今回は、TS所属の踊り子・中谷ののかさんについて、シアター上野2019年12月頭の公演模様を、新作「INCUBUS」を題材に語ります。
2019年12月頭のシアター上野に5日目から三日間顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①くるる(晃生)、②林香里奈(道劇)、③鏡乃有栖(TS)、④KAERA(TS)、⑤中谷ののか(TS) 〔敬称略〕。
この三日間はたまらなく嬉しかった。というのも、この週は踊り子さん全員からお絵描きを頂きまくった。次から次へと頂くイラストに私は歓喜していた。
その中でも、ののかさんの絵が私を喜ばせた。ほとんど毎回のように絵を描いてくれた。今までそんなことはなかったので感激した。そして、なによりも彼女の絵がめちゃくちゃ上達した。どの絵も見た瞬間に親しみが湧く絵で、ひとつとて駄作がない。なんというか、自分なりの絵を上手く描けるコツをつかんだようなタッチだ。
ののかさんがお絵描きで一皮むけた。最初は「私はお絵描きが苦手」と言っていたののかさんがこれほどまでに絵が上達したことに感激する。私自身のためもあるが、踊り子として絵心が上達することでステージも一皮むけると思う。
たしかに、二年近く前から、ののかさんは徐々に絵が上達してきていた。私のお絵描きブームに喜んでのってくれ、私のために努力してくれているのを感じていた。もうひとつ、私のお絵描きさんでもあり、ののかさんの親友でもあるさつき楓さん(晃生所属)の存在が浮かぶ。
思えば、一か月前の11月頭でののかさんと仲良しのさつき楓さんが引退した。楓さんは絵心を持っていた踊り子だった。いつも謙遜して「私は絵が上手くはない。でも描くのは好き」と言っていた。その楓さんの踊り子魂と絵心がののかさんに乗り移って、一気にののかさんの絵を上達させたような気がしてきた。なんか、嬉しくてたまらない気分になる♡
さつき楓さんはののかさんの中で生き続けていると感じちゃう♡
この週に新作を拝見。「新作はAcid Black Cherryだよ。演目名は『INCUBUS』です。久しぶりのダーク系。」
曲名を確認したら「曲名がトラック編集してて今わからないのでまた今度。」と言われ、いつの間にかレポートを書き損じてしまった。
コロナで自宅にいる期間中、なんか大切なことを忘れていないかなと思い、ようやく観劇レポートに着手した。
演目『INCUBUS』は2019年11月28日に大和で初出し。私はその翌日に拝見している。ステージを拝見した瞬間、今回も邦楽であること、全曲Acid Black Cherryであることが分かった。ののかさんから最初に「曲は氷川きよしだよ」と言われたが(笑)、私は一応Acid Black Cherryのことを知っていたよー。他の踊り子さんがABCの曲を使っていたからね。
演目名の『INCUBUS』は曲名から採っているが、その意味は(睡眠中の女性を犯すという)夢魔, 悪夢のこと。中世ヨーロッパの民間伝承には,睡眠中の女性と性交するとされる死人がいる。ののかさんの言う「ダーク系」だね。
最近、私は漫画やアニメをよく見るが、ダーク・ファンタジーという新ジャンルが人気。人肉を食べる『東京喰種』シリーズや『亜人』も観たし、これらの先駆的漫画『寄生獣』は名作だと思う。鬼と絡ませたものが多いのも特徴。『鬼滅の刀』や『約束のネバーランド』等が人気があるよね。
また最近の私は、ホラー系、とくに妖怪ものに嵌っている。だから映画「ソウ」にも興味があって観出したところ。そこに一曲目「ジクソー」が登場したから驚いたよ。
ちなみに、Acid Black Cherryは「エロ」をコンセプトにしている。私のストリップ童話も同じく「エロス」をコンセプトにしている。そこでダーク・ファンタジーに対抗して、エロス・ファンタジーという世界観を目指したいと思っているんだ。
最初に、Acid Black Cherryのことを記しておくね。
Acid Black Cherry(アシッド・ブラック・チェリー)は、Janne Da Arcのボーカリストyasuのヴィジュアル系ソロプロジェクト。所属レーベルはmotorod。略称はABC。
2007年始動。 2007年5月より全国15ヵ所でシークレットライブを行った後、7月18日にシングル「SPELL MAGIC」でデビュー。 現在までシングル19枚、オリジナルアルバム4枚、カバーアルバム4枚を発売し、オリジナル作品は全てオリコンTOP5入りを果たす。作品のクオリティーの高さとハイトーンボイスが奏でる抜群の歌唱力、ライブパフォーマンスは群を抜いており、現在の音楽シーンにおいて、ライブチケットの入手が非常に困難である。
2009年9月、声帯のう胞を発症し、手術するも再発。自身の頚椎損傷や起因する身体各所への痛みなど、複合的な症状の併発により、2017年から活動休止を発表をした。
yasu(ヤス、本名:林 保徳(はやし やすのり)、1975年1月27日 - 現在45歳)は、日本のミュージシャンで、ヴィジュアル系ロックバンド・Janne Da Arcの元ヴォーカリストでリーダー。ソロプロジェクト名はAcid Black Cherry。血液型はA型。身長は165cm。
Janne Da Arcの楽曲の多くの作詞・作曲を手がけるほか、他のメンバー作曲のものに詞をつけることも多い。自身のソロプロジェクトであるAcid Black Cherryでは、全ての楽曲を作詞・作曲・編曲・セルフプロデュースしている。作曲も歌詞も、Janne Da ArcとAcid Black Cherryと大きい違いはあまり見られない。 歌詞は恋愛やエロティックなものが多いが、殺人、犯罪、戦争、自然災害、ネット批判、人間の心の闇、yasuが好きな映画(ソウ)・ゲーム(モンスターハンター、デビルメイクライ)などをテーマにしたものも多々存在する。男性視点の歌詞だけでなく、女性視点の歌詞も多い。
漫画が大好きな少年で、中学時代には漫画家になる夢があり、自作の漫画に音楽をつけたり学校に原稿を持ってきて描いていた。(絵はドラゴンボールの鳥山明風)
ところが、中学3年生の頃にBOØWYのライブ映像を見たことがきっかけで音楽に目覚める。音楽の影響を受けたのはBOØWY、DEAD END、ユニコーン等。また自身はボーカルしか担当したことはなく、特に氷室京介、MORRIE、hydeは自分の音楽性に大きな転機を与えたと語っている。
特に、hydeに憧れており、DAIGOとも親交が深い。
さて、ステージ内容を紹介する。
最初に、暗がりの中、裾広がりの黒いロングドレスで登場。袖口の広がる手、手足の長さが強調される。黒地に金線が入っている。赤い花飾りの付いたヘアバンドを付けている。
黒いブーツを履いて、音楽に合わせ、妖しくも華麗に踊る。
一曲目は、「ジグソー」。ハイセンスなおどろおどろしさ。6枚目のシングル。2008年11月26日リリース。
(歌い出し)♪「人間は欲深く何も犠牲にせずに 与えもしないくせに必要以上を欲しがる 人間は罪深く正義を気まぐれに愛し 他人を恨んでも自分を恨みはしない」
Jigsawとは電動のこぎり。映画『ソウ』シリーズに登場するジグソウからきている。当初はシングル用に作られたわけではなく、歌詞が全英詞の曲だったこの英語詞版は、後に『Q.E.D.』に収録された。シングル化が決まった段階で日本語を多めに書き直された。
映画『ソウ』 (SAW) は、2004年に公開されたアメリカ合衆国のサイコスリラー映画。リー・ワネルが脚本と主演を務め、ジェームズ・ワンが監督した本作は、比較的低予算で制作されたにも関わらず興行的な成功を収めた。「ゲーム」と称した儀式を行う猟奇殺人鬼ジグソウ。人間心理を巧妙に読み取る術に長けており、二重三重にも計算されたトラップを用意し、これまで数十人以上の犠牲者を出している。ただし、必ず生き残れる手段が作られており、殺人そのものが目的ではない。
音楽が変わり、着替える。
上下セパレートな黒い衣装。背中の黒い羽根が特徴的。
長い髪を垂らし、肩出し。金の鈴が付いた黒い首輪。黒いブラ。透け透けのロングスカート。
音楽に合わせ、裸足で踊る。
二曲目は、タイトル名にもなっている「INCUBUS」(インキュバス)。2014年10月22日にmotorodから発売された19枚目のシングル。オリコン週間シングルチャートで2位を獲得。エルという名の女性の人生が描かれた壮大なコンセプトアルバム4th『L-エル-』収録され、「INCUBUS」はアルバム『L-エル-』のリード曲として重要な役目を果たしている。
現実に絶望してしまい。夢魔=インキュバスにまで救いと愛を求めてしまう、哀しい”私”の姿が痛々しいほどの内容。
(歌詞)♪「インキュバス いるんでしょ? 寝ても覚めても もう悪夢ばかり もう誰も愛してくれないなら 未来もないなら 夢でもいいから あなたでもいい 愛して」
音楽が変わり、着替える。
またしも黒い肩出しのドレス。胸元に白い花を飾る。
そのまま、ベッドへ移行。
左足に巻かれている赤いバンド、黒いバンド二本がワンポイント。
三曲目は、「Round & Round」。2015年にリリースされた壮大なコンセプトアルバム『L-エル-』のトップを飾る曲。
(歌い出し)♪「ねぇ今君はどんな夢をみてるんだい? さっきから微笑んだままで眠ってるんだもの ほら肩が冷えてる 風邪引くといけない ほらもうこんなにも冷たくなってしまって. Round & Round 君の世界に吸い込まれ 光を ...」
立ち上がり曲は、「Fallin' Angel」。2012.03.21リリースのアルバム『2012』収録。
(歌い出し)♪「I still keep calling your name. LaLaLa…LaLaLa…LaLaLa… I don't care. I have no fear. LaLaLa…LaLaLa… どうして…ねぇどうして… 夢でさえも笑ってくれないの? 」
曲の良さやyasuのキャラクター、ルックスももちろん魅力的だが、yasuの創り出す美しい世界観の虜になるね。
最近邦楽傾向のののかさん、ほんと魅力的な邦楽もたくさんあるね。
2019年12月 シアター上野にて