A・B両チームの幕が開いた。
しかし私は「風邪なんかひいてる奴は才能がねぇ!」
とか豪語したとたんに風邪をひいてしまった。
笑い事ではない。
「うん、だって俺、才能なんかないも~ん」と、
開き直ってやった。
そうなのだ。
この世界、一に体力(めげない、ふてない、休まない)
二に人格、三、四がなくて五に才能なのだ。
てか、一がもうダメじゃん。
う~ん、どうしよう。
まぁ、明日から頑張ればなんとかなるさ。
ならねぇよ。
なんて考えてたら、前回、ヒロインを演じた鈴木ちなみ が観に来た。
ちなみは“STRAYDOG”の芝居に三回立て続けに出演した強者だ。
私は三回立て続けに“STRAYDOG”の舞台に出演した役者を
演劇界のピューリタンと呼ぶことにしている(今回初めて)。
現在、出演中の桐山玲奈もそうだ。
ピュアな強さがあるゆえに、苦しい稽古が乗り切れるのだ。
ということは“STRAYDOG”の役者は全員か(笑)。
そんなことはどーでもいい。
いやいや、どーでもよくない。
奇遇にもこの二人に西原理恵子原作
舞台版『女の子ものがたり』で同じ役を演じさせた。
そして言わせたセリフがこれだ。
「生きて行くならおカネを稼ぎましょ……
どんなときでも毎日、毎日、自分という店を開けましょ……
それはもう神様を信じるのと同じや。
どんなに煮詰まってつらいときでも、働くことが希望になる……
ときには休んでもええ……でも、自分から外に出て、手足を動かして……
心で感じることだけは……あきらめンといて……人が人であることを
やめないためには……働くンや……働くことが生きることなンや……
忘れンといてな」
ちなみは当時から海外に飛び回り、
稽古も充分に出来なかったのでかなり焦っていたようだ。
だから、自分に言い聞かせるようにこのセリフを言っていた。
時には涙を流しながら……。
バラエティでもいろんな人に可愛がられて活躍しているようだが、
俳優のことも忘れずに頑張っておくんなまし。
前回『ゴジラ』公演の打ち上げより。