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これは介護老人保健施設(老健)で働く現役介護士が、実際に施設を利用しないと分からないルールや決まり事をご紹介するシリーズです。
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外出は自由にできるの?
まずシンプルに答えだけ言うと、自由にはできません。
その上、コロナ前後で大きく施設の対応も変わりました。
まずそもそも論として、ご家族が利用者様本人をㇸ連れての外出や外泊を考えている場合は、事前に施設に必ず相談して下さい。
理由は『準備万端で出かけられるから』
薬の準備、出かける前のトイレの確認、現在の身体能力と認知能力の共有、介助のポイントを伝える、現在の状態的に外出が可能か否かの判断、他多数。
事前に外出、外泊時間を聞くことで、施設側もこれだけの準備ができますし、施設で出す食事を急にキャンセルすると、キャンセル料がかかります。
特に外食が絡むなら、施設に飲み込み(嚥下)の専門家である言語聴覚士(ST)がいる場合は是非相談して下さい。
ご家族が昔のイメージでステーキや寿司を利用者様本人に食べてもらったけど、実は「そんな物をその大きさで食べたら肺炎になっちゃうかも(誤嚥性肺炎)」というパターンをかなり見てきました。
このパターンがよくあることからも分かるように、老健は介護施設といえど半分病院みたいなもので、施設に居られるのは、認知症のある利用者様や医療的ケアが必要な利用者様、安全な移動が難しい利用者様ばかりです。
生命のリスクを考えるとご家族や職員等、誰かの付き添いなしでは外出できません。
そして、全ての利用者様に自由に外出して頂けるほど職員の人員に余裕はなく、余裕があったとしても、あらゆる目的での外出への付き添いが老健の介護士の業務範囲内かどうかは疑問です。
利用者様本人が外出したい時に、毎回すぐに駆けつけて下さるご家族も余りおられません。
もっとも、ご家族にもご家族の生活があるので、これは当然のことでしょう。
年に数回、施設によっては月に数回、介護職員と一緒に外出したりもします。
ただ、それもイベントとしての外出で、日常の中での「ちょっと散歩行ってくるわ」「ちょっと家帰ってくるわ」が出来ないのが現状です。
例外として、リハビリの一環での散歩や、受診のための外出は比較的よく見かけます。
また、付き添いの有無とは別の問題として、新型コロナウイルスが流行してからは、感染防止、感染拡大防止のために、外出にかなり制限がかかっている施設もあります。
これは誰が付き添っていようとも同じです。
コロナ前はご家族が来て「今から外食してきます。」とか「正月は家に連泊します。」なんて光景をよく見ました。
コロナが猛威を振るって以降はそれも少なくなり、時期によっては面会さえできなかった程です。
受診のための外出、冠婚葬祭のための外出、在宅復帰に向けた外出、しか原則認めない。厳しい老健はそんなルールもあります。
一方で、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は老健や特養に比べて、外出自由なところが多いです。
利用者様の安全のためとはいえ、窮屈な思いをさせてしまうことがあり、職員として申し訳ない気持ちになります。
安全と自由のバランスを考えて施設運営をするのはとても難しいことです。
次回に続きます。





