ほんとに?

「TV見てるけど宿題ちゃんと済んだの?」

「うん、もうやったよ」

「ほんとに?」




「手洗ったの?」

「うん、洗ったよ」

「ほんとに?」




「忘れ物ないように確認したの?」

「うん、したよ」

「ほんとに?」



お母さんはいつも

「ほんとに?」

って言うからなぁ



「さて、なんでだと思う?」

と聞いてみた



小学生の我が息子

なんでかなぁと言いながら

首を傾げて考えている



人間だから「ウソ」はつく

でもあんまり多いと信用が無くなる


私がこう言うと理解した様子でお母さんの方に視線を向けた




お母さんはたまに私にも

「ほんとに?」

を言う


私も信用されていないのかなぁ

そう思いながら私も妻の方に視線を向けた







趣味

茅野駅に到着

行き先の甲府駅まであと二駅


塩尻で乗り換えたこの列車は「スパーあずさ」

出張に列車を使うのは私の趣味でもある

この列車に乗るのはほんとに久ぶりだった



「となり空いてますか?」

背中にリュック、茶色のトレッキングシューズが少しだけ汚れている

60歳位に見える男性が声を掛けてきた


「空いてますよ、どちらまでですか?」


「新宿までです」


窓側に座っていた私は通路側に移った



荷物を棚に上げた後、その人は笑顔で話しかけてきた

朝6時に自宅を出ての山登りで、行きの列車は満員で、立っている人も多くいたそうだ

茅野駅から目的の山までは「バス」の予定だったが、あまりに多くの登山客で待ち時間が

1時間以上だったので、麓までは乗り合いでタクシーだったとの事

4人で割り勘だったが3000円ほど予定外の出費をした

山は今が一番良い季節で来週も来たいと仰っていた


30年以上の東京暮らしでも

東北なまりが少し残っている

淳朴な笑顔が印象的だった


スマホと睨めっこの新幹線の車内とは違う

のんびりした時間


その人は趣味と健康を兼ねての山登り

私は趣味と健康と仕事を兼ねての温泉



宴会の後、ゆっくりと湯村の温泉で癒された

土日で一泊の取引先の総会だった






敬礼

深緑色の生地

肩とポケットに黄色のアクセント

ズボンのポケットはボタン付き

編み上げの黒いシューズにシルバーのヘルメット


胸の階級章の星の数は2個


生まれて初めての消防訓練

簡単な説明の後実地訓練の開始


かなり本格的で消防車を出動させ

20メートルの二本のホースを繋ぐ訓練

消火栓にホースを取り付け、エンジン付きの給水ポンプで

実際に水を放水すると言うものだった


筒先を持つ放水員とポンプの操作員、伝令

そして私の担当の放水補助要員の4人一組



水圧のかかったホースは思った以上に重く

かなり力を入れていないと上体が後ろに反り返ってしまう

筒先を持つ役の人は補助の私の何倍も重い



本職の消防隊の人の指示で伝令がポンプの操作員に

「放水止め~」

ポンプが止まると水が止まった


所要時間たった3分の短い時間

結構疲れた。。。

本職の消防士は大変だろうなぁ



総勢18名で行った訓練

すべて終わった後に

団長と副団長の挨拶


分団長の「敬礼!」の掛け声で

団員みんなが右手を斜めにして敬礼をした

所謂、挙手注目礼って言うもの



三本の指でしたボーイスカウトの時以来

懐かしい「敬礼」と言う行為だった



「敬礼」って誰が考えたんだろう?

と思いながら団長の話を聞いていた



炎の熱さじゃなく夏の暑が身に沁みる訓練だった





いちごとばなな