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「クイーンズ・イングリッシュを聞きなれた耳には、アメリカン・イングリッシュの [ r ]の巻き舌が少々キザに聞こえる。」

 

なんて言うと、「そんなら、お前の英語は何なんだ?」と返される。

「スミマセン。私の英語はジャパニーズ・イングリッシュです。それもブロークンの。」

と答えるしかないトホホの英語です。

 

日本語の発音は、清音、濁音、半濁音、拗音すべてを含めて112音しかない。それですべての会話を賄っているのだ。さらにいうと、母音の数は「あ・い・う・え・お」の5つだけ。それに対して、英語の母音は26個あるという。

 

ついでながら、韓国語は10個ね。中国語の母音は、それより多いはず。だから、もし、

 

「韓国人や中国人の方が、日本人より英語の習得が早い」

 

なんてことを耳にしても、別に彼らが「日本人より、頭がいい」ということではないのだから、冷静に聞き流すことですね。何より中国語は「主語の直後に述語がくる」と、語順まで英語と同じなんだから。

 

私たち日本人の顔の筋肉は、わずか112音にしか対応してこなかったのだ。聞き分ける耳の方も同様だ。だから(まだ筋肉が柔らかい若者はいいとして)、中年をはるかに過ぎてから、英語用の筋肉作りに挑むのは至難の業だ。

---ということを理解していれば、日本人は英語に弱いなんて風評(?)も、発音がヘタだって言われても、な~に、気にすることはない。

 

先日、朝のニュースを見ていたら、レポーターの女性がしきりに白い歯を見せて話しているのに気づいた。彼女の肌が濃い褐色だったので、歯の白さが際立って見えたせいもある。しかし、それ以上に、英語話者が、口の筋肉を激しく使っているということでもあるのだ。日本人はそれほど白い歯を見せて話すことはないのだから。

 

「そうか、たとえ衰えてはいても、顔の筋肉をしっかり動かして話すようにしよう。」

というのが、その時、得た教訓。(そういえば、国谷キャスターも英語でのインタビューの前には、筋肉の運動をすると言っていたなァ。)

 

これも先日のこと。バス停に立っていて、夫婦らしいカップルが話しているのを、何となく見ていた。すると、女性の方が

 

“ I  think ----”

 

と発音したときに、歯の間から「舌」がチロっと飛び出した。一瞬、見てはいけないものを見たようでドキッとしてしまった。その後で、日本語には「舌を出すような音」がなくてよかった!---という意趣返し(?)のような思いが、フトよぎった。

 

さて、現在の私のクラスメートの英語はというと、まさにジャーマン・イングリッシュ、フレンチ・イングリッシュ、スイス・イングリッシュetc.と、それぞれにお国訛りが激しいのだ。私のコテコテのジャパニーズ・イングリッシュも、堂々とお披露目できる環境であることがありがたい。

 

まあ、発音も大切だけど、伝えたい「内容」があることの方が大切だよ、会話を豊かにするには---と、これは意趣返しというより、居直り的な感想で今回は〆。

 

ついでにもう一つ。私たち慎ましい(?)日本人は、ミスを犯すことを恐れ、まず、頭の中で英作文を練ってから発言しがちだけど、クラスメートのほとんどは、ミスを犯すことなんてへっちゃら。とにかく、言いたいことをどんどんーー身振り手振りも動員してーー発言していくのだ。

 

私の今回留学の成果は、「ミスを恐れなくなったこと」かな。何しろ、「年の功」で、言いたいこと、聞きたいこと、知りたいことが、いっぱいあるのだから。