今回は、東洋の踊り子・伊吹千夏さんの四周年作品を中心に語らせてもらいます。

 

  千夏さんの四周年は昨年H26年12月頭の大阪東洋だった。この週に遠征できなかったため、しばらく周年作を拝見できないでいた。

  H27に入って、1月12日に新年の挨拶を兼ねて大阪東洋に顔を出したときに初めて周年作を拝見して感激した。たまたま私の隣に座っていた千夏大ファンのHさんに、おもわず「この作品いいねぇ~何というの?」と尋ねたら、「何を言ってるの!? 四周年作じゃない!」と答えながら「そう言えば周年のときにいなかったので、まだ見てなかったのか」と付け加える。

  大人の男女の恋物語を演じていたが、その雰囲気に一目で酔わされた。当日一回程度しか観れなかったので、次の機会にじっくり拝見してレポートしたいなと思っていた。機会はすぐにやってきた。

  翌月のH27年2月頭の大和ミュージックに千夏さんが出演。

  今週の大和の香盤は次の通り。①橋口美奈(天板)、②一宮紗頼(道劇)、③月夜乃空(札幌ニューカジノ)、④伊吹千夏(東洋)、⑤五木麗菜(フリー)、⑥杏野るり(ロック)〔敬称略〕。今週は五木麗菜さんのなんと25周年。今週のお目当ては千夏さんの他にも、仲良しの一宮紗頼さんと杏野るりさんがいるので、今週の平日は大和で決まり。

 

  ちなみに、その週は大阪東洋で、周防ゆきこさん(2周年)や渚あおいさんが出演しており、またホームTSの宮野ゆかなさんも出演していることもあり、休日は大阪東洋に遠征することにしていた。

  初日2/1(日)に大阪東洋に行くと、Hさんがいた。明日から千夏さんに会いに大和に行くと話したら、僕は行けないからヨロシク伝えてほしいと千円を渡された。Hさんは明日からの中国出張の準備があるからと二回目で帰っていった。

  また、その翌週2/7(日)も大阪東洋でHさんに会う。大和で千夏に千円渡したこと、そして平日の大和は客入りが少なったこと等を話す。関東の千夏さんファンは来てくれているのかなぁと心配しつつ、私が通ってくれているので心強いと感謝された。「来週の蕨ミニには行く予定なのでヨロシク伝えてほしい」と再度千円を預かる。Hさんは海外出張疲れのようで二回目で帰って行った。

 

  大和公演2日目の2月2日(月)、会社帰りに大和に向かう。木更津から車でアクアラインを通ると渋滞がなければ一時間半くらい。千夏さんの3回目ステージにはなかなか間に合わない。

当日は驚くほど客が少なく(数名しかいない)、すぐに正面センター席に座れた。

  朝からこんな客入りらしく、劇場全体がまったりしていた。まるで私の貸切状態みたい。来て良かったぁ~と思う。「東洋はすごく混んでそうだね。今日はビックリするくらいお客さんいないよ。」

 

  お目当ての周年作をじっくり拝見する。

  ビリー・ジョエルの名曲「ストレンジャー」で始まる。

  スタンドライトが灯る。その下にはたくさんの花が咲き、その葉の蔓がスタンドに巻き付いている。

  黒い皮ジャンを着た男が登場。黒い帽子を小粋にかぶり、黒いズボンに黒いブーツと黒ずくめの格好。革ジャンにはガラスのボタンが付いている。かっこよく踊る。

  胸に赤いスカーフをしている。また胸ポケットに赤い薔薇の花が。

  手紙をスタンドライトに貼り付けて立ち去る。

 

  背中が見える赤いドレスを着た女性が現れる。ストレート・ヘア。

  黒と銀の混じったハイヒールを履いて踊る。

 彼女は彼が残した手紙に気付いた。そして、中身を見ずに破り捨てる。

 ムード音楽に合わせて衣装を脱いでいく。

 

 最後に、透け透けの黒いネグリジェを着て現れる。

 カーペンターの名曲「マスカレード」に乗り、ハイヒールのまま、妖しい色香を漂わせてベッドショーへ。ラストにマフラーっぽい黒い上着を羽織る。

 

 夜のとばりの中での男女の恋物語が展開される。ムーディアスな雰囲気を醸す。これをひとつの物語(童話ではおかしい?)に落とし込んでみたいなぁー。

 この周年作はまだ題名がないようだ。私が勝手に『夜のとばりに』と名付けて物語を流してみた。遅くなったけど、これを周年記念にプレゼントするね。いくらでも手直しの注文は請けるよぉ~♪

 

平成27年2月                        大和ミュージックにて

 

 

【事後録】

 今回は、ステージを観た瞬間にドラマを書きたい気分にさせられ、最初に物語を書いた。レポートはその付け足しみたいなもの。それほどにドラマチックなステージだった。

 一旦自分なりに物語を書いた後で、ステージを観ると、あらっ!と思う点が出てくる。男は最後に持参した指輪をちらりと見せる。彼はプロポーズするつもりだったのか!? とすれば、彼は独身か・・・私の物語の前提が違ってくる・・・

 案の定、千夏さんから「最初は街灯の下で待ち合わせをしていた設定」なのとコメントがある。でも、「とても素敵な物語なのねー。うれしい♡」と言ってくれたので、あえて物語『夜のとばりに』は修正しないことにしました。マル

 

 

 

 

 

童話『夜のとばりに』 

                    ~伊吹千夏さん(東洋所属)の四周年作を記念して~

 

 

 

 ここは飛行場のあるパリの郊外。

 夜のとばりがおりる頃、街灯の明かりが灯る。街灯の下にはたくさんの花が咲き、その葉の蔓が街灯に巻き付いている。

 

 黒い皮ジャンを着た男が外灯の下に佇む。黒い帽子を小粋にかぶり、黒いズボンに黒いブーツと黒ずくめの格好。街灯の明かりが無いと、黒い闇の中に紛れてしまいそうだ。

 胸に赤いスカーフをしている。少し夜露で寒いのかもしれないが、きっとオシャレな男なんだろう。

 手には赤い薔薇を一輪もっていた。今しがた別れた女性を思い起こすようにじっと見つめる。

 そして、街灯に手紙を挟んだ。彼女が来れば必ず目にとまるように。

 彼は飛行機に向かって歩き出した。

 

 しばらくして、赤いドレスを着た女性が街灯の下に現れる。

 彼女は彼が残した手紙に気付いた。

 彼が乗った飛行機は既に発っていた。彼女は、彼からの手紙を手に取り、しばらく考え込んでいたが、おもむろに破いて捨て去った。

「さようなら。楽しい思い出をありがとう。」と書いているのか、「必ず迎えに来るから待っていてほしい」と書かれているのか、そんなことは、彼女にはどうでもよかった。男の言い訳なんて聞きたくない。

 

 この一年の、彼との思い出が走馬灯のように駆け巡った。

 街灯の下の花々が気の毒そうに彼女を見つめていた。

 大丈夫よ。家庭のある男性を好きになってしまっただけのこと。仕事が終われば彼は家族がいる国に帰って行く。そんなことは最初から分かっていた。

「けんか別れしちゃったなぁ・・・気持ちよく別れてあげればよかった・・・」

 もう恋は卒業ね・・・

 

 夜のとばりの中を、優しい風が彼女の長い髪をなでた。

 彼女の頬が濡れていたのは、夜露のせいか涙の跡なのかは分からない。

 

  

                                   おしまい