キット部分の回路を確認したので、10年以上前に作った電源サブボードとカソードフォロワーサブボードの回路確認をしました。

 キット部分の裏面の写真。白い線は12.6Vヒーターの配線、灰色、橙色、茶色、赤色の配線はB+の配線(B1~B4)

 

 右側の黒いコンデンサがいくつも載っているのが電源サブボード、その下の真空管(12AU7)の載っている小さなボードがカソードフォロワーサブボード

 回路確認・手直し前の様子

 

1.電源サブボードの回路確認と手直し

 DCヒーター回路はー側アースとしていたが、今回ハムバランサーを追加してその中点をアースすることにしました。ハムバランサーは電源ボードにつける余地がないのでイコライザー初段管に近いケースの左側板に取り付けました。

 また、テスト時にはんだ付けを繰り返して部品を痛めることのないようにB+用コネクタとDCヒーター用接続ポスト(2mmバナナプラグ使用)を追加しました。

 

 新設したハムバランサー(100Ω可変抵抗器)

 

 手直しした電源部の回路図

 

 電源サブボードの配線パターン図

 

2.カソードフォロワーサブボードの回路確認と手直し

 ボードが小さいため以前は出力用のコンデンサ、VUメーター感度調整可変抵抗などは外付けを考えていたが、今回パターンの見直しをしてすべてボード上に取り付けるようにしました。

 

 手直ししたカソードフォロワー部の回路図及び配線パターン図

 

 一部手直し後のサブボード、左下がカソードフォロワー出力兼VUメーターアンプボード、右上がB+/DCヒーター電源ボード、左上は高圧整流用ブリッジダイオード(KBL404G)

 

3.VUメーターのテスト

 テスターで導通を確認したところ、VUメーターの指針が途中でひっかかる感じがしました。ずっと使ってなかったものなので錆びつきを疑いましたが、原因はガムテープで作ったカバーが劣化変形して指針に接触していたためとわかりました。以前メーターを狭い前面パネルにつけるためにメーターケースの上部を切り取って、できた穴をガムテープでカバーしていたんですが。

 穴のすぐ上にケース天板がくるので、ほこりが入ることもなさそうなので、カバーをしないことにしました。

 

 VUメーターをフロントパネルから外したところ

 

 メーターケース上部を切り取ったVUメーター

 

4.12ピン中継コネクターの作成

 フロントパネルにはトーンコントロール用2連ボリューム(高音、低音調整用)が2個ついています。これと、本体ボードの接続には12本のケーブルが必要になりますが、試験、メンテナンスなどでフロントパネルと本体ボードを切り離す場合があります。12本の線のはんだ付けをはずしたり付けたりは大変なのでコネクター接続を検討しました。使用する線材がシールド線でなく単線なので少しはいいんですが。

 

 あるもので間に合わせるという原則に従って探し回りましたが適当なものがみつかりません。12ピン以上のものは大きすぎて設置が大変です。

 PC、電子回路基板などにも使われている基板用のコネクタ(メスのプラグ)が小型なので使えそうだとユニバーサルボードにオスのレセプタクル(ソケット)を仮につけて様子をみてみました。

 そしてこのソケットボードをどこにつけるか考え始めましたが、真空管の載っているメインボードに改めて穴あけするのは大変です。

 

 基板用コネクタ(プラグ メス)とレセプタクル(ソケット オス)

 

 中継コネクタにすれば必要に応じビニタイかテープなどで固定できるので、これを採用することにしました。電源ボードと本体ボードの接続(B1~B4とEの5ピン)にも使ったのですが、ピン間隔の狭いピンヘッダーにはんだ付けと各ピンの絶縁処理をするのは大変でした。12ピン分作るのは前途多難だなと考えながら必要なコネクタとヘッダーピンを揃えているうちに、ヘッダーピンを仲介にしてケーブル付きコネクタ(メス)2つを接続すればはんだ付けなしで中継コネクタを作れると気がつきました。

 メスのコネクタの受け側ピンの長さに気をつければ(ピンヘッダーがきちんと入るかどうか)うまくいきそうです。

 

 1.ヘッダーピンを12ピンの長さにカット

 2.ヘッダーピンは普通2列なので、1列分はピンをカット

   ピン間隔が狭くてニッパーは使えないので「爪切り」を使用

 3.基板用コネクタ(プラグ メス)2個の配線長さを調整

   同じタイプのコネクタがいくつかあったので、必要な長さのある別のコネクタ

   からケーブル付きピンをはずして付け替えをしたりしました。

    スリットに薄い刃のドライバーを入れ抜け止め防止のばねを押しながら

   ケーブルを引くと外せます。付ける時は、抜け止め防止バネをカッターの刃な

   どを使って起こしておかないと引っ張ると抜けてしまいます。

 

 左のコネクタはピン受けの長さが短いので、ヘッダーピンの長さの調整はしませんでした。

 

 接続したところ

 

 次回はフロントパネルの配線を終えたうえで各ボードをバラック配置でテストするつもりですが、この中継コネクタの活躍に期待しています。