モテキ! | 森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

脚本家
舞台演出家
映画監督
プロデューサー
文教大学情報学部メディア表現学科非常勤講師

まわりの評判があまりにもいいので、観てみた。

DVD借りて。




森岡利行「監督日誌」

藤本幸世(31歳)。金なし夢なし彼女なし。

派遣社員を卒業し、ニュースサイトのライター職として

新しい生活を踏み出そうとしているが、

結局のところ新しい出会いも無いまま。だが、

ある日突然、「モテキ」が訪れた!

みゆき、るみ子、愛、素子。まったくタイプの異なる

4人の美女の間で揺れ動く幸世。

「こんなのはじめてだ…今まで出会った女の子と

全然違う…冷静になれっ!

…期待しちゃダメだぁ…」モテキの波を超えて、

幸世は本当の恋愛にたどり着けるのか?



面白かった。

ストーリーは「まぁそうなるな」という話しなのだが、

俳優が上手い。



観ていて思ったのは

芝居は作るモノではなく、

生まれてくるモノなのだ、と思った。



かつて名優・デニスホッパーが若い頃、

共演したジェームズ・ディーンに

「君はなぜ、そんな自然な芝居ができるんだい?」

と訊いたところ、

「煙草を吸うのに、煙草を吸う演技をするんじゃない、

煙草を吸えばいいンだ」

とディーンは答えたという。



ただ煙草の吸い方は十人十色だ。

人と同じである必要はない。



大根仁監督のブログ も読んでみた。

『ドラエモン』における省略の技巧について

書かれていた。



最終話、

作者はのび太とジャイアンの対決を見せず、

ドラエモンとのび太の別れも見せないで

読者に哀しみを伝えるというものなのだが、

描かれてなくてもわかる、というものだ。




テレビドラマに馴れている観客は

なんでもかんでも説明、

少しでも難解な表現があると、

わからない、という。




イマジネーションが欠如しているのだ。

テレビドラマの表現の仕方(CMがあり、何かをしながら

視聴者は観ている)も、映画の表現も、

舞台の表現(最後列の観客にまで感情が届かなければならない)

も違うのだ。




テレビドラマの監督が、

そこを理解し、映画を撮った。

面白くないわけがない。




いい映画はカット割りとか

撮り方なんぞ気にならないものだ。




この映画も最初はスタイリッシュなのだが、

後半はしっかり物語を撮っている。



にもまして、

森山未来と長澤まさみが魅力的だったなぁ。