稽古開始! | 森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

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脚本家
舞台演出家
映画監督
プロデューサー
文教大学情報学部メディア表現学科非常勤講師

 『夕凪の街 桜の国』の稽古が始まった。

 始まる前に選挙に行った。各党の演説を直に聞いたり、YouTubuで聞いたりしているとこの国の在り方がわかってくる。そこで思うことはオリンピックは開催するが、非常事態宣言で劇場を閉鎖するのはやめてくれよ、ということ。劇場が閉鎖してもキャンセル料を貰うことはできない(うちがキャンセルしたらとられるという理不尽)。

 4年前に近くに劇場があるというのでその地域に事務所を引っ越したら、昨年、コロナ禍で閉館になってしまった。昨年から今年にかけて8回延期と中止になった。よく持ちこたえたものだ。演劇の神様は一生懸命やっている者を見離さない。以前、「あなたの演出は古い、そんな教え方だと若い人はついてこないよ!」と、あるマネージャーから怒られたことがある。誤解も甚だしいのだが、その時は少し落ち込んだ。やり方が間違っているのだろうか……でもわたしはそういう場所で生きてきて、現在もこの世界でやっているのだから間違いはないはずだ。そう思っていたら、芸能の神様はわたしに微笑んだ。NHKの朝ドラで主演をはっている女優さんが、デビュー時にわたしの演出を受け、「厳しく目をかけてくれている人に出会ってよかった」とテレビや雑誌のインタビューで答えてくれていたのだ。

演出は何もその人が憎かったり、イジメてやろうと思ってやっているわけではない。作品の為、俳優の為、ひいてはお客さんに喜んで貰う為にしかやっていないのだ。また、ある役者はブログに「あんな演出家とは二度とやりたくない、稽古場に通うのが嫌で嫌で仕方なかった」と書いていたのを見つけたことがある。それも、その女優さんのコメントの前の話なのだが、一生懸命芝居をつけていたのに忸怩たる思いがあった。

 

 今日、自分が久しぶりに稽古場にいて、空気が良かった。また新たなメンバーと一緒に芝居が出来ることになり、やはり、やってきた41年は間違っていなかったなと確信した。

 これだけは言える。

 いい作品を創ろうと頑張っているのに、ブログやTwitterに××みたいな文句を書くような奴はロクな役者じゃねぇ。わたしみたいに41年もこの世界にいないだろう。わたしの長い演劇や映画の歴史の中でそーゆーことを書いた奴や、マネージャーに「あれできません、これできません」とつけた演出のことでブーブー文句言ってきた奴はみな、この世界からいなくなっている。そしてわたしの悪口を書いてくれてもかまわない。わたしは気にしない。だって、見ないから(笑)。もし、見ても大丈夫、自分が一番、自分のことを××野郎と思っているから(笑)。

 

 

 稽古場で地雷と呼ばれるような人間は、この世界では生きていけない。

 41年長いぞ。バイトしていたのは20代だけ、30代からはこの世界で食べている。

稽古場は面白い。色んな人間がいる。挨拶する人、しない人、台本ばっかり見て、相手を見ない人、演出が話をしているのに、台本に目を落としている××野郎、後片付けをみんなと一緒にやる人、とっとと帰る若い奴、おまえも一緒に片付けろちゅうの。様々だ。行動をみているとその役者の人となりがわかるもンだ。

 今日、稽古をやって自分自身、新しい俳優との出会いにワクワクしている。前回公演の出演者も良かったが、今回は全然違う作品になるだろう。メインの北原里英、國森桜、八木将康、仲谷明香は今日の稽古で素晴らしいスタートを切った。今日の初全体稽古で確信した。素晴らしい作品になると。

久しぶりの“STRAYDOG”の公演、楽しみにしといてね!

 


美人とイケメンばっかり(嘘)。