オフィスの窓の外は白い雪が舞っている

「ゴメン、ちょっと遅れる」

仕事の都合で予定の時間に帰れなくなってしまった

いつもの駅に着いた時には薄っすらと雪が積もっていた

時間は20時を少し回っている

足元を気にしながら急いでアパートへ向かう

扉の前で待っている彼女の息が外灯に照らされて

白く光っている

今夜の食材の詰まった袋を両手で抱えている

赤いホッペの彼女は私を見て

「おかえり」

「寒かっただろ」

そう言いながら、鍵を回して部屋に入る二人

電気をつけて暖房のスイッチを入れた後

お湯を沸かしてインスタントコーヒーをテーブルの上に置いた

「ゴメン」

「仕事だからしょうがないよ」

彼女はテーブルに肘を付いてマグカップを両手で持って

私の方を見てまだ赤い頬で微笑んでいる


今夜は初めて私の為に手料理を作ってくれる

材の入った袋を手にキッチンへ向かう彼女



彼女の作ってくれた料理で満たされたあと

少し照れながら

「今度からは寒くないように部屋で待って」

そう言ってポケットに入れていた部屋の鍵を渡した


ワインで赤くなってるホッペの二人






2月29日

今シーズン最後の雪だろう

と言う事で80年代風の物語





エプロンを着けた彼女の後姿を見ながら

少し先の未来を考えていた