2022年1月結で15周年を迎え、そのまま引退する大阪東洋ショー劇場所属の榎本らんとの思い出と魅力を述べたいと思います。
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今回は、東洋の榎本らんさんについて「親友の憧れの君」と題して語ります。
私がレポートを書くエネルギーは、その踊り子さんに対する恋愛パワーが源泉。書いてるときは「あなたが№1」。そういう気持ちでないと筆が向かわない。
らんちゃん(以下、愛称のRC(らんちゃんの略)と言う)とは長い間とても仲良くお付き合いさせてもらっているので、もっと前にレポートを書いておくべきだった。ところが、RCの場合は私の親友の存在抜きに語れない。そのため、RCに対し「あなたが№1」という気持ちにブレーキがかかっていた。今回、たくさんステージを拝見して、そろそろRCのレポートを書いておきたいと思い始めた。
H26(2014)年3月、私は3頭のTS→3中の渋谷道劇→3結の池袋ミカドと三週続けて、かなりの頻度でRCのステージを拝見した。
最近、東洋の立花さやさん、晃生の青山はるかさん、羽音芽身さんなど足繁く応援していた踊り子さんが次々と辞めてしまい落ち込む中、キラキラ輝いて劇場に足を引っ張ってくれる踊り子さんの一人がRCだ。彼女のもつキラキラパワーを私なりに語ってみたくなった。
今回の演目では、教師もの「RC先生」が楽しかった。男性や女性の性器を細かく解説。すごくリアリティに富み、やはりRCのような美人教師が話すと刺激的。実物そっくりな男根を使ってのベッド・ショーは最高に興奮♡
いつも大阪東洋ショーのオープニングで、教師に扮したRCがスクリーンに映し出され、観劇のルールを説明してくれる。最後のRCの笑い声がキュンと来る。今回、それが演目になったのだから楽しいことこの上ない。
他にも、セーラー服もの「わがままRC」、ダンサーもの「レインボーブリッジ」など、RCのファッション・センスやダンス・センスの良さがよく出ていて楽しく拝見させてもらった。
今更ながらではあるが、RCは、ルックス・スタイル抜群の小麦色ギャル。身長165㎝、B86・W60・H83と完璧なプロポーション。キャバクラにいたら必ず№1嬢になれる逸材。話していると、エッチなジョークも飛び、会話がすごく楽しい。以前、東洋のラウンジで東洋の遠野こころさんと二人で漫談をやっていたことがあり、この道でも類まれな才能をもっている。これだけの美人が猥談をするとたまらない。まさに美しさとキャラがユニークに混在。こうした彼女のキャラがファンを掴んで離さない魅力のひとつ。
この一か月、私はたくさんの手紙をRCに渡したが、楽しい会話のように弾んだ。しっかり手紙を読んでくれるし、ツボにはまった感性のよい反応が私を喜ばせた。考えてみれば七年以上お付き合いしているのでお互い気心は分かっている。
また、らんさんに会いに来れば、かなり高い確率でスト仲間の藤田くんにも会える。それが私にとってのらんさんの魅力のひとつにもなっている。
藤田くんの話を交えて、RCの魅力を語ってみる。
RCはH19(2007)年1月21日に東洋でデビュー。私と藤田くんは同年3月18日に初めてRCに会う。しかも劇場は池袋ミカド。当時ミカドはTS系でもなく殆ど行くことはなかったが、RC目当てで行ったら、そこにたまたま藤田くんと深野くんがいた。この三人はスト仲間でしかも三人で一緒に飲みに行く仲良しグループ。一応年長の私の名をとってチーム太郎と呼んでいた。偶然に三人がミカドで会ったのだから大笑い。我々三人を池袋に集結させた引力は間違いなくRC。
私はいつものように新人のRCに手紙を渡す。するとRCから丁寧に長い手紙の返事がきた。私は感激し、一発でRCを気に入った。そうしたら、その手紙を藤田くんがずいぶん羨ましそうに見ていた。どうも藤田くんは一目でRCの魅力にはまったようだ。
そして藤田くんはRCの追っかけに入る。彼は当時三人ほど応援している踊り子さんがいたが、すぐにRC一本となる。
私も、RCを気に入ったので、RC目当てで劇場通いした。当時、私は仙台に単身赴任していたので仙台からちょくちょく東京の劇場に通っていたが、時に大阪東洋にも行った。盆前センター席で一日中応援して、最後に盆前にいる私にRCから感謝の握手を求められたこともある。また、逆に仙台ロックのリクエストカードにRCの名前をせっせと書いて、実際H21年4月結に仙台ロックに出演してもらった。毎夜、会社帰りに仙台名物を手土産に通ったのが懐かしい。「仙台楽しかったです。これは太郎くんのお陰でもありますヨ。どうもありがとう。ちなみにらんちゃんは笹かまが一番うまかった。意外でしょー?」 その時に藤田くんも仙台に遠征して夜一緒に仙台の国分町に飲みに行った。酔った勢いで「太郎さんのお蔭で仙台まで来ることになったよぉ~」とからまれた。(笑)
いつも飲みに行くと、藤田くんはRCの話ばかりする。ときに酔い始めると、新人好きの私のことを説教する。私は笑いながら聞き流す。
RCはこれだけ想われるファンをもって幸せだ。私にとって、RCは「親友の憧れの君」として他の踊り子さんとは違う立場に置いた。RCと会うと「今日は藤田くんに会えるかな」とか藤田くんの話題をする。
RCはデビューしてすぐに、美貌とキャラで一躍人気者になる。藤田くん始め、たくさんの追っかけに囲まれる。デビュー当時は私も彼らと顔見知りだったが、次第にファンも入れ替わっている。これは時の流れ、人の世の常である。当時から変わらずRCを追いかけているのは今では藤田くん一人かな。RCにとって彼は本当に貴重なファンだと思う。
東京勤務だった彼は、数年前に大阪勤務になる。私が大阪東洋に遠征してRCが出演している時には必ず藤田くんがいる。私と会うのは土日なので彼はラフな私服姿。RC出演以外はいつもラウンジに居て酒を飲んでぐったりと寝ていることが多い。RC出演中も寝ながら応援していることもある(笑)。かなり疲れているようだ。ストリップの廃人にならないかと心配になる。
「太郎さんはいつも楽しそうにストリップ通いしているね」と藤田くんは言う。一人の踊り子さんだけを応援すべきだと主張していた彼の言葉とは思えない。ストリップの本質は楽しむことにある。しかし、ストリップが人間対人間の遊びであるがため、人間関係のしがらみが発生することもある。でも、惰性で応援しても詰まらない。時間とお金の無駄になる。生きる活力にできなければストリップにこだわることもないだろう。
以前は必ずRCに差し入れをしていた彼だが「最近はもう差し入れもしなくなったんだ。」 あまり喜んでくれないのかな。一人だけを追いかけているとこうなるのかなとふと思う。「RCが辞めたら、自分もストリップを止めるよ」とつぶやく。私のように常にキラキラした踊り子さんを求めていれば感じないが、一人だけだと一種の倦怠期のような状態になるのだろう。そう言いながらも、藤田くんはRCを追いかけて関東には必ず遠征していた。
昨年、藤田くんは東京に転勤になる。お蔭で藤田くんに会える頻度は増えた。この3月の三連投も頻繁に会う。東京では平日の夜に会うので、藤田くんはきちっとしたスーツ姿。RC出演以外はラウンジにいるが、大阪の時のように乱れてはいない。やはり彼はRCなくして生きていけないのだろう。
連日、劇場通いしていれば疲れてくる。私が藤田くんに「かなり疲れているようだね。目が死んでいますよ」とからかう。逆に、私がかぶり席で居眠りしていると、藤田くんから「居眠りしていましたね」と鋭く突っ込まれる(笑)。おじさんは皆、疲れているんですよ。それでもストリップ通いは止められない。これを止めたら生きていけないもん。
たった一人の踊り子さんだけを追いかけるファン心理を考えてみた。
私のような妻帯者は結婚生活から逃避するようにストリップにはまった。その点、藤田くんは独身なので、ストリップに疑似恋愛や結婚願望を求めているのではないかな。もちろん絶世の美女であるRCと恋愛や結婚できるとは思っていないだろうが、心の奥底には宿っている気がする。
藤田くんはいい男である。
らんちゃん、ストリッパーを引退するときは、藤田くんの元に再就職してあげて下さい。親友からのお願いです。
変なレポートになっちゃいましたね(笑)
平成26年3月 池袋ミカドにて
~榎本らんさん(東洋所属)に捧げる~
人は必ず物事を選択しながら生きている。
中には選択しないことを選ぶ人もいる。与えられるままに生きる。これも選択のひとつ。
では、改めて問う。人は物事を積極的に選ぶ場合と選ばない場合とで、どちらが幸せになれるのだろうか。一般的に、自由主義というのは沢山の選択の余地があることが最大のメリットと云われる。果たして、そう言い切れるだろうか。
物事をどんどん選んでいくAさんがいる。
Aさんは好き嫌いがはっきりした人。
Aさんは学生時代、ひとつの授業を受けるたびに、興味がないとすぐに飽きてきて、もっと楽しい授業はないかなと考えた。ひとつの授業で溜まったストレスを別の授業にて発散する感じ。それを繰り返しながら、どうにか学校を卒業した。
いろんな授業を受けながら、一番関心が湧いた分野の大学を志願した。
大学に入ってからも、好きな授業はなにかを転々とし、一番興味が湧いた分野のゼミに入った。
Aさんは大学時代によくバイトをやった。しかも沢山のバイトを同時にこなした。彼は、あるバイト先でストレスがたまると、そのストレスを次のバイト先で晴らす。それを繰り返すことで沢山のバイトをこなすことができた。
Aさんは大学を卒業して、ある会社に入った。ところが、本当に自分に向いた仕事や会社は何かを考え、転職を繰り返した。そして最後に天職と思える仕事と出会えた。
Aさんはたくさんの女性と付き合った。今付き合っている恋人が少しでも気に入らなかったら次の女性へと次々と恋人を変えていった。そして最後に生涯の伴侶と思える女性に巡り合えた。
Aさんは好き嫌いをはっきりさせることで人生の幸せを掴んだ。
一方、物事を選ぶことのできないBさんがいる。
Bさんは学生時代に全ての授業を与えられるままに受けた。全ての授業にそれなりに興味が湧いたので、自分から選ぶことはしなかった。
大学進路は、彼の成績表から先生が勝手に決めてくれた。大学に入ってからも全ての授業をこまめに受けた。どれも面白かった。
会社は、ゼミの指導教官が決めてくれた。
会社に入って、Bさんは与えられたすべての仕事に楽しさを見出し、手を抜かずに頑張った。しかし、管理職になって部下の評価をしなければならなくなったものの、全ての部下が良くみえて厳しく評価し切れなかった。また自己主張をしなかったのでリーダーとしては全く評価されず、定年まで地味な仕事をやり続けた。
Bさんは付き合った全ての女性に対して良さを感じた。そのため、最終的な相手を選べなくて結婚できなかった。
Bさんは好き嫌いをはっきりさせられず人生の幸せを掴めなかったと云えよう。
さて、AさんとBさんが40歳を過ぎてからストリップにはまった。
Aさんは自分の理想とする踊り子さんを追い求めた。そして、この人と決めて、熱心に追いかけた。他の踊り子さんには目もくれなかった。Aさんは長くその踊り子さんを応援していたが、その踊り子さんが引退すると同時に、きっぱりとストリップから足を洗った。
一方のBさんは、全ての踊り子さんの良さを見つけ、みんなを応援した。そして、踊り子さん達から‘ストリップの父’と呼ばれるようになった。彼はストリップ界の幸せ者になった。
あなたなら、AさんとBさんのどちらが幸せと思いますか?
おしまい