロティックに。いろんな顔を持つところがMIKAさんの最大の魅力であり特徴だと感じる。
目指せ!ストリップ二十面相!というところかな(笑)
初日に手書きでコメントしたら、MIKAさんから嬉しい感想が返ってきた。
「『二面性』かぁ・・やっぱり太郎さん、鋭いですね♪私がステージを創る時に大切にしてるのが17分間、いかにステージに引き込んでいられるか、なんです。ずっと同じテンション、アプローチだとどうしてもみなさん飽きちゃいますよね。だから今までの作品は『光と闇』だったり『明と暗』『動と静』を分かりやすく表現するものが多くなっています♪」
この感想に嬉しくなって、私の童心が疼いた。この二面性というか、MIKAさんのもつ多面性をテーマにしたくなった。どう描くか?
ステージを見ながら、最初に、清楚な白雪姫が七人の小人たちを奴隷にして女王様に変身する物語が浮かんだ。七人の小人たちを一週間かけてあの手この手で責め続ける白雪姫。清楚とエロさという二面性。エロエロ路線で面白くストーリー展開しようかなと一瞬興奮したが、・・いや、憧れのMIKAさんのイメージを壊しちゃいけないなと心の声がブレーキをかける。(笑)
結果的に、七人の小人ではなく、七人の給仕にしてソフトな展開にした。そして『白雪姫の七つの顔』というストリップ童話を書きあげた。満足してくれるかしら(?) 不安!!!
今週は、この新作「shine」と三周年作であるリングの「rain」の二個出し。名作「rain」については時間をかけて別の機会に書かせて頂きます。
いつもロックの応援隊に囲まれているMIKAさんだが、ここ広島は客入りが極端に少なく、土曜日というのにMAX15名位、常時10名足らず。ポラが1000円と高いこともあって、ポラもあまり売れない。仙台ロックよりはるかに客入りが悪い。だから踊り子さんも3~4名と少ない。船橋の若松劇場がつぶれた今、次に危ないのがここだろう。中国地方唯一のストリップ劇場として是非とも生き残ってほしいとストリップ・ファンとして願う。
ともあれ、貸切状態の中、MIKAさんのステージをゆっくりたっぷり堪能できて幸せだった。また、手紙には童話を中心にたくさん同封させてもらった。
「今日も一日、太郎さんワールドを堪能させて頂きました。コーヒーブレイクのちょっとHな童話も楽しく読ませてもらいました↑なんだか一日通して長編小説を読んだ気分♪ こういう短編も挟みつつ、どんどん深まっていく太郎さんのストリップへの愛や、人生といってもいいかな・・・そういうものに触れられて、とっても嬉しいです!」
MIKAさんが太郎ワールドをたくさん味わえて嬉しいと喜んでくれた。私にとっても至福の時。こんな嬉しいことはない。
一日目の夜、はるかファン仲間、つよぽんとライス君と三人で広島の夜へ。つよぽんが星愛美さんに聞いたという広島焼きが美味しい店「越田」に行く。なんと、そこには先客として白川理恵さん、星愛美さんが先ほど劇場に居た年配のファンの方と三人で盛り上がっていた。注文するに当たって、年配の方が美味しいものを教えてくれた。最後にホットケーキがミソと教えてくれたが、丁度ホットケーキを食べていた星愛美さんが我々三人の口にホットケーキを運んでくれた。白川さんも星さんもすごく愛想のいい方だ。悲しいかな、私はお二人のステージを観てないので恐縮至極になる。
実際、越田の広島焼きは最高に美味しかった。「越田さん、私も行ったことあります♪ めっちゃ美味しいよね↑」MIKAさんもファンでしたか。。。
私は一発で広島のお好み焼きのファンになった。
今週は最高に楽しい広島紀行となっている。レポートはまだまだ続けます。
平成25年9月 広島にて
『白雪姫の七つの顔』 ~MIKAさん(ロック所属)に捧げる~
お城のような大きな邸宅がありました。そこに白雪姫と呼ばれる深窓の令嬢がいました。
白雪姫は意地悪な継母(ままはは)がいたために、物心付く前に邸宅内の離れの別宅に住んでいました。別宅には七人の給仕がいて、白雪姫にかいがいしく仕えていました。経済的には何不自由ない生活をしていましたが、白雪姫は肉親の愛に飢えていました。
年頃になった白雪姫はとても美しくなりました。しかも、育ちの良さが感じられる、清楚で上品で教養溢れる女性になっていました。この世の男性なら一目で白雪姫に憧れることでしょう。
そんな外見とは裏腹に、白雪姫は愛に飢えていたためか、心の内側に強い恋愛願望、いやそれは激しいエロス願望と言えるかもしれません。実際に白雪姫は自分の美しさに沢山の男性を傅(かしず)けたいと思いました。
最初のターゲットは七人の給仕たちでした。白雪姫の境遇に同情し、かつその美しさを十分認知していた給仕たちは、白雪姫の要望を快く受け入れました。
月曜日は、メガネをかけたインテリ風の給仕がお相手しました。教養溢れる会話を楽しみ、プラトニックな恋愛の極意を伝授しました。白雪姫の清楚な美しさが輝きます。
火曜日は、スポーツマンタイプの若い給仕がお相手。白雪姫を屋外に連れ出し、一緒にテニスを楽しみました。白雪姫の流す汗がきらきらと輝きました。彼も白雪姫には触れようとしませんでした。あくまで爽やかな青春恋愛を指導しました。
水曜日は、筋肉質な若い給仕がお相手。白雪姫をプールに誘う。透き通るように白い素肌とまぶしい肢体を露わにした水着姿の白雪姫。彼はスイミングの指導をしながら、白雪姫の手を握り、白雪姫の顔を見つめる。白雪姫は目をつむり、彼の口づけを受けました。彼の甘く優しいキスの指導に、白雪姫は酔いしれました。
木曜日は、男前の給仕がお相手。おしゃれをしてデートに誘う。自然な流れの中で、キスをし、彼は優しく白雪姫の身体を愛撫しました。白雪姫は初めて男性とのSEXの喜びを知りました。
金曜日は、テクニシャンの給仕がお相手。彼の指使いは蕩けるような快感を白雪姫に与えました。潮を吹くという初めての体験。白雪姫はもっともっと性の喜びを知りたいと思いました。
土曜日は、マニアックな給仕がお相手をしました。紳士的な顔をしていますが、メガネの奥にいやらしさが漂っています。彼は白雪姫をSMの世界に誘う。白雪姫の心が激しく高ぶりました。想像だにしなかった未知の世界に身体が融けるように反応していきます。アブノーマルな行為の奥に性の奥義と彼の深い愛を感じました。
最終七日目の日曜日。この日お相手した給仕は愛の奴隷でした。美しい白雪姫をまぶしそうに見る。白雪姫は自慢のヌードでセクシーに彼をじらしました。彼はじっと我慢しながら白雪姫に見とれるだけ。嬉しくなった白雪姫は女王様になった気分で、彼に奉仕させました。前日に体験したSとMを逆転させます。彼は白雪姫が望むことなら何でも従順に受け入れました。鞭でも蝋燭でも素直に耐え、そして最後に白雪姫から与えられる御褒美を喜びました。白雪姫はこんな倒錯した愛があることを初めて知り、深い感銘をおぼえました。
性の喜びを知った白雪姫は、与えられる愛よりも与える愛の方が自分には適していると感じました。
大きな鏡に写る自分の裸体を眺めながら、鏡に尋ねました。「私はたくさんの男性を魅了したいの。どうしたら自分の虜にできるかしら?」。
白雪姫はストリップという仕事を見つけましたが、すぐに決心がつきません。そこで劇場の受付嬢をしながら様子を窺いました。
劇場には、憧れの踊り子さんを求めて、たくさんの男性ファンが集まっていました。踊り子さんはステージの上でお姫様になり女王様になりました。男性ファンは熱い眼差しをシャワーのように降り注ぎました。
「私が求めていたものはこれだわ!」と白雪姫は確信しました。すぐに従業員に「私も踊り子になりたい!」と訴えました。従業員は最初驚きましたが、白雪姫の真剣な眼差しを見て快く手続きを進めてくれました。
いま、私はステージの上にいる!
たくさんの男性客が白雪姫のことを眩しそうに眺めていました。私はこの人たちに沢山の愛を与え幸せにしてあげたい。そのために、いいステージを努めたいの。
いろんな私を表現したい。いろんな私を感じて、いろんな私を愛してほしい。・・・
白雪姫は、時には華麗なドレス姿でお姫様を演じ、時にはAKB並みのアイドル娘になったり、時にはきりっとした表情で侍の恰好をして武道を演じたり、時にはアクロバティックにリング遊戯を演じたり、また時にはSMボンテージファッションで女王様を演じたりと・・・七つの顔を演じ切りました。
いつも七人の給仕たちがステージの影から白雪姫を見守っていました。
おしまい
【事後談】
いや~、感想が嬉しかったよ♪ これだけ喜んでもらうと書き甲斐があるね。
「私のレポート&童話♪ 太郎さんがたくさんの時間と情熱をかけて書いてくださったことが伝わって、ジーンときてしまいました。」
「嬉しすぎて、ぷるぷるしながら一気に読ませてもらっちゃいました。レポートも童話も、太郎さんのクールさ、知的さを改めて感じる内容でした。いつも冷静に私達を見つめてくれる太郎さんだからこそ見える部分を上手に切り取って文章にして下さってますね。」
ちょっとエロすぎたかなと心配していた童話もMIKAさんの心にヒットしてくれた。
「童話のアイディアもすごいっ!!! 白雪姫、小っちゃい頃本当に憧れていたので、太郎さんの童話の中で実現されて嬉しいな↑ しかも、よりエッチに♡ 私のデビューからの経緯や演目のことなど、リアルとお話がうまくミックスされて昇華されてて本当に素晴らしいですっ☆ こんなに素敵なお話を書いて下さって改めてありがとうございます。」
この感想を頂いて、レポート第二弾、そしてもうひとつの童話創作に弾みがついた。次の週の広島遠征で一気に書き上げた。