足蹴に踏み躙られた兵士が問う。
「お前は一体、何なんだ・・・どうしてこんな事が出来る・・・?」
其れまで相手の言葉など一切耳を傾けず、一頻り暴れるがままに暴れていた其れが
初めて興味を示した様に足元の兵士の言葉を黙って聞いている。
聞き終わると、目を細め口の端を歪にゆがめながら即答した。
「オレは力だよ。唯の力だ。突き詰めて云っちまえば唯、其処に在る『モノ』さ。
『モノ』に意味など在るか?
キヒヒヒッwwモノに意味や理由を持たせるのは何時だって人さ。戦をおっ始めるのだってなァ!キヒッ!キヒッw
刃に生きる為に喰い物を切らせようと、愉悦に混じらせ人を斬らせようと、果たす役割は果たしているんだ。
『切断する』って役割はな!
オレが力を振るうのは天災と同じさ。殺す為に存在する力だから殺すんだ!
お前は雨が降る度に一々『何故に降るか?』と問うのか?キヒッw」
其処まで捲し立てると、返答も待たず踏み躙った兵士の背に、魔剣を突き立てる。
そしてまるで要らないモノを扱う粗雑さで骸と化した其れを蹴り飛ばし、
獲物を見定める様にまだ混沌を極める戦場に目を向けた。
頬に跳ねた返り血を指の背で掬って一舐めすると、また下卑た笑みを浮かべながら独りごちる。
「そうさ、だから止めたければオレを殺せよ。
殺らなければオレは殺し続けるぞ。唯、殺す為に殺す・・・そう云うシステムなのさ、コイツは。キヒヒッw」