今回は、TSさよなら興行の、まさにTSラスト公演H29年1月中の公演模様について、「ストリップの歴史的瞬間、TS閉館に立ち会う」という題名で語ります。

 

 

 TSさよなら興行がH28年11月1日から始まっていた。そして、ついに閉館直前のH29年1月11日~15日最終公演が始まった。

 私は1月13日~15日の最終三日間通う。

 その週のTSの香盤は次の通り。

 最終日15日は①虹歩(札幌ニューカジノ)、②浅葱アゲハ(フリー)、③春野いちじく(TS)、④石原さゆみ(道劇)、⑤栗鳥巣・京はるな・渚あおいのチームBoys Love、⑥目黒あいら(晃生)、⑦中谷ののか (TS)〔敬称略〕。

 ちなみに、日にち限定の出演者は次の通り。

 11~12日のみ、林企画の御幸奈々さんと美樹うららさん。

 13~15日のみ、春野いちじくさん(TS)。

 14日のみ、元TSの早瀬みなさんの限定復帰。

 15日のみ、石原さゆみさん(道劇)。

 

 お正月特別公演は、H28年の年末12/31から始まっていた。年末一日限定でTSメンバーを中心にした10人による特別興行が企画された。1月頭のメンバー六人(虹歩さん、浅葱アゲハさん、鏡乃有栖さん、美里麻衣さん、KAERAさん、榎本らんさん)の他に、上野綾さん、時咲さくらさん、山口桃華さん、中谷ののかさんが加わり総勢10名の豪華公演。深夜遅くまで四回公演が催された。

 その後、お正月元旦から六人香盤になるも、ずっとお正月特別興行として、入場料金を5200円に固定(早朝は4200円)していた。いつもより料金高めのためか客入りが少ない日もあったようだが、休業中のきよ葉さんが1/4.5の二日間限定で「玉菊きよ葉」という名前で出演し超大入り。ラスト公演に向け徐々に盛り上がりを見せていた。

 TS劇場としてはたくさんの元TSメンバーに出演依頼の声を掛けたようだが、なかなかうまくいかなかったようだ。例えば、昨年10月頭の公演に二日間のみ限定復帰した小森ななさん待望論も強かったが実現せず。また懐かしい千堂あやかさんの名前が掲示板に一時出ては消えたりしていた。現役引退して久しい方に裸での出演を依頼しても嫌がるだろうなとは感じる。結局、1/4.5の二日間限定で玉菊きよ葉さん、1/14に早瀬みなさんが限定復帰した。この二人目当てで客が大入りした。

 私は1/14に久しぶりに早瀬みなさんと再会。H24年末引退なので四年ぶりになる。ただ、彼女の場合は、ルックスもスタイルも往時と全く変わっていなかったし、身体も現役時代のように動いていた。流石である。みなさんは今でも引退された元踊り子さん達(DXKのチナツさん、卯月朱美さん(朱魅と改名)、ロックの水月涼さん等)と「ラブリーモンキーズ」と称して定期的に公演をされているので、堂々と限定復帰されたのも頷ける。ちなみに、1/14の入口受付の「誰を見に来たか」のアンケートでは、みなさんがぶっちぎりでトップ。いかに昔の客がみなさんに会いたがっていたかがよく分かった。常連の私でさえ知らない昔のお客さんがみなさん目当てでたくさん来ていて、挨拶がてら沢山のポラを買っていた。

 

 まずは、真夜中の席取り合戦の話を述べる。前回、12月中のときの模様を報告しているが、今回はそのときの比でないほど大変な状況だった。なによりも寒さが厳しい。雪がちらつくほどの寒波がやってきていた。みなさん完全防寒していたが、私は寒さに耐えられず途中でマフラーとホッカイロを買ってきた。私のスト仲間もセーターを買ってきたほど。

 私はラスト三日間(1/13~15)TSに通ったので、三日間の席取り合戦の攻防があった。

 初日は1/12(木)の夜から席取りを始めることになる。

 その夜は23時半くらいにTSに行く。まだ終演前。受付の従業員に一言ことわって、2~3階の階段踊り場で待つ。一部メンバーの入れ替え(御幸奈々さん、美樹うららさんから春野いちじくさんへ)があったため掃除が長引き深夜二時近くに荷物を置けた。六人並ぶ。まだ平日だからこんなもんで済んだ。問題は次の土日対応である。

 次は二日目1/13(金)夜の席取り合戦。いよいよ本番。

 当日は平日なので一日四回公演。私は一番乗りで、いつものポール横一列席に座る。この日は平日にもかかわらず、いつもの土日以上の客入り。朝から立ち見もいた。

 私は四回目ステージを観ないで並ぼうと考えていた。その前に、従業員の林さんに前乗り客をどう並ばせるつもりか尋ねた。きっと人数が多くなるので、階段の踊り場に、チケットを買っている人とそうでない人が入り乱れて混乱すると思われる。林さんは上層部に相談すると言う。結局、今回はいつもの階段踊り場ではなく、外の入口のところに並ばせると言う。そこで私が21時くらいから並んでいいかと尋ねたら、いくらなんでも四回目が始まる前はないんじゃないの!?と言われる。そうこうしているうちに、21時にチケットを買わずに階段踊り場に並び始めた人がいた。いつも早くから並ぶ常連さんだ。彼に気づいた私は、彼に「今回は並ぶ場所が変わったよ」と説明する。そして、彼と一緒に並ぶことにした。私は二番目になる。その後、22時までに二人追加。四回目のチームショーが終わった23時頃に場内客が二人追加。その中に女性客一人。計六人。後は、四回目ステージが24時半に終わると同時に数人が並び、計15人くらい。深夜一時過ぎには掃除も終わり荷物を置いて解散。

 私はこの二日目に外に四時間居たせいで風邪気味になる。マフラーやホッカイロを買ったが身体が冷え切る。すぐにホテルの熱い風呂に入って寝る。どうにか風邪にならずに持ちこたえた。本番は翌日の最終日だ。気力を振り絞って頑張るぞー!

 そして、最後三日目の1/14(土)夜の席取り合戦が始まる。

 1/14(土)の日中は予想通りの満員状態。後部の長椅子を二つ取り除いて、立ち見のスペースを増やしている。私は運よく、いつものポール横一人席に座れた。

 10時の開場時点で、入口から近くのコンビニまで長蛇の列。最高記録だろうな。始まる時には場内の扉が閉まらないほどの客入りになっていた。一番手の虹歩さんはポラが売れ一時間ほどかかる。次の二番目の浅葱アゲハさんのポラの時に、私は無理やり外に出て近くのゲームセンターのトイレに行く。戻ってきて中に入ろうとしたら扉が人で塞がれていて中に入れず、三番手の春野いちじくさんのステージが観れないという悲しい失態。

 ともあれ席取り合戦の要領が分かった。ラスト回が始まる頃、大体20時くらいから、外に並んだらいいと思い、スト仲間数人に連絡した。彼らから情報を求められていたので教えたわけだ。彼らは真面目にやって来て、私がラスト回が始まる19時半に外に出たら既に四人来ていた。私は三番目に入る。我々が並び始めたら、どんどん人が増えてきた。私のように当日場内でいい席で観ている人も、あえて明日のために席を放棄して並び始める。その中にチーム目当ての女性客も数人いた。驚くべき光景である。少し前には女性が並ぶなんて考えられなかったもんね。21時半には15~16人になっていた。たまたま外出していた栗鳥巣さんと京はるなさんがその行列を見て驚き、楽屋からお土産の菓子やら飲み物を持ってきて我々に差し入れしてくれた。その厚意に感謝。終演24時頃には25人くらいになり、最後まで観劇していた人が追加され総勢40人くらいずらりと外のTS前に並んだ。

 通行人が怪訝な顔をして「この行列は何ですか」と尋ねてくる。「TSが閉館するんです」「TSって何ですか」「ストリップですよ」とのやり取り。彼らは、この寒い中、君達はいったい何をしているのかね!?という表情をしている。いかにストリップ客以外には関心のない事かよく分かるね。この情熱はストリップを愛するファンにしか分からないだろう。それで結構である。

 従業員が急いで掃除を終わらせてくれて深夜12時半に荷物を置けた。その後、私はスト仲間六人で居酒屋に行き二時過ぎまで呑む。

 さて、真夜中の席取り合戦もこれで終わり。正直言って、席取りだけで疲労困憊。

 最終日は仲間に好きな所に座らせ、私はポール横二人席の方に座る。いつもの席ではなかったが、二日もいい席に座ったので席にこだわらなかった。なにせ仲間がいたから、この辛い席取り合戦に耐えられた。仲間には感謝あるのみ。逆に、この席にはいいことがあった。外に出る扉に近いため、トイレに行きやすいこと。もうひとつ、おまけが付いた。二人席なのでたまたま私の隣にきれいな女性が座った。名古屋の方から遠征してきたチーム目当ての方。私はチームのときには席を代わってあげた。すごく喜んでくれ、ストリップの話で盛り上がる。私は一日中楽しかった。彼女が最終の新幹線に乗るため21時頃に帰る。丁寧にお礼を言われる。彼女が居なくなるとなんか淋しかった。(笑)

 チームのお陰で女性客がたくさん入り、すごく明るい閉館記念になったものである。

 

 最終日1/15(日)は朝から超満員。開場前に70~80人は並んでいた。開演時は100人は超えている。満員電車並みのぎゅうぎゅう詰め状態なので、場内の移動ができない。簡単にトイレにも行けないし、外にも出られない。

 昨日に続き後列の長椅子二つの他に、壁サイドの長椅子も取り除き、少しでも立ち見のスペースを作っている。そのため座れるのは全部で30席くらいしかない。前乗りは大正解。座れるか座れないかで天国と地獄の差がある。これだけ混むと観た気がしないどころか、生きた心地がしないだろう。それでも最後のTSを一緒に体験したい気持ちが高まる。まさに、ストリップ界の歴史的瞬間を自分の目で確かめたいんだよね。

 

 さて、ステージの模様を簡単に話しておこう。

 トップは虹歩さん。今回のお正月特別公演でパイパンになっていた。私はいつもの風景と違うので目が点になる。久しぶりにパイパンにして恥ずかしそうにしていたのが印象的だった。(笑)

 二番手は浅葱アゲハさん。今回は茶髪でカールしたヘアスタイル。銀のタマゴの演目。得意の空中ショーが映える。

 三回公演では2,3回目に二人のチームショー「PPMAリボルーション」。素晴らしい内容だ。虹歩さんのリング演技を始めて観たがすごく上手で驚嘆&感激。

 三番手は春野いちじくさん。うさぎと着物の演目二個出し。

 四番手は石原さゆみさん。一周年作とモモクロの二個出し。

 五番手は、栗鳥巣さん、京はるなさん、渚あおいさんのチームショー。演目は「キンプリ」と「バッカス」。「キンプリ」は映画「KING of PRISM」が元ネタになっていて学生の三角関係を演ずる。「バッカス」は酒の神のことで、酒呑み祭りが演じられる。私は隣に座った女性ファンに演目を解説してもらい、初めて面白味が理解できた。(笑)

 六番手は、目黒あいらさん。当代ストリップ界№1ダンサー。最高のダンスを魅せる。

 トリは、中谷ののかさん。BD作品「マジカルプリンセス」を演ずる。

 

 一回目ステージはAM11時から16時までかかる。最後に合同ポラがあり、45枚ほど売れた。新記録だろうね。二回目ステージは16~20時。

 最終ステージの模様を話す。20時頃から最終三回目ステージが始まる。

 トップは虹歩さんと浅葱アゲハさんのチームショー。始まってすぐに虹歩さんが涙ぐんでいた。彼女はデビュー二週目にこのTSにのったと聞く。デビューから20年近い芸歴になる虹歩さんにとってTSでの思い出が走馬灯のように巡ることだろう。私もTSでの楽しかった日々が思い出された。ここに来れば必ず楽しい思いができると毎晩会社帰りに通った日々が無性に懐かしい。彼女の涙に誘われて、私も涙が溢れてきた。このままでは終演までに私は「涙の海」に溺れそうだよぉ~!!

 虹歩さんとアゲハさんの演技後、ポラが終わるとき、二人が社長を舞台の上に連れてきた。そして二人から社長に「お世話になりました」と記念品が渡される。二人の粋な計らいに拍手喝采。

 二番手の春野いちじくさんは演目「うさぎ」。三番手の石原さゆみさんは演目「一周年作品」。時間的に押してなかったので二人ともソロ進行。二人のポラはよく売れていた。

 四番手は、栗鳥巣さん、京はるなさん、渚あおいさんのチームショー。演目は「キンプリ」。場内がペンライトで盛り上がる。たくさんの女性客がチームショーが終わっても帰らずにいる。

 明日は平日の月曜日なので、終電も近づき、そろそろ帰る人も出てきたが、相変わらず場内は満杯状態。なぜなら、最後の瞬間を観ようと今から入場する人が後を絶たないからだ。

 ラス前の目黒あいらさんが23時半前に終わる。順調な進行で思ったより早く終演になるかと思われる。

 いよいよ、ラスト公演を締めくくるTSの看板娘、中谷ののかさんのステージが始まる。「ののか、頑張れー!」というお姐さんの声が響く。しっとりと演技を終える。

 それからのポラの行列が長い長い。なかなか終わらない。ポラが30分以上続いて、ののかさんのOPショーが終わったのが24時半頃。

 それから、閉館記念イベントが始まる。場内は朝の入場時と同じくらいの満杯状態のまま。

オカケン社長がマイクを持って話し出す。最初に「みなさん、大切なストリップ劇場を失くしてしまい本当に申し訳ない」と声を震わせる。後の言葉が出ないで、・・うずくまり首を垂れる。土下座をしているのか。社長が一番つらい思いをしているんだなぁと伝わってくる。「今までよく頑張ってくれたー!」と客から声がかかる。社長が気を引締め直し挨拶を続ける。「TSがなくなってもストリップがなくなるわけではない。みんなでストリップを守っていこう。」みんな、じーんと来ていた。最後に「これからの大和、ミカド、上野、そして少し遠いけど芦原をよろしく応援してほしい。」と付け加える。最後は営業トークか(笑)。社長の挨拶が終わりクラッカーが鳴る。

 経営陣として、オカケン社長とスタッフのりょうさん、けい子先生が舞台前に並ぶ。そして、脳梗塞で倒れたマサさんが社長とりょうさんに左右から支えられ、杖を突きながらも舞台に顔を見せた。大歓声。マサさんはTSでは社長・りょうさんに次ぐ№3的な存在。しかし、病気のため、あの巨漢が半分に痩せている。リハビリ中とのことだが、話ができるのでかなり回復している。この様子だと現役復帰も可能だね。すごくホッとした。もう一度大和で元気な顔を見せてほしい。

 ステージにたくさんの踊り子さんの顔がある。本公演に出演したメンバーとして、春野いちじくさん、目黒あいらさん、中谷ののかさん、そしてチームの栗鳥巣さん、京はるなさん、渚あおいさんが居残る。他に、現役組では雛形ひろ子さん、三枝美憂さん。今回限定出演された、きよ葉さんや早瀬みなさん。他の劇場からも駆けつけている。ミカドから、KAERAさん、新條希さん、遠野こころさん、かすみ玲さんの顔が見える。また、懐かしい顔として、青山和希さん、ミミさん、金城ちさとさん、六本木樹里さん(スト歴18年の私が唯一知らない方。樹里さんは伝説の踊り子だ)。

 踊り子さんみんなが二人ずつ、舞台からポールに向かって走りくるりと回る。みんなが涙目で、懐かしそうに回っている。これが本当に最後の舞台の感触だもんね。(涙)

 深夜一時に解散。もう終電もなくなった客がなかなかその場を立ち去らずにTSを懐かしむように入口の看板やお花の写真をスマホで撮っていた。

 私は仲良しのスト仲間四人で居酒屋に行き三時まで呑み、解散した。近くのホテル、マンガ喫茶に行く人、始発までぶらぶらしている人、いろいろ・・・みんな明日から仕事が始まる。でも、ストリップの歴史的瞬間に立ち会えたことにみんな満足していることだろう。

 

 こうして、TSは39年の歴史の幕を閉じた。

 TS本当に今までありがとう!

 

平成29年1月16日                      

 

 

PS)

1.     長年TSをホームにしていたストリップ・ファンとしてTS閉館の模様を記録できて良かったと思っている。

2.     TSが閉館した翌日に、場内の解体作業が始まった。本当にぎりぎりまで営業していたんだね。

スタッフのりょうさんから、大和の売店で、その解体作業の模様をスマホの写真で見せてもらいショックを受けた。跡形もなく解体されている。

改めて、新宿TSは「ストリップの牙城」であり「ストリップの聖地」だったと思う。失くしたものは大きい。

ちなみに、今は完全になくなったOSは‘大阪ストリップ’、TSは‘東京ストリップ’の略語であることを教えてもらった。ストリップで初めて下半身を見せたのは大阪からで徐々に全国に浸透し今のスタイルになった。そうした伝統のOS系列はなくなったが、TS系列としては大和・ミカド・上野・芦原がある。もうなくしてたまるか!

3.     私はポールの横の一人席をよく指定席にしていたので、壊れかかっている椅子に愛着を感じ、記念に持って帰ろうかと思ったほど。従業員がどうせゴミになるから持っていっていいよ!と笑っていたが、結局止めた。(笑)