“STRAYDOG”の重松がいよいよお金がなくなり、
解体屋でバイトするというので、
私も金がないので、一緒に働くことになった。
もともと特殊免許を持っている私は
ショベルカーを操作し、家一軒くらい
バラすのはわけもない。
一日あれば、古家くらい簡単にバラせるのだ。
そして、バラした廃材は、
必ず芝居で使えるかどうかチェックする。
ドア、襖、戸板など。
こんなポンプなんか見つけたら大喜びで
持って帰って芝居で使う。
“STRAYDOG”の旗揚げ公演の道具費なんか
ほとんどタダで拾ってきた。
床にはるパンチも、
セットの小屋もトタンも洗濯機も全部拾って、
足りないパネルはタタキの現場から貰って帰り、
東洋大の白山校舎のキャンパスで叩いた(セットを作る)のだ。
そんなこともあってお金が入ったので
新宿に映画を観に行った。
『川の底からこんにちわ』
上京して5年、仕事も恋愛もうまくいかず妥協した日々を送っていたOLの佐和子。
そんな彼女の元に、父が末期がんで倒れたという知らせが届いた。
佐和子は田舎に戻り、実家のしじみ工場を継ぐことに。
しかし工場は倒産寸前で、パートで働くおばちゃんたちからも相手にされない。
さらについてきた恋人にまで浮気されてしまう始末。
そんな追い込まれた中で佐和子は工場を立て直す決意をし……。
[ 2010年5月1日公開 ]
これがまた最高に面白かった。
すごいぞ大阪芸大出身の監督と満島ひかり。
まだ未見だが『カケラ』という映画では脇毛も晒しているそうじゃないか。
やるなぁ。女優だなぁ。なんか今まで監督として甘かったなオレ(笑)。
最近観た『告白』といい、妥協してないもんなぁ。
テレビ向けのきれいなとこしか見せない女優なんかいらないよな。
舞台やってる連中もそこんとこよろしく。
映画魂に火がつくと、TUTAYAに向かうのだが、
なんと『女の子ものがたり』が全部貸し出し中になっていた。
まだまだいけるぞオレの作品。
がんばれ『女の子ものがたり』。
まわれ、レンタルの回転数!(笑)
店の人が書いてくれているコメントが泣かせるぜ。
“タイトルからは想像できなきくらい、深い!”
すごいキャッチコピーじゃないか!
因みに……
重松と解体屋をしたというのはフィクションだが、
東洋大で叩いたり、パネルを貰ったり
道具を拾ってきたというのは本当で、
『川の底からこんにちわ』が面白かったというのも本当だ。
あしからず。