深遠なる闇が完全消滅してオラクル・・いや全宇宙の平和が訪れた
ダーカーの出現率も日に日に減少
アークスの大敵はいなくなったも同然となった
それでもアークスの役目は消えていない
オラクルの民を守るのもアークスの務め
新たな新天地での脅威もまたアークスが対処する
ダーカーに代わる世界の脅威も現れる可能性だって否定できない
宇宙は、世界は果てしなく広いのだから
オラクルの救世主となってる守護輝士の2人はシャオによって艦橋に呼び出された
「実は・・・言いにくいことなんだけど」
シャオは何かもったいぶった言い方をする
よほど言いづらいことが起きたと理解できた
「遠回しな言い方は止そう
だから単刀直入に言うよ
ライディース、1000年後のためにその力を貸してほしい」
「・・・シャオ、それじゃ単刀直入になってないぞ
いきなり1000年後と言われても意味が分からない
もっとちゃんと説明してくれ」
「そうだったね・・そこは謝罪するよ
じゃあ説明するね
今から1000年後に世界の危機が訪れることが分かった」
「それは演算で分かったということか?
だとしたらまた随分と先を見たものだな」
「それについては偶然なんだ
ボク自身の演算能力が、未来をどこまで見通せるか試してたんだ
シオンだってそこまでは視えてなかったかもしれない
それだけの先のことを視てみようとね、ボク自身の限界を見極めようと
そして視えた
1000年後の災厄を
ダークファルス・・いいや、もしかしたら深遠なる闇よりも強大な敵かもしれない
ドールズと呼ばれる相手に
このままだと1000年後の世界は消滅するかもしれない
それに対して策を講じたい
それが・・」
「俺、ということか
1000年後を救ってくれという」
「そういうことになる」
このときのシャオはどこか申し訳ないような表情をしていた
それに対してマトイが何かを言おうとしたが、それよりも先にライディースが
「それは今からか?時間遡行のときのように今度は未来へ跳ばすと?」
「さすがにボクでもそんな未来へは跳ばせない
だから君にはコールドスリープで1000年間眠っててもらいたい
時が来るまでは」
「既にその準備も出来てます
あとはライディースさんがOKしてくれれば・・今すぐにでも・・」
シャオの後ろにいたシエラがそう告げた
彼女もまた申し訳なさそうな表情で
「それは即答すればいいか?」
「即答してくれるなら構わないが
こっちは考える時間を与えるつもりでいたんだけどね」
1000年という途方もない時間のためよく考えてから答えを出させようとしていたところだった
それがまさかの即答という言葉に少し驚く
「なら、断る」
その返答にシャオはまたも複雑な表情になる
「断るって言うのかい?
1000年後、世界が滅びるかもしれないというのに?
それを君は何もしないと?
君らしくないね?
みんなを助けたい、救いたいという君の行動理念から外れてるよ?」
「そうだな、俺はそうして今まで生きてきた
誰かが助けてほしいと言ってる、ならそれに応えたい
救えるのなら全員救いたいと
でも・・それは本当の俺の意思じゃない
確か・・ロイって言ったか?俺の元になったアークスの名は
彼が元々持ってた理念だったんだろ?
全てを救いたいっていう
彼の事や記憶は俺にはない
でもその理念はこの体に染みつきそれが俺の行動理念になっていた
そして
今は別の理念がある
マトイと・・家族と一緒に過ごしたい
最後までマトイと添い遂げたいという願望がある
それは今の俺には何よりも優先される
俺は今幸せの中にいる
マトイと、俺たちの子供との幸せがある
他の誰かのためにそれを邪魔はさせない
俺がマトイと出会わず愛するというのを得てなければOKしてただろう
でも今は違う
マトイと子供の3人との生活が今は何よりも大事だ
俺はそれを優先する、誰が何というともな」
「それじゃ・・わたしも一緒に・・なら?」
マトイはライディースが1人でってことが許可したくないと思って自分も一緒にコールドスリープに入ると言いだす
そこにシャオがこう告げる
「それはできないんだ
数年程度なら2人をコールドスリープさせるのに支障はない
だけど1000年ともなると1人がやっとだ
1000年の間、問題が無いよう定期的にメンテしないといけない
何度もね
1人ならともかく2人ともなると難しくなるんだ
1人増えるだけでリスクが恐ろしく高くなる
だから今最も強いライディース1人しかできないんだ」
「もし2人できるとしても却下だ
マトイ、君まで俺と眠ると子供はどうなる?
ずっと親がいないまま生きてるってことになるぞ?
子供一緒にってならもっと却下だ
そんなことはできないし、させない
俺たち3人で生きていくんだ、この耳朶でこの時間を
他の誰かのために3人の幸せを犠牲にはしたくない」
「だけど・・ライ、それじゃ・・」
「分かってる、1000年後に世界の危機が訪れる
それが分かってて無視するなどできないって言うんだろ?
その気持ちはよく分かってる
でもな、マトイ」
このときライディースはマトイだけでなくこの場にいるシャオやシエラに対してそれを告げようと
「1000年も先のことは今の俺たちがどうこうすることじゃない
1000年後のことはその時代で生きてる者が何とかするべきだ
数年後とかならまだしも
1000年なんて途方もない時間の先のことなんて構ってられない
今を大事にしないで先のことにうつつを抜かしてどうする?
俺は便利屋じゃない
そんな途方もない先のことにまで気にしてられない
俺は今の幸せを守ることが優先したい
失いたくないんだ、今の幸せを
このままだと俺はずっと利用される
全てを救える者として1000年どころか2000年も3000年も
そんなのは御免だ」
これまでライディースは何度もオラクルを救ってきた
そのせいでこれから先のこと、何千年、何世代も先の世界まで救わせようとされるのではないか?と
それは個人の幸せを他の誰かのために犠牲にするということになる
マトイを愛し、身も心も結ばれ
やがて2人の間に念願の子供まで生まれた
人並みの幸せを謳歌してる
それを1000年後のために捨てるなどできなかった
1人の男として
1人の夫として
1人の父として
それができなかったのだ
そう、ライディースは人として当たり前の選択をしてるのだ
もっとも守りたい、もっとも幸せにしたい者を捨てるなどできるはずもない
「分かった、それが君の意思なら尊重しよう」
シャオは意外にも素直に受け入れた
「・・・いいのか?俺を利用したかったんじゃ?」
「そうだね、1000年後の危機を視てしまった
それをどうにかしたいと
君にそれを頼んだ
でも君には君の幸せがある
他の誰かよりも自分の幸せを優先したいって言われたら
説得なんてできないよ
もっとも、君の場合『こうと決めた』ってやつを改めさせるなど不可能だって知ってるからね」
「それに1000年後ともなると俺の力なんか役には立たないだろう
シャオ、その時代にもアークスはいるのか?
いるならその者たちのほうがよっぽど役に立つと思うんだが
1000年前の者など足手纏い以下じゃないのか?」
「1000年後にもアークスは存在してるようだった
今とは聊か変わってるようだったけど
詳しくは言えない
先のことを知るというのは危険だからね
君との力の差は正直判断できない
その辺は情報が少なすぎて極端に違うとも言い切れない
そう言った意味じゃ君は役に立たない可能性もあるわけだが
それでも頼むしかないと思ったんだ」
「1000年後の時代が今の時代を滅ぼすとかならまだしもそうじゃないのなら
もう俺の出る幕じゃない」
「そうだね」
こうしてシャオは1000年後のことはその時代で生きてる者が対処すべきだとして守護輝士を帰した
「いいんですか?シャオ
このままだと1000年後が・・」
「シエラの言いたいことは分かるよ
だけど彼の言ってることは正しい、正論でもある
自分の幸せを大事にしないものが他の誰かを救えないよ」
「それは分かります
でもライディースさんらしくないですよ・・あれは
あの人は今まで他の誰かのために今まで頑張ってきたじゃないですか
困ってる人がいたら放っておくなんてできない性格だったはずなのに」
「そうだね、それが彼『ライディース』だ
自分より他者を優先する傾向だった
彼の元になったロイという人格の影響を受けているもあってね
でもね
ボクはどこかで彼が断ってほしいとも思ってた
頼みを聞いてほしかったのと同じくらいにね
彼がまたほかの誰かのために自分を二の次にして今の幸せを放棄なんてする姿なんて見たくなかった
そして彼は断った
それは彼が人間として成長してくれたことでもある
自分の幸せを優先するという人間らしい考えをしてくれた
マトイとの出会いが彼を人間へと近づけたんだ
ルーサーに仕組まれた感情でも彼はマトイを愛し一番にした
それが皮肉にも人間へと成長させたんだ
1000年後の人には悪いけど
これで良かったんだ
彼が言うように1000年後の先のことまでボクたちがどうこうすべきじゃない
その時代に生きてる者がどうにかすべきだよ
いつまでも彼に甘えてる場合じゃない
もし彼が断らなかったら・・きっとボクたちは彼をいいように利用し続けていくことになってただろうね
彼を便利な道具として、その自覚が無くても利用していっただろう
それができなくてよかったよ」
万能すぎるが故に、いいように利用され続ける
そんなことはできない、したくなかったシャオ
「まぁ、本当に何もしないってことはないけどね
もっと別の形で1000年後のフォローはするよ
これからそれを考えるさ」
一方、艦橋を出た2人は
「ねえ?本当にあれでよかったの?」
マトイは確かめるように問う
「そんなに俺がいなくなって欲しいのか?マトイ」
「そうじゃないよ、でも・・らしくないなって
だってライって今まで困ってる人を見たら、知ったらほうっておけなかったでしょ?
わたしだってそうだもの
なのに・・1000年後とはいえそれを無視して今を優先した
それはわたしにはすごく嬉しいけど
それって本当に正しいのかな?って
無視してもよかったのかな?って」
「何も気にしてないってわけじゃない
1000年後に世界は滅ぶかもしれない
それを聞かされたら無視なんてできない
でもな、そのために今を捨てるってことはもっとできないんだ
俺は万能じゃない
今の幸せと1000年後の平和を守れるなんてできやしない
どっちかしか守れない
なら俺は今を、1000年後よりも今を守ることを選ぶ
今の俺は幸せなんだ
マトイと結ばれ子供もできた
可能性が低かった子供がやっとな
この先新たな子供だってできるかもしれない
そこは俺たちの頑張り次第だが
想像もしなかった人並みの幸せがここにある
俺にとってはマトイ、そして俺たちの子供との幸せがが何よりも優先だ
言ってしまえばその幸せのためなら1000年後を犠牲にしても構わない
それだけの覚悟と想いだ」
「そうだね・・どっちも守るなんて傲慢だよね
かつてのライ・・ううん、わたしもその傲慢を口にしてたかも
でも今はできない
ライと出会って愛を知り結ばれ子供も生まれた
願ってた普通の女性の幸せを得た
わたしだって今の幸せを捨てるなんてできない
どっちかしかできないのなら・・
今を選ぶ、それは間違えないから
もうわたしはクラリスクレイスじゃない
全てを救うなんてことをしなくてもいい
1000年後は1000年後に生きてる人たちがどうにかすべきなんだね」
「ああ、過去の俺たちがどうこうすべきじゃない
そうでなきゃ未来なんて得られやしない
自分で自分たちの未来を守れない世界なんて、どのみち先はないって思う
いつまでも過去がどうにかしてくれるなんてのは今その時代に生きてる者の怠慢だ
だからこれでいいんだ
それにな、そんな1000年も先は俺たちの意思を継いでる者たちが何とかしてくれると信じてる
俺たちも子供・・その孫、その子供と何世代も続いてく意思
それを継いだ者たちが救ってくれると」
「わたしたちじゃなく、わたしたちの意思を継いだ人たち
そうだね、きっとその人達が世界を救うよね」
「ああ、きっとな」
いかがでしたでしょうか?
久しぶりのここでの妄想編
もう書くことは無いと思ってたのだけど
ちょっとした事情でここで
ではいくつかの説明を
この妄想編は本家とは聊か設定が違う、作者である私の独自解釈と設定、そして妄想によって構築してます
基本的にEP3までは本家とだいたい同じ(違うとこも多々ありけど概ねは)
それ以降はかなり違うものに
そのため本家のラスト(原初の闇を倒してってやつ)は全然違うもので、この話は出来てます
まぁ、ここでもそれを描いてるので興味があればそちらを(リンクの張り方など知らねえ)
で、今回は
巷でNGSにマトイが出てきてほしいという声を度々聴く
それに対しての私の答えみたいなもの
はっきりと言えば大反対
もしNGSのストーリーでマトイが登場したのなら
それは安藤と添い遂げれずに終わったということでは?
同じ時を生きて死ぬということが叶わなかった
そんな結末など私は望んじゃいない
もうマトイには普通の幸せを得て欲しいから
アークスでもなく1人の普通の女性として生きててほしいから
そしてこうも思った
もしNGSの主人公があの安藤そのものなら?
それもまたマトイは幸せを得られなかったということでは?
一緒に時を生きられなかったということでは?
だからマトイも、安藤もNGSには出てきてほしくない
その思いからこれを書きました
2人には他の誰かのために自分を犠牲にしてほしくない
得た幸せを何が何でも手放さず最後まで生きててほしい
彼らは便利屋じゃない
彼らを利用しないでほしい
そっとしておいてほしい
1000年も先のことまで背負わすな!と
その想いをここに綴ったものです
本当に出てこないでくれ
期間限定でのNPCでってならまだしも
話にがっつり関わらせるな!と
言いたいことはだいたい言ったので、この辺で
では、また~