水虫治療のクライマックスで差し掛かった分岐点。


「不快」と「完治」を天秤にかけてみて


私の中で重かったのは「不快感」のほうでした。


そうなった根拠というのは、足のウラの状態。


この当時は「白癬菌」も、影を潜めてしまってたし


痒さの原因が汗と薬の粘り気だったので


水虫退治大作戦は、この痒みが治まるまで


小休止してもOKじゃないだろか?!という


高を括った甘い判断が脳内でされたのでした。


ジュクジュクしてたら逆に水虫も


元気になっちゃったりして、なんて考え方も


自分を納得させる大きな材料になったんですね~。


そして私は、それからしばらく薬を封印。


数ヶ月が過ぎてゆき、確かに痒みも治まりました。


これで「白癬菌」が、おとなしくしていれば


何の問題もなかったはずなのに・・・Ah!

私の足に忘れていた痒みが蘇った原因とは


前にも書きましたが、人一倍汗っかきの困った体質。


クリームタイプが水虫をやっつける方法は


これも前に書いたけど、繁殖を抑えて弱らせてから


おもむろに薬本来の成分を開放する。


つまり、やみくもに攻撃するんじゃなくて


効果を最大限に発揮するための、お膳立てを整えて


理想的な状態を作っておいて攻め入る戦法。


粘度の高いクリーム質で、患部を固めてしまえば


さすがに白癬菌の繁殖力も弱まります。


身動きとれずにいるところへ主力部隊がなだれ込み


その繰り返しで確実に敵を圧倒するという、


兵法のお手本みたいに、お見事な戦いぶり。


ただし、皮膚の表面を薄い幕が覆ってしまうため


靴下なんて履いた日にゃ、極度のサウナ状態。


増して私は超汗っかきと来てるので


蒸れて痒くならないほうが不思議というもの。


かくして水虫は抑えても、不快指数は天井知らず。


究極のジレンマを感じることになったのです。


この時の私は分岐点に立つ自分の姿を


ハッキリと意識しておりましたとさ。


頭を抱えて悩んだ結果、さて私が選んだのは・・・?

白癬菌の繁殖を活発にする要素と言えば


キノコ栽培と同じような、ちょい高めの温度設定や


タップリと湿気を含んだ汗ばむような空気。


まぁ、カビの一種なので当たり前の話ですが


発想を逆転すれば、この環境を部分的にブチ壊し


空いた穴から奴らの「苦手」を注入したら


それは効果が現れないはずがない。


クリーム状の効果が目立たなかったのは


最初に薬の効き目を最大限まで引き出すための


突破口を開けていたからだったのでした。


クリームなので塗った箇所は通気をシャットアウト。


つまり、白癬菌の繁殖に必要な「空気」を遮断して


同時に様々な成分を隅々まで行き渡らせる。


と、ここまではいいですよ、最高にGOOD。


ただ、このクリーム状が持つ高い「密閉性」と


普段から「革靴着用」の生活環境が


どうしても「蒸れ」を発生させないわけがなく


それゆえの「痒み」を微妙に感じることに・・・。


ここで一つ、間違えないでいただきたいのは


この時点で生じていた痒みというのは


多分、白癬菌によるものではありません。


汗をかいた頭皮が痒くなるのと同じだと思います。


しかし、この状況は水虫どもにとって良い兆し。


環境を破壊されて弱ってはいたものの


勢力を盛り返すための好機でもあったのでした・・・。