転職活動体験記③ ~ヘッドハンターとの面談による情報収集 | 元官僚戦略コンサルタントのブログ

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某省でキャリア官僚として5年間程度勤務し、その後戦略コンサルタントに転じた著者が、官僚からコンサルへの転職活動を具体的に紹介するとともに、日々の仕事や生活の中で日本経済について思うこと、また読んだ本の書評などを書いていきます。

前回の記事では、

・ビズリーチというハイクラス向けの転職サイトに登録し、
・10人程度のヘッドハンターから面談依頼のメールをもらい、
・うち5,6名と実際に会った

ということを書きました。

今回の記事では、この続きとして、ヘッドハンターとの面談の具体的内容やその中で私が何を得ようとしたかを書きます。

5,6人のヘッドハンターとは2、3週間の間に集中的に面会しました。昨年の秋ごろの話です。私はこの期間を情報収集を効率的に行う期間と位置付けていました。ネット上でも情報収集できますが、残念ながらネット上には余り深い情報はありません。効率的にかつ深い情報をとるためには、コンサル業界や転職活動の実態について深い知識、理解を持っているであろう複数のヘッドハンターと会うのが最適と考えたわけです

ヘッドハンターとの面談は概ね1時間程度です。
平日仕事が終わってから、そのヘッドハンターが所属するエージェント会社に赴き、話を聞きました。
私が具体的に聞いた点は以下です。

①戦略コンサル業界の動向(景気がいいか悪いか)
②中途採用の状況(積極的かどうか)
③具体的な採用プロセス(筆記試験、面接試験)
④筆記、面接対策
⑤転職後に想定される年収
⑥そのヘッドハンターの具体的な支援内容

このように事前に質問事項を整理しておけば、適確に答えてくれます。ただし、ヘッドハンターによって答える内容が微妙に違ったりすることがあので、複数のヘッドハンターから話を聞くことで、どの情報の確度が高いかを自分の中で精査する方が望ましいです。

上記①~⑤の質問事項について、あるヘッドハンターから得た回答を参考までに書きます(※昨年秋時点での情報なので、業界動向等については変わっている可能性がある点にご留意ください)。


①:リーマンショックからの景気の持ち直しの中で、戦略コンサル業界全体としても持ち直しつつある。

②:採用を積極化しているファームとそうでないファームに二極化している。積極化しているファームはBCG、ローランドベルガー、デロイトトーマツコンサルティング、ドリームインキュベータなど。

③:筆記試験は課されるところが多い。問題のタイプは大きくGMAT(ベイン)、判断推理系(ATK、RB)、SPI系(BCG)の3パターン。面接はいわゆるケース面接(ビジネスの具体的なケースに基づき、その戦略立案をディスカッション)が多い。内定までの面接の回数は、ファームによって異なるが、平均すると4~5回程度。

④:筆記試験については、GMATの問題集は少なくともこなしておくべき。面接(ケース面接)については、読書が基本。ビジネスやロジカルシンキングの本を3~10冊程度読むことをお勧めする。その他、志望動機の整理も必要。

⑤:実務経験が5年程度あるので、アソシエイトではなくコンサルタントからスタートできる可能性が高い。トップクラスのファームであれば年俸800~900万円からのスタートになるだろう。

⑥:各ファームごとに筆記試験問題や面接内容の情報の蓄積がある点が弊社の強み。そうした蓄積情報も生かしながら、応募書類のチェック・手直しや面接対策(ヘッドハンターが面接官になって、ケース面接を実践的に練習)などのサポートができる。


さて、私自身が複数のヘッドハンターと面会した理由は、情報収集以外にもう一つあります。
それは、「実際に支援してもらうヘッドハンターの見定め」です。
見定めるに当たり私が重視した点は以下になります。

①信頼できそうな人物か
②具体的な支援内容
③エージェント会社としての情報の蓄積度合い
④会社の転職支援実績

優先順位はこの順です。今後の人生を決める転職活動なので、信頼できそうな人物かどうかが一番のポイントになります。下手な支援のされ方をして転職のチャンスを棒に振ってしまったら元も子もありません。この点はなかなか見極めが難しいですが、1時間一緒に話をすれば、何となく信頼できそうかどうかはわかります。

これらの点でお会いした5,6人のヘッドハンターを評価し、最終的に支援してもらうヘッドハンターを確定させました。