踊り子さんの中には、たくさんの固定ファンを持っている方がいます。例えば、大阪東洋ショーの篠崎ひめさんのステージにはいつも「ひめ隊」と称するファンが朝早くから劇場前に並んでいます。ポラ・タイムになると、いったいいつまで続くのかと思うほどの行列ができる人気です。
どうすれば、こういう固定ファンができるのか、ファンの立場で考えてみました。
まず、ファンは踊り子さんのどこに惹きつけられるか?
最初は、踊り子さんの「雰囲気」といえるかな。第一印象は、容姿が大きなウェートを占め、ルックス、スタイルなどが自分の好みに合うかどうか。合わせて、セクシーさ、華やかさ、明るさ、親しみやすさなど踊り子さん各自が醸し出す雰囲気がポイントかと思います。
踊り子さんの中には、神々しいまでに美しい方がいます。ひれ伏したくなりますね。
また、踊りの上手さも重要ポイント。華やかで、エネルギッシュな踊りに魅了され、心を癒しにくるファンは多い。
しかし、固定ファンになるためにはそれだけではないようです。むしろ、しだいに、外見よりも内面、その人の個性に惹かれていくような気がします。
ひめさんのようなユニークな雰囲気、自然なおもしろいキャラに触れたくて追っかけてるファンも多い。
私流に云えば、「その人に会えると嬉しくて会いに行く」という感じ。アイドル崇拝ともいえるけど、もっと友達感覚かな・・・私の顔を見て喜んでくれるから応援に行く。だから、挨拶代わりにポラを買う(エロポラは撮らない)。ちょっとコミュニケーションをとりたくてお手紙を添える。そんな感じかな。
ときに、踊り子さんというのは受身的な職業だなと思うことがあります。ファンが観に行くことによって成り立つ仕事だからです。
ファンが喜ぶように、常に美しい存在でなければいけない。それって結構プレッシャーでもあるでしょうが、やりがいとも云えるのでしょう。
ファンは元気を与えてほしくて劇場に足を運びます。それは、目の保養だけでなく、お気に入りの踊り子さんに会える嬉しさです。
だから、踊り子さんとしては、お客に元気を与えられるよう努めなくてはなりません。外見を磨くとともに、やはり踊りを上手くなるように努力する。お客を楽しませるステージを心掛けるところに、自分自身もお客も満足していくのだと思います。
もう一つ大切なことがあります。
ひめさんは愛すべきキャラクターであると同時に、ファンに対する心遣い・思いやりに素晴らしいものがあります。ポラのときに、ファン一人一人のことをしっかり知っていて気持ちよく応対してくれます。私は手紙を添えますが、あれだけ沢山のサインを頼まれるというのに、毎回長いお返事をくれますし、しかも、しっかり私の手紙の内容に反応してくれます。私としても凄く嬉しい。このへんに人気の秘訣がありそうです。
さらに、固定ファンの多い踊り子さんを観察していると、こんなことを感じました。
踊った後に、リボンさんに感謝の言葉をさりげなく云える踊り子さんは素敵だなぁと思います。人柄の良さを感じます。リボンさんは「無償の愛」で好きな踊り子さんに奉仕していますが、その一言にどれほど勇気付けられるか。ますます好きになっていくことでしょう。
また、踊り子さんにプレゼントをするファンがいますね。見ていると、次の回でさりげなくお礼のお手紙をファンに渡している踊り子さんがいます。ファンはその心遣いだけで天に昇るほど嬉しいはずです。まぁ、世間一般的に考えれば、贈り物をいただいたときはお礼の葉書を書くのは常識ともいえますが・・・
常連客になると、お気に入りの踊り子さんには挨拶代わりにポラを買います。ポラにサインを頼んだときに、単に「ポラを買ってくれてありがとう」とか「応援ありがとう」だけしか書いてないと味気ないなぁと思うときがあります。もう一歩、ファンはどういう気持ちでポラを買ったかに思いを馳せて、コメントできたらファンの心をつかめると思えるのです。
夫婦も長くなると空気みたいな存在になります。居てあたりまえになりますが、本当は空気と同じで無くては生きていけません。夫婦といえども常に感謝の気持ちをもっていないと続きません。
同じように、ファンがいるのがあたりまえと思い出したら、ファンの心は離れていきます。いい夫婦というのが、常に相手への心遣いが細やかなものであることを忘れてはいけません。
私が結婚するときに、尊敬する会社の先輩から『愛とは努力だ』という言葉をいただきました。固定ファンをつかむ秘訣があるとすれば、それは『愛とは努力し続けること』ではないでしょうか。
以前、「誰の世話にもならずに生きるのが私のモットー」という踊り子さんがいました。意志の強さに感心するものがありましたが、一方、それではあまり長続きしないんじゃないかと思えました。
人は生かされている存在です。だからこそ、周りの人への感謝、心遣い、思いやりがないと成り立っていかないものです。