BC-458A送信機の試験をするためにダミーロードを探していたのですが、富士測定器の小型ダミーロード DL-7(昭和42年7月製造)を見つけてアンティーク大好き病から入手してしまいました。
送信機を試験する時、アンテナを接続して調整すると違法電波を出してしまいますのでダミーロード(疑似負荷)は必須です。
周波数範囲142MC~162MC、定格電力40Wとなってますが、ダミーロードとしてはBC-458A(送信周波数7MHz、CW定格出力40W)の試験に十分使用可能です。
BC-458Aの実際の試験では空中線出力10W以下になるようプレート電圧、スクリーン電圧を調整しますので熱容量的にも余裕があるとみています。
この機材はインピーダンス50Ωの終端型電力計としても使えますが、目盛りが周波数152MHZ付近で較正されているのでメーター示度は低く出ると思われます。
機能確認を兼ねて、TS-450の送信電力を10W(LCDバー表示なので正確性は疑問)にセットしてメータの表示を確認してみました。
コネクタがN型接栓なのでN-M変換接栓を介して接続しました。
高周波電力計は8W弱を示しています。7MHzではピックアップコイルの巻き数が不足になりますので。
実は、同じ富士測定器のDL-8というダミーロードを持っていたのですが、無線関係はやめようということで関係器材の一部としてを処分しました。
この時たくさん放熱用の穴の開いたケースをアンプに使おうと取ってありました。
既にアンプ用にパネルの加工などしてしまっていたのですが、銘板が残っているので確認すると仕様は次のようになってました。
殆ど同じ時期に作られており、定格電力が10W大きい50Wになっています。
でも筐体サイズは大人と子供のようです。
左がDL-7(定格40W)、右がDL-8(定格50W)のケース(改造済)
処分する時分解したので構造は覚えており、今度のDL-7も分解して構造を確認しようと思いましたが、負荷抵抗側の構造がちょっと異なっており分解が大変なのであきらめました。
メータ側だけ分解してみました。メータについ先年50Wで較正したメモが貼り付けてあって前の所有者が大切に使っていたことがわかりました。
負荷抵抗側は分解しなかったのですが、ケースの放熱孔から覗くと、円筒状に組み立てられた高周波用抵抗(たぶん1KΩ・2wの抵抗20本を並列接続)が見えDL-8と殆ど同じ構造ではないかと推察されます。
DL-8では入力のM型接栓の中心導体が長く伸びその先端に負荷抵抗が取り付けられており、中心導体の接栓側にある環状のトロイダルコアにピックアップコイルが巻かれていました。このコイルの線端に熱電対がついておりここで得られた電流がフロントパネルのメータに導かれていました。このメータはW表示ですが熱電対型であること、熱電対の接点(JUNCTION)はメータの外にあることがメータに記されているのはDL-7、DL-8ともに全く同じです。
熱電対型のメータですので表示の応答速度は遅く、先ほどのテストでも針が動き出して表示値に止まるまで1秒くらいかかっていました。
熱電対をメータに内蔵するタイプの高周波電流計は以前持っていましたが、熱電対部分を取り外して普通の電流計に改造(確か感度1mAくらいでした)し真空管アンプに使いました。
104Dアンプの上側のメータが、熱電対電流計を改造(改悪)したもの。左右の104D真空管のプレート電圧、プレート電流を切り換えて監視できるようにしています。
米国Simpson社製の Radio Frequency 電流計
熱電対型の電流計は今やアンティークになってしまいましたが懐かしいです。
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