今回は「オリンピックよりストリップ!?」(その7)という話。
毎回オリンピックのたびに「オリンピックよりストリップ!?」という話をしており、このシリーズも7回目になった。
2014年2月7~23日、ソチ・オリンピックがロシアで開催。日本中が注目。
そんな中、私はせっせとストリップ劇場通い。
「オリンピック ソっチのけで ストリップ」なんて軽快な一句も飛び出す。
オリンピック開催期間中、ロシアのソチは暖冬で雪不足に悩む。雪の状況が悪く、選手からも苦情が出るほど。一方、日本は大雪で、ソチに雪を分けてあげたい気分。
特に、東京では45年ぶりの27㎝の積雪という大雪に二週続けて襲われ、私のストリップ通いはかなり制約される羽目になった。
一度目は、2月7日(金)から9日(日)の3日間を仙台ロックに遠征した時。2日目の8日(土)は関東が観測史上最大といわれる記録的な大雪に見舞われ、関東の劇場が殆ど休館になった。そんな中、仙台ロックは開演してくれたので最高に嬉しかった。関東からも遠征客が流れて来た。3回公演になってしまったが大満足だった。問題は9日(日)。仙台も前日からの大雪の影響で在来線が運休。昼には開通するはずが復旧が遅れ、社長が「これでは経営が成り立たない」と中止を決定。私はやむなく新幹線で東京に戻った。当日は、渋谷道劇に行き、3回目から観劇。
その翌週は関西に遠征する予定。前日の金曜日の午後から雪が降り始め、またしも大雪になってきた。会社帰りに新宿のTSまでは問題なく行け、深夜バスの時間まで観劇してから出かけようと考えていた。出演中の香坂玲来さん(渋谷道劇所属)に「これから東洋に遠征に行ってくるよ。今週は有馬美里さんや愛野いづみさんの二人が東洋に出演しているので応援してくるね」と話したら「えっ! この大雪の中、深夜バス、走っているの?」と心配顔。夕方までは運行すると確認していた。ともかく23時半頃、大雪の中をタクシーで深夜バス乗り場の新宿駅南口に向かった。
案の定、深夜バスの殆どが運休となっていて沢山の客が切符の払い戻しで溢れかえっていた。私は仕方なく新宿のカプセルに泊り、翌朝、新幹線で大阪に向かうことにした。大雪で道が悪い中タクシーが全く走ってなく、深夜バス乗り場から新宿歌舞伎町の定宿カプセルまで行くのに相当苦労した。
翌朝早く起きて、カプセルホテルから新宿駅に向かう。雪が解けだして道路が水浸しになっており、靴や靴下がびしょびしょ。歩くのに冷たいやら歩きにくいやら大変。
当日は大雪の影響でかなりの電車が運休状態。新幹線も東海道新幹線以外は全休だった。総武線も運休。たまたま山手線と東海道新幹線が動いていたので新宿から東京へ、そして大阪に移動することができた。関西は東京の大雪が嘘のように晴れていた。
さて、今回もオリンピックのハイライトで、私が感じたことを記録しておく。
今回のオリンピックでは、絶対メダルが確実なのはスキー女子ジャンプの高梨沙羅さん(17歳)だと思っていたら、ジャンプに失敗して4位に終わってしまったのがとても残念。
前回のロンドン・オリンピックでは日本女性の活躍が目立ったが、今回は10代の若い日本男子の活躍が目を見張った。
その一人は、なんといっても男子フィギュアスケートで金メダルに輝いた羽生結弦(19歳)。SP(ショートプログラム)では世界最高得点となる100点越えを達成し絶対的な強さを見せた。強靭な心臓の持ち主と世界から驚嘆され、確実に自分の演技をすれば金メダルは間違いないという自信に満ち溢れたものだった。フリーではジャンプの失敗があったが、逃げ切って金メダルを獲得。オリンピック2連覇中のロシアのプルシェンコ選手(31歳)が羽生は天才だと絶賛していた。
羽生選手について、いい話をひとつ披露しよう。彼が仙台のスケートリンクで練習中に東日本大震災が発生。彼はスケート靴を履いたまま場外に避難し、スケート靴の刃はぼろぼろになったらしい。震災後しばらく家族と避難生活を送ったときに「自分だけスケートの練習なんかしていられない」と悩み、スケートを止めようと決意する。それに対して、恩師が「震災が起こった今だからこそ、結弦がスケートで活躍することで、被災者に元気を与えなければならない」と彼を諌めた。最初はソチの次の平昌五輪(韓国)を目標にしていたが、2012年の世界選手権で銅メダルを獲得し、ソチの金メダルが狙える射程圏内になる。
今や彼は日本の誇りであるが、仙台出身の羽生選手が震災被害の東北人に与えた元気は計り知れない。トリノの金メダリスト荒川静香さんも仙台出身なので我が仙台はフィギュア王国と言えるだろう。
そして、もう一人は今大会の日本人初メダルになったスノーボード・ハーフパイプの平野歩夢(15歳)。平岡卓(18歳)も銅メダルを取り二人が表彰台に並ぶという快挙。平野選手はまだ中学三年生で銀メダルを獲得したわけで、日本人の冬季オリンピックの最年少メダリストとして五輪史に名を刻んだ。160㎝と背が低く、まだあどけなさの残る顔立ち。ところがインタビューではCoolな話しぶり。
羽生選手も平野選手も、世に言う草食系男子の典型的なタイプ。特に羽生選手は歌舞伎の女形が似合うタイプでもある。
日本のお家芸であったノルディックスキー複合で悲願の銀メダルに輝いた渡部暁斗選手(25歳)、そしてジャンプ男子ラージヒルで七度目の五輪挑戦でついに念願の銀メダルを獲得した葛西紀明選手(41歳)が感動を与えてくれたが、こちらは汗と努力の結晶を感じさせるもので、前の二人とは違ったイメージがある。もちろん若手の二人もすごい努力をしてきているのだろうが、努力型とは一味違う天才肌と言える。
いつの世も大人は「今の若者は・・・」と言いがちだが、今の若者も凄いのがいる。
ふと、私の長男の顔が浮かぶ。羽生選手にちょっと似ている草食系男子だが、仙台で元気に仕事をやっていることだろうな。一緒に仙台ロックに行ってみたいものだ。ちなみに、羽生選手が仙台ロックに来たら大騒ぎだろうな(笑)。
平成26年2月