今回は、2019年6月に閉館した新宿DX歌舞伎の、思い出を語りたいと思います。
私のストリップ日記を辿ります。
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2006(H18)年11月に二週続けてDX歌舞伎に通いました。そのときの観劇レポです。
三連休最後の11月5日(日)、DX歌舞伎に行きました。
この週はDX大会で、DX系所属の踊り子さんばかり8名も出演していた。
香盤(敬称略)は①白雪恋叶、②みずきゆう、③ひなぎく、④持田那有、⑤浜咲ルカ、⑥水姫真名、⑦チームDX(きらら☆&チナツ)。最後の二人はベテランだが、残りはここ数年にデビューした新人さんが多い。中堅どころとしてはひなぎくさんか。改めて雨木夕希さんが抜けた穴が大きく感じてしまうなぁ。
当日早朝から並んでいると、お盆の頃に川崎ロックで会った大阪から来たファンと二度目の再会をした。彼はキティちゃんのポラ袋を踊り子さんに渡しており、けっこう踊り子さんと親しくしていた。関西では顔のストリップ・ファンなのだろう。
川崎でもそうだったが、彼はまるで明石屋さんま並みに喋る喋る。ストリップにやたら詳しい。お陰で開場前は退屈しなかったが、開演してからも私の隣に座った彼はまたまたよく喋る喋る。私はポラ待ち時間には踊り子さんにいろいろ手紙を書きたいのだが、横から話しかけられて正直閉口するほど。ただ彼はいろんなことを教えてくれた。
さて、今回特筆すべきは2つある。
そのひとつが、フィナーレ・ダンス。
観ていて凄く楽しい気分になった。以前私は、ストリップは「大人のディズニーランド」だと言ったが、まさにそういう気分にさせてもらった。ディズニーの音楽もあった。誰がミッキーで、誰がミニー、プーさんかはあえて触れない(笑)。新人のゆうさんの演技がとても初々しかった。
DX大会フィナーレ・ダンスは全体のまとまりの良さを感じる。これは、そもそも所属の踊り子数が少ないこと、ベテラン2人が一生懸命に新人さん達をリードしていること、とくに最近デビューした持田那有、浜咲ルカ、白鳥恋叶、水姫真名のDX四人娘が仲良しであること、などの理由があげられるだろう。
こういう楽しいショーは本当にいい。これからもDX大会は売りのひとつとして続けていってほしいものだ。
もうひとつがチームDX(きらら☆&チナツ)。
今回のチームショーは通算3回目なのか「チームDX#3の歌舞伎蝶」と云っていた。舞台いっぱいに蜘蛛の巣(実際は綱)を張り、チナツさんが蜘蛛、きららさんが蝶を演じた。
今回のDX大会最大の目玉は、11/3~5の三連休と11/10の楽日に限って、NORIYASUさんとの夢のコラボレーションが実現したこと。NORIYASUさんは北野武の映画「座頭市」でおなじみのタップグループTHE STRIPERSのメンバーの一員。丸坊主でステージに登場しただけで一流のもつ異様な存在感を示した。その彼がアフリカン太鼓「ジャンベ」を演奏し出した。
凄い!凄い!素晴らしい!
生でこんな素敵な演奏を聴けただけでも感激した。「ジャンベ」は西アフリカの伝統打楽器で、素手で叩くために初心者なんかは手が腫れてパンパンになるという。NORIYASUさんの手さばきはまるで蝶が舞うようで、見ているだけでうっとりさせられた。
この演奏に合わせて、「チームDX#3の歌舞伎蝶」が演じられたわけだが、最初に「ジャンベ」の音とともにきらら☆さんとチナツさんが花魁の格好で登場したときにはまるで一服の絵を見ている錯覚に襲われたほど。
私はストリップでこれほど素晴らしいセッションを観たことがない。
たまたま5日に観劇できたことを神に感謝する。
隣にいる大阪の彼が素晴らしいと何度も絶賛していた。他の踊り子さん皆に見てほしいなぁとしみじみ言っていた。同感である。
彼が言うところによると、きらら☆さんがNORIYASUさんに惚れ込み、NORIYASUさんが出ているディナーショーに通ったりして数年がかりでNORIYASUさんにストリップへの出演依頼をしたそうだ。自分達のチームショーを見てもらい納得の上で、ようやく今回実現したものらしい。
また、きらら☆さんは首や足に(怪我による)爆弾を抱えていて、かなり無理をして演じているということも大阪の彼が教えてくれた。
私は、最近ではきらら☆さんのインディアンの出し物がいいなと思って観劇してたりしたが、これまで特にきらら☆さんをファンとして応援していたわけではなかった。しかし、今回の彼女の企画を見て、きらら☆さんに対する評価が一変した。彼女は本物だ!
私は、ストリップのこれから進む道として、ショー・アップ路線か、エログロ路線かの正反対の道があると思っている。しかし、過去の本番まな板ショーを始めとしたエログロ路線には戻りはしないだろう。やはりショー・アップ路線が正統な方向ではないのか。
最近のDX歌舞伎では、素人大会、SMショー、スカトロショー、レズビアンショー等が多くなって、私のような普通のストリップを好むファンの足が遠のいている。正直、こうした路線は収益優先のやり方なんだろうが、正統的なストリップに反すると思っていた。ところが、今回のDX大会の企画は他の劇場ではやらない試みを行っている。つまり、DX歌舞伎はこれからのストリップの進むべき道を模索していろんなショーを催しているのではないのか、と思えてきた。たしかに可能性は広い。やってみなくては分からないところが大きい。
このDX大会の翌週は「日本一のパイパン大会vol2」だった。
日本一というだけあって、8名の豪華メンバー。香盤(敬称略)は①東条美月、②真咲凌、③彩中さゆり、④SAKURA、⑤天羽夏月、⑥恋にしき、⑦亜利沙、⑧ほしのゆき。パイパン大会というわけだから全員がパイパンにしている。
踊り子さんが多いので1日3回公演。
一番の目玉企画は剃毛ショーで、初日の1ステージ終了後に亜利沙さん(札幌ニューカジノ所属)、2ステージ終了後に真咲凌さん(ニュー道後所属、H18.1デビュー)が初のパイパンに挑戦した。亜利沙さんの時は東条美月さんが剃る役だったが、緊張し恥ずかしがる亜利沙さんに対して、興奮した美月さんが初めてのエッチみたいと大はしゃぎ。はさみで剃った毛をお年玉袋に小分けに入れて1袋5000円で販売。亜利沙ファンが喜んで買っていたので5万円以上の売上げがあった。1回の剃毛で5万円か、ちょっとした小遣いだね。私も毛は欲しかったが買わなかった。あえて書くが私は決してパイパン趣味ではない(嫌いでもないが・・ははは)。ともかく、この企画は面白かった。他の劇場でも時たまパイパン大会はある。しかし、今回のDX歌舞伎公演はあえて日本一と謳うほどの意気込みなので、企画への取組み姿勢が他の劇場を凌いでいる。
また、とらえようによっては、DX歌舞伎で催されるSMショー、スカトロショー、レズビアンショーなどの特殊興行はストリップから切り離し、独立した催しとして固定ファンの期待に応えているとも云えそうだ。昔のようにストリップの中に組み込んだりしない分、むしろ好ましい。
そういう中で、今回催されたアーティストとのセッションはショー・アップ路線の最大の目玉になるだろうと感じられた。
以前、ロックの瀬能優さんと話したとき、いつか沢田研二の生歌「ストリッパー」をバックにしてステージを演じられたら最高だよね、と話したことがある。でも、きっとギャラがすごいだろうね、優さんが笑って言っていた。ちなみに、今回のNORIYASUさんの出演料は高いんだろうと思ったら、大阪の彼は日にち限定だからおそらく友情出演だと思うよと話していた。
お金の話はともあれ、こうした本物のアーティストとのセッションはストリップを革命的に変える要素をもつ。客層は幅広くなり、ストリップの美を一般人が認識できる。一気に風俗という固定観念を凌駕する可能性が出てくる。
きらら☆さんは今後も、いろんなアーティストとのセッションを考えているとブログに書き込んでいた。これからの彼女の企画力、そしてDX系劇場の発展に期待したい。
平成18年11月 DX歌舞伎にて