技術者の「キャリアデザイン」とやら その5 | りゅうせんけいの「重箱の隅」

りゅうせんけいの「重箱の隅」

知らないことは罪である!

「その4」より続き


 問答続きで、一向に仕事が先に進まないのを見かねてか、遂に上司が口を挟んできた。


 しかし、上司の主張もまた、先輩の主張と全くといってよいほど同じもので、僕は納得するどころか、ますます心配が募る始末に。

 
 そして、なおも「これでは心配である」という僕に対し、

「理論的計算だけですべて設計できるわけではない」
「今までこれでやってきているのに、なぜわざわざ変える必要があるのか」

といった、いかにもな抽象的かつ一般論的な言葉で返され、僕はますます困惑。
(そのくらい、いくら僕でもわかっているつもりですが・・・)


 挙句の果てに、

「それでは、僕は納得できません。」

と僕が言ったところ、上司から返ってきた言葉は

「君が納得するかしないかなんてことは、関係ないことだ」

という始末。


・・・。

 正直、

「うちの部署は、この先もつのか?」

と、本気で思った。


 結局のところ、

「黙って(こちらの)言う通りに図面を引いておけばいいんだよ。」

と言いたいわけである。


 それでは、一体何のために決して安くはない給料を払って、僕らのような「技術者」を雇っているのであろうか


 単に図面を引くだけならば、技術者を雇わなくとも、「製図工」というのであろうか、図面を引く専門の方々がおられるのだから、そちらに頼めばよいのではないか。

 そのほうが「言われたとおり」かつ「正確」で、何より「僕などに頼むより余程早く」図面が出来上がってくると思うのであるが。


 僕がこのような発言をすると、

「そのような単純な考えではない」
「図面を引かせるのは、『新人技術者の教育』という意味合いも含んでいる」

といったお叱りを受けそうであるが、もちろん僕とて、そのぐらいのことは承知の上である。

 というか、僕は、図面を引くことは嫌いではない
 むしろ「自分が設計したものは、自分で図面を引く」ものであると考えている

 ただしこれは「図面を引く専門の方々を信用していない」ということではないので、念のため。


 僕が言いたいのは、

「設計にあたって、いたずらに『実績』『経験』ばかりを叫び、そしてその名の下にきちんとした検討を怠っているのではないか」

ということである。


(続く)