1950年にアメリカで上映された名作を紹介します。
アカデミー賞も6部門で受賞し、カンヌ映画祭でも女優賞(当然です!)と特別審査員賞に輝きました
実は、全然理由は別なのですが、ずっと観たかったのです、このモノクロ作品
というのも、まだ当時無名だったマリリン・モンローがちょい役で出演していることを知っていたから
1953年からの彼女の映画は11本あるのですが、それはすべて鑑賞しています。
無名ではありますし、まださほど演技も上手くない彼女ではありますが、まさに彼女そのものっぽい役と聞いていたから。
All About Eve
邦題:イブのすべて
画像はお借りしました。
芝居で観客に感動を与え続け、名声を誇る女優マーゴが年齢の壁に思い悩む。
大御所だからこそ好き勝手、わがまま放題とも思われているの。
では、実は老いへの恐怖と愛する男性を今後失うのではないかと恐れていて、まるで自分の年齢を感じずにはいられない年若い女優志望の女性と時間を過ごすようになったとき、彼女は自分の今までの生き様をどう受け入れるのでしょうか?
観終わったとき、「歴史は繰り返す」という戒めが思い浮かんだかしら。
あるいは、来たるべき「因果応報」かな。
女優二人の演技合戦って感じで息をのむ感じで大変面白かったし、とても怖かったわ
イヴ、まじめに怖い
自分の周囲には本当にいてほしくない
あらすじをWIKIからコピペしますね。
アメリカ演劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞が、新進女優イヴ・ハリントンに与えられた。
満場の拍手のうち、イヴの本当の姿を知る数人だけは、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった…。
田舎から出てきた女優志望のイヴは、ブロードウェイの大女優のマーゴの付き人となる。
自分の大ファンだというイヴに目をかけるマーゴだったが、イヴは次第に本性を表してゆき、批評家やマーゴの周りにいる人々に取り入ってゆく。
ある日、出るはずの舞台に間に合わなかったマーゴの代役として出演するチャンスをつかみ、イヴは批評家たちから絶賛される。
これを皮切りに、劇作家や有名批評家に巧く取り入り、マーゴまでも踏み台にしてスター女優へのし上がっていく。
イヴの「究極のシンデレラストーリー」とも、彼女から仕掛けられて本来の姿を知っている人たちからすると「なんでもありの成り上がり」は、振り返ると1年程度の年月しか過ぎていないの。
自分の才能と若さと美貌に絶対的な自信を持つイヴは舞台女優になるために手段を選びません
まずはコネクションが必要と思えば、舞台に毎日通い、ターゲットにしたマーゴの芝居を毎日観にいくの。
そして、そこから直接お話しできる機会を得て、自分がどれだけ大女優を尊敬しているかを説くのねぇ。
若く、美しく、まじめで健気な彼女はすぐに気にいられ、マーゴの取り巻きの演出家やシナリオライターたちにも好感を持って迎い入れられます。
マーゴの家の一室に移り住み、甲斐甲斐しく気難しいマーゴに取り入り、徐々に本性を現していくのでした
自分を信じて登用してくれた脚本家や演出家などには枕営業とは言いませんが、ほぼ同じようなアプローチをするしねぇ、ふぅ。
スターになるために、一生懸命と言えば聞こえはいいですが、ある意味、近視眼的なのよねぇ。
そして、自分を中心にした駒の廻し方しか考えられないし、相談できる相手を敢えて作らなかったことから、客観的かつ複合的な深みのある戦術が取れないんだと思う。
若気の至りですね
でも、50年代のアメリカって、私がイメージしたよりもずっと大人で余裕がある時代だったのね。
これには好感をもちました。
こういう鼻っ柱の強い新人にいいように利用されたら、業界から干すとか、何か裏でバッシングするという動きをしそうだけれど、この演劇最大のセレモニーに参加して、渋い顔で普通にイヴの授賞スピーチを聞いているんですもの
さて、このある意味、イタいイヴを演じたアン・バクスターの演技が徐々に変わっていく様が素晴らしかった
そしてイヴが憧れる大女優のマーゴを演じたのが、それこそ当時の大御所ベティ・デイヴィスです
口角がやや下がり気味で、どーんと存在感があって、芝居小屋では映えるでしょうねぇ。
実際、本物もかなり怖いよね…。
ハリウッドから売り出し中ということでNYにやってきた新人役のマリリン・モンローと絡むシーンがあるの。
ですが、マリリンが大御所ベティにビビりすぎて、簡単なセリフにも拘わらず、11回も撮り直しをしたそうです。イラついたベティがモンローにがみがみ言ったら、彼女は気分が悪くなり、嘔吐するためにお手洗いに駆け込んだとか
今までもブログで、一番好きなのはフランスですが、この時代のアメリカのライフスタイルも大好きと言い続けております。
ワードローブやアクセサリー使いも素敵でした。
こちらがオフィシャル・トレーラーです。
エンディングが皮肉が効いています。
好きですぇ、こういう終わり方。
いつも拙ブログにお越しくださってありがとうございます。