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この記事は介護施設の夜勤に興味がある方に向けて、私が経験した500回以上の夜勤からエピソードを紹介するシリーズです。
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【昼と夜では別人?の理由】
認知症のある方は夜間と日中では別人のようになる事があります。
これは不安によってBPSD(認知症の行動・心理症状)が多く見られるようになるからで、一般的に『夕暮れ症候群』とも言われます。
BPSDには帰宅願望や不眠、一人歩き(徘徊)、介護拒否、暴力や暴言などがあり『昼間は穏やかな人が、夜になると荒々しくなる』そんな事も珍しくありません。
ある利用者様は小柄な女性の方でした。
認知症があり80代の温和な人です。
歩行器を使われる方なのですが、夜は特に歩行器を忘れることがあり転倒の可能性が高いので、居室にポータブルトイレを置いています。
夜勤も慣れてきたある夜、その利用者様の部屋の方から「ズズッ、ズズッ」と何かを引きずる音がします。
急いでそちらの方に行くと、小柄で温和な方が大きなイス程のサイズのポータブルトイレを押して出てこられていました。
私と目が合うと「火事だー!誰かー!火事だー!」とフロア中に響き渡る声量で叫ばれます。
火事はなかったのですが、この利用者様が転倒するかもしれないし、その声で起きた別の利用者様が転倒するかもしれないし、私は気が気ではありませんでした。
何とか部屋へお連れした後、しばらくお話を聞くと落ち着かれたのですが、その日は数回同じようなことがありました。
実はこの利用者様、肺の病気があり酸素をチューブから吸入されている方で、おそらくチューブを外す→息苦しい→火事という思考回路になっておられたのだと思います。
日中は自分でチューブを外されることが無いのですが、寝ていると煩わしくて外してしまう。
そんな方は多いです。
この方の場合は夜間、職員が頻繁に見回りをしてチューブをつけ直すことで落ち着かれました。
『夕暮れ症候群』を身を持って感じた介護士の中には、夜間の状態を見ると何でも認知症に結びつける人もいます。
しかし、この方のように認知症の影響がメインではなく、違う要因で別人に見えることもあります。
知識、経験も重要ですが先入観を持たずに接さなければいけません。
『人の生活のお世話をする』ということは本当に難しいです。
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