ここのとこ思うこと……その2 | 森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

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脚本家
舞台演出家
映画監督
プロデューサー
文教大学情報学部メディア表現学科非常勤講師

そして××の×××に関しても

サラリーマンのように××当然と思っている。

先日も用事でラッシュ時に電車に乗ったのだが、

その度に映画監督の井筒和幸さんの言葉を思い出す。

(今の若い俳優志望者は『パッチギ!』も観てないし、

井筒監督も知らないだろうが……)

 

“(映画の)予算はオーバーしている。
台風のセット崩壊、エキストラの溺死、

メイン俳優たちの契約スケジュール切れ、
製作費は底をついていたから、

編集部スタッフも仕上げ場に現れない日もあった。
ギャラの支払い延滞で、

撮影中に照明部たちのストライキに遭って何度となく
頭にきたものだったが、モノを作ってる最中に、

金が振り込まれないからという
理由で作業放棄することなど、

ボクには先ず考えられないことだった。

監督業をやりかけの頃、

映画至上主義者のボクにはギャラなど一円も残らなかった。
付き合っていた女性から小遣い銭をちょろまかして分捕っては、

その日を生きながらえていた。

お前たち映画人って、まさか、サラリーマンだったの?
厭々ながら朝の8時から地下鉄に押し込まれて

奴隷のような顔を晒して吊革で
人生を支えている、そんな種類の人間だったの?

そんな人々を眺めて写し取る、

河原の乞食じゃなかったのか?
まさか普通の人間だったの?

ボクらは何のために?
何を作ってるの?

夢や希望も遠のいた国境の果てに

突っ立っているキャバレーの呼び込みか?
乾電池工場の工員か?
キュウリやトマトでも栽培してるのか?
山の中で猪でも追ってるのか?

何屋だ?
何を売るンだ?

お前たちこそ自分の身体を売ってるのか? 

市役所の印鑑係か?

好きなものが他になくてどうしようもなくて映画を作ってるんだぞ、
下町の板金屋の太郎君じゃないだろ?

アルバイターじゃないぞ、

月末の金の振り込みが遅れたくらいでガタガタ
喚くんじゃないよ、明日飢え死にするっていうのか?

金が欲しかったら、

長距離トラックか、

ラーメン屋で働き直せ、

 

バカヤロと思った。

二度と一生、

そんなスタッフとは仕事したくなかった”