昨日、日中、時間をみつくろって図書館にGO
というのも、この地域の公立図書館が8月いっぱいお休みになるから。
日本って公立図書館のサービスがきめ細やかじゃないですか
だからこそ本好きとしてつくづく呆れるばかりなのですが、8月はヴァカンスだからお休みなのだそうです。
そういうこともあり、今日は確かに利用者が多かったわぁ。
しかも腕に抱えきれないほどの書籍やDVDを借りている人たちがたくさんおりました。まぁ、私もそういう目的で来館したのですが…。
こちらの図書館サービスの状況はこんな感じ。
通常でも日曜日は働かないから閉館。週日も2日は午後から開館ですよ
そして交通機関のストがあろうものなら(←かなりの頻度であるフランス)、職員が安全に帰宅できるように5時で閉館
開館していなくても自動返却できるようポストを作ったと自慢していますが、すぐに機械が調子悪くなってしまって、今まで1回しか利用できたことがないなど。
っと、図書館の改善ポイントをつらつらと書いてしまいましたが、それでも本が好きだから細切れの時間をつなぎ合わせても行きたい場所なのです
以前も触れましたが、日本の名監督の作品なども全集で揃っているなど、優れたところもあるのです。
今回ご紹介するのは、木下恵介監督が1951年に日本初のカラーフィルムに挑んだ
カルメン故郷に帰る
(画像は日本語のウィキペディアからお借りしました)
屋外での撮影とあって、高峰秀子さんのはっちゃけぶりが眩しいわぁ。
なんというんだろう…突き抜けた明るさ、自分をアーティストと信じる気持ちの強さ、ストリップをあくまで芸術を信じるカルメンことおきんのずぶとい生き様。
1951年ということは戦後6年やそこらでしょ。
当時、この作品を楽しんだ観衆は、色彩鮮やかな映像もあるけれど、度肝を抜かれたことでしょう
カラーならではの苦労もあったようですよ。
まずは畳サイズのレフ板での撮影で、眩しさを我慢しながら演じた役者たちはシーンが終わるたびに視力が通常に戻るまでの時間が必要だったとか、モノクロのときの化粧が使えないため、肌が黄色い日本人がカラー映画でも普通に見えるようにファンデーションの開発を化粧品会社に依頼したなどなど。
こういう撮影の裏話や秘話は実に面白いです。
さて、筋書きです。
東京で成功した芸術を志す娘(実はストリッパー)が友人とともに凱旋帰省するから、家出のことは水に流して、仲良く数日間を過ごすと一家に知らせてくる。
数日間とはいえ、のどかな田舎に彼女たちの帰省で巻き起こすとまどいの数々なんです。
こういう女性たちを嘲笑い、メタ認知力の低い田舎者だけで悪口を言いがちに仕上げそうだけれど、さすが木下監督です。
そんな中でもちょっとした思いやり、さすが教育者たる校長の人柄(笠智衆さんが演じています、若いの)や、出来が悪かったからこそおきんを心配し愛する父のとまどいなど、ひたむきに一生懸命生きる人間としての優しさを描いています。
小学校の若先生の役だった佐田啓二さん、すてきです〜
凛としていて本当にハンサムですね
2012年は木下恵介監督生誕100年でした。
今までの名作を公開する特別なプロジェクトがあったそうですよ。
それぞれの作品の説明や秘話なども数多く掲載されています。ご関心のある方はこちらにどうぞ。
そして『カルメン故郷に帰る』のオフィシャル・トレーラーはこちらです。
現代に生きる私もこの作品からエッセンス・活力をもらった気がします
いつも拙ブログにお越しくださってありがとうございます
すてきな週末をお過ごしくださいね。