星崎琴音さん(ロック所属)の、2020年7月頭の大阪東洋ショー劇場における公演模様を、演目「旅人」を題材に、「踊り子は旅を生業にし、旅に生きる」という題名で語りたい。
2020年7月頭の大阪東洋ショー劇場に顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①白石さやか(ロック)、②楓彩(ロック)、③有沢りさ(ロック)、④あらきまい(東洋)、⑤星崎琴音(ロック) 〔敬称略〕。今週は、白石さやかさんが東洋初乗り。
星崎琴音さんとは昨年年末の広島以来で半年ぶり。東洋としては昨年11月中以来なので約7か月ぶり。東洋常連としてはコロナ明けに早めにお会いできてすごく嬉しい。
今週は二個出し。1,3回目は新作「旅人」、2,4回目は演目「サマータイム」。後者は夏に向けての定番作品ですね。観ていると凄く元気になる。前者は私の初見になるので、今回はこちらの観劇レポートをさせて頂く。
初めてこの作品「旅人」を拝見したとき、はてテーマは何かな?と思った。正直よく分からなかった。すぐにポラ時、琴音さんからタイトルが旅人と教えてもらい、翌日改めてステージを拝見してなるほどなと感じた。
旅人と聞いて、童話好きの私はイソップ童話「北風と太陽」を思い出す。すると、今回の作品はそのままこの内容に当てはまることが分かった。お陰で、私の中から童話がひとつポンと浮かんだ。創作童話「風の妖精」をプレゼントさせて頂きます(巻末に添付)。
さっそく、ステージの内容をおさらいします。
選曲も、砂漠の旅人をイメージさせてくれ、素晴らしい。私にとっては、知らない歌手の知らない歌ばかりで未知の世界を彷徨いながらも、その中で聴き慣れた一曲、懐かしのサイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」のメロディがたまらなく心に沁みてくる。
最初に、フード付きの黒いマントを羽織って登場。栗色のショートヘアにダリアのような大きな赤い花を付ける。花飾りの下にきらきらとフリンジが垂れる。
紫の和傘を持って、音楽に合わせ、裸足で舞い踊る。和傘にはピンクの花が舞う絵柄がプリントされている。
一曲目は、高杉さと美の「旅人」。透き通るようなクリスタルボイス。2007年6月6日にリリースされた高杉さと美のデビューシングル。作詞:坂元裕二 作曲:武部聡志 編曲:TATOO。旅人の心の支えを歌った曲である。主要な演奏楽器に二胡、箏、尺八などが使用されている。
(歌い出し)♪「少年の瞳に 映る青い空は世界の果てまでも 見てた 悲しい空 銃声が聞こえる 夢に君を見てる砂の海の向こう 何が待ってるのだろう たくましく生きるために 僕はひとりになる傷ついた痛みも 仲間と呼 ...」
2007年6月6日に香取慎吾主演の映画『西遊記』のイメージソングに起用されたシングル「旅人」で歌手としてデビューを果たした。新人歌手としては異例の大々的なプロモーションが展開され、オリコンチャート初登場10位を記録するヒットとなった。同年日本有線大賞・新人賞、日本レコード大賞・新人賞、ベストヒット歌謡祭2007・新人アーティスト賞を受賞する。
高杉 さと美(たかすぎ さとみ、1985年7月11日 - 現在34歳)は、歌手、モデル。東京都出身。身長157cm。血液型A型。高校生のころより本格的に音楽レッスンを開始。一度はキャンペーンガールなどのタレントとして活動するが、シンガーへの夢が捨てきれず、その活動を自ら休止。 2007年6月、エイベックスより歌手デビューを果たす。
物語としては、この黒いコートを脱がせようと太陽と北風が登場してくる。
音楽が変わり、黒いコートを脱ぐ。下には、キラキラ光り輝く真っ赤なドレス。肩出しで、首から足元まで流れるドレスで花の刺繍が散りばめられている。これが太陽を意味する。
二曲目は、得田真裕作曲のエレクトーン演奏「アンナチュラルUnnatural Death」(TBS系 金曜ドラマ「アンナチュラル」オリジナル・サウンドトラックから)。
荘厳で、かっこいいBGMだ。得田は「不条理な死」とか「不自然な死」という、死に対してこれまでにない感覚を狙っていると語っている。
得田 真裕(とくだ まさひろ、1984年10月2日生- 現在35歳)は、日本の作曲家、編曲家、ギタリスト。鹿児島県出身。5歳からピアノに親しみ、中学ではギター部、高校では吹奏楽部に入る。鹿児島県立甲南高等学校を経て、長崎大学教育学部芸術文化コース3年時より作曲を専攻。在学中からCM音楽の作曲やバンド活動を行っていた。大学卒業後、神戸のゲーム会社で1年半程働いた後に上京し、菅野祐悟に師事する。2013年、NHKスペシャル『“世界最強”伝説 ラスベガス 世紀の一戦』を初めて担当。以降、主に劇伴・テーマ音楽の作曲で多くの作品に参加している。
音楽が変わって、ここで一旦、暗転し、着替える。
今度は、ふわふわした水色のドレス姿。襦袢に近い感じで、軽く羽織る。髪飾りはなし。物語としては、これは北風を意味している。
三曲目は、山田タマルが歌う「Scarborough Fair」。アニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」挿入歌 。
(歌い出し)♪「Are you going to Scarborough Fair? Parsley, sage, rosemary and thyme,
Remember me to one who lives there, For he once was a true love of mine.・・」
(和訳)「スカバラーの市へ行くの? パセリ、セージ、ローズマリーにタイム
そこに住むあの人によろしくと言って 彼はかつての恋人だったから」
山田 タマル(やまだ たまる、1982年12月1日 - 現在37歳)は、日本の女性シンガーソングライター。東京都練馬区出身。東京都立西高等学校、早稲田大学第二文学部卒業。2011年から2016年にかけて、「タマル」として活動していた。幼い頃から父や母の影響で、洋楽・主にジャズやカントリーを聴いて育つ。
『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』は、枯野瑛による日本のライトノベル。イラストはueが担当。愛称は「すかすか」。
第1部『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』は「ヴィレムの物語」となっており、角川スニーカー文庫(KADOKAWA)より2014年11月から2016年4月まで全5巻が刊行され、その後外伝 (EX)が2017年2月に刊行された。2016年4月からは5年後の世界を描いた第2部『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?』が8巻(2019年11月現在)まで刊行されている。2019年6月時点でのシリーズ累計発行部数は100万部。 2016年7月より『月刊コミックアライブ』(KADOKAWA・メディアファクトリーブランド)においてせうかなめ作画による漫画版が連載。2017年4月から6月にかけてテレビアニメがTOKYO MX、AT-Xほかにて放送。
「スカボロー・フェア」の原曲はイングランドの伝統的な民謡(バラッド)。バラッドとは、イギリスなどで伝承されてきた物語や寓意のある歌のことで、語るような曲調が特徴。この「スカボロー・フェア」の歌詞には様々なバージョンがあるが、その中でも有名なのはサイモン&ガーファンクルのもの。
歌詞がとても意味深で、“ある事柄”の隠喩と言われ、考察がとても興味深い歌です。
サイモン&ガーファンクルは、男性ボーカルで歌詞も女性へ宛てた内容になっています。
しかし、山田タマルさんが歌う曲は、もちろん女性ボーカルで、歌詞の「she」が「he」になったり、女性から男性へ歌う内容になっています。妖精騎士が愛する男へと送る惜別と恋慕の歌に変わっている。
ちなみに、「スカボロー」とはイングランドのノース・ヨークシャー北海海岸沿いの街「スカーブラ(スカーバラ)」のこと。
この歌詞の中に出てくるパセリ、セージ、ローズマリー、タイムというのは、いろんなハーブの名前です。そして、パセリは慰め、セージは強さ、ローズマリーは愛、そしてタイムは勇気を象徴するそうです。
いろいろ検索すると面白そうだなー。アニメ『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』は全12話なので、こりゃアニメを観なくちゃダメだな!
ステージに話を戻します。
そのまま、裸足でベッドショーへ。
ドレスをはだけると、色白のヌード、形のいい豊満なバスト。ナチュラルヘアがこんにちは♡
アクセサリーとしては長い銀の首飾り。左手首には金のブレスレット。
ベッド曲は、チベット族中国人女性歌手alan(阿蘭)の「風に向かう花」。Alanの日本における13thシングル。2010年7月7日にavex traxよりリリースされた。作詞:松井五郎 作曲:菊池一仁 編曲:中野雄太。
(歌い出し)♪「なにもない空の彼方 また光があふれる 名前さえ 持たない花びら 咲く意味を…」
「風に向かう花」は平山秀幸監督の映画『必死剣 鳥刺し』の主題歌。運命を切り開いていくのは自分自身だというメッセージを込めて歌っている。
alan(アラン、1987年7月25日 - 現在32歳)は、中国四川省カンゼ・チベット族自治州(甘孜州)丹巴県(ロンタク県)(通称・美人谷)出身の女性歌手。小学館『AneCan』の元専属モデル。チベット族。 2007年11月21日、日本デビュー。日本でのプロデューサーは菊池一仁。
最後に、感想を一言。
琴音さんも踊り子としての仕事をしながら、時に自分が旅人になった気分になるんだろうなと改めて思わせられる。
雑誌「月刊ヌード劇場通信」の旅女というコラムに「旅を生業にし、旅に生きるストリッパー」として踊り子さんを紹介している。私はこの言葉が好き。
踊り子は全国津々浦々の劇場を回る。まさに旅人である。踊り子という仕事は旅が好きじゃないとやってられないと思う。
同じように、熱心なストリップファンも好きな踊り子さんを追いかけて全国を遠征する。これも踊り子さんと同じなんだなー。
私はときに渡り鳥になった気分になる。各地の劇場に立ち寄り、たくさんの踊り子さんの元に行く。男は女を求めて旅をする存在。好きな女を求めるためには苦労は惜しまない。そもそも、男というのは常に女を求めて、じっとしてはいられない存在なんだ。はるばる地方に行き劇場に立ち寄り、好きな女の子の笑顔を見ると、心が休まる。まるで鳥が羽根を休めるために止まり木にとまっている気分になる。「ストリップって止まり木かな」と感じる。たくさんの止まり木に恵まれることがストリップファンとしての幸せである。
人生は旅人かもしれない。私も秋田の田舎で生まれたが、故郷を離れ、仙台の大学に行き、就職し全国を転々とした。今はストリップで全国を転々とする。たくさんの人と知り合い、いろんな土地で酒を呑むのも楽しい。そんな止まり木がたくさんあればいいなと思う。
2020年7月 大阪東洋ショーにて
【星崎琴音さんからのコメント】
いつも思うけど、太郎さんのレポートの速さと調べる能力すごい!!
北風と太陽!! 意識してなかったけどなるほど!と思ったよ!!
旅人というタイトルにしたのは、人生を題材にした演目だから!コロナも含め色んな事がある人生だけど、強く生きていきたいっていう願い
北風と太陽ではなかったけど、でもどこか頭の中でそんなイメージを浮かべていたのかもしれない! うまいこと考えるなって逆にすごいって思ったの!!
そう! 赤のファンベールは己が運命、宿命とか、そういうのを表現したくてやってる!
2曲目ね!! 色々的確というか!! レポート楽しかった!!
~星崎琴音さんの演目「旅人」を記念して~
広い砂漠の上を一陣の風が吹きぬけた。
ジプシーの一行がその風を避けるように砂漠の道なき道を急いでいた。彼女たちはアラビアンダンスの踊り子たち。いろんな国々の王宮に招待されては自慢の踊りを披露していた。
風の妖精‘ことにゃん’が、雲の隙間から愉快そうにそのジプシーたちを眺めていた。先ほどの風を吹かしたのはことにゃんの悪戯だ。ことにゃんが何をそんなに嬉しそうにしているのかと言うと、太陽と月の会話を聞いてしまったからだ。
元気いっぱいな太陽は言う。「あのジプシーたちが踊るのは、私が照らしている日中だと思うね。早く私が見ているところで踊ってくれないかしら。」
それに対して、控えめな月は言う。「そうかしら。あのジプシーたちが踊るのは、私が照らしている月夜のときだと思うわ。できれば私の下で踊ってほしいわ。」
ということで、太陽と月は競争することになりました。
太陽は明るさと暖かさを武器に、ジプシーたちの上着を脱がせて、踊りやすいようにしようと考えました。ところが、ジプシーたちは明るいところで肌をさらすのを嫌がりました。その上、太陽が張り切れば張り切るほど、砂漠の暑さは尋常でなく暑過ぎて上着を脱ぐことはできませんでした。ことにゃんも協力的に、少し太陽の熱を和らげようと風を吹かせましたが、熱風になってしまい逆効果でした。
結局、ジプシーたちを踊らせることができず、太陽が残念そうに沈んでいきました。辺りが暗くなり、そして暑さが和らぎました。そこでジプシーたちはピラミッドのそばにテントを張りました。そして、テントの中で休憩しました。
しばらくすると、太陽と交代に、月が現れました。月は、ただ静かに、そして優しく微笑むだけでした。
ジプシーたちがテントから出てくると、暗闇の中を月の光がジプシーたちを照らしました。まるで月の光が照明で、ピラミッドの前が大きな舞台のようになりました。
ジプシーたちはアラビアン特有の衣装に身を纏い、お供の楽器隊の伴奏に合わせて、踊りの練習を始めました。お腹と腰を妖しくくねらせて踊り、とても魅惑的、幻想的、エキゾチックなものでした。
暗い空の上から、星たちがキラキラと拍手を送りました。
ことにゃんも調子にのって、ピラミッドの周りにぐるりと涼風を吹かします。踊り子たちの長い髪や衣装が妖艶になびきました。ことにゃんは大喜び。
今回は、太陽の熱意より、月の優しさに軍配が上がりましたね。
おしまい