偏差値の不思議
突然ですが皆さんに問題です。
AさんとBさんは国語と算数の2科目の模試を受けました。国語と算数の配点は同じです。
Aさんは
国:偏差値60
算:偏差値60
をとりました。
Bさんは
国:偏差値40
算:偏差値80
をとりました。
Q:2人の2科目の平均偏差値はどうなるでしょうか?
①Aさんの方が良いことが多い
②Bさんの方が良いことが多い
③常に同じになる
いかがでしょう?
…
……
………
…………
この答えは、
②Bさんの方が良いことが多い
です。
平均したら同じ偏差値なのにおかしいのでは?と思った方、実は私もそう思っていたのですが、違うようなのです。
どういうことか見てみましょう。
※なお、以下の話は「2科目の平均偏差値」は2科目の合計点の得点分布に従って再計算されるという前提です。四谷大塚系の模試はそうなっています。なお、私がいたころの浜学園では、平均偏差値は各科目の加重平均(単純平均)で算出されていました(今はどうなのかな?)。大学受験塾の一部でもその方式をとっているところもあるそうですが、統計的には本来加重平均すべきでない数値の平均を出していることになります。
偏差値とは「得点の価値」
偏差値とは分かりやすく言えば「得点の価値」です。
例えば先ほどの例で、国語も算数も平均点が50点だったとしましょう。このとき、国語の80点と算数の80点は同じ価値とは限りません。
算数のほうが満点から0点まで幅広く得点層が分布している(=標準偏差が大きい)一方で、国語は40点から60点周辺に固まっている(=標準偏差が小さい)場合には、同じ80点でも国語の方が価値が高いことになります。
また、同じ偏差値60という数字をみると、得点の価値が高い算数で偏差値60を出すために必要な得点と、得点の価値が低い国語で偏差値60を出すために必要な得点では、算数の方が高い得点になります。
そして、算数と国語を比べた場合、算数の方が国語より標準偏差が(かなり)大きくなることが受験では一般的です。
そのため、算数の偏差値の持つ意味が国語より大きくなるのです。
たとえば、平均点50点のテストで、
国語の偏差値60:得点63点
国語の偏差値40:得点37点
算数の偏差値60:得点66点
算数の偏差値80:得点98点
だとすると同じ加重平均偏差値60でも、Aさんは129点、Bさんは135点になり、Bさんの方が実際の2科平均偏差値は高くなるのです。(なお、実際には、Aさんの2科平均偏差値ですら60over、Bさんはさらに高い数字になることが多いのですが、それはまた別の事情によるものです。後日別の記事にします。)
「算数が受験のカギをにぎる」という受験格言は数学的にみても正しい格言といえます。
とはいえ…
とはいえ、Bさんのような算数特化型の子は、算数の標準偏差がいつもより小さい(差のつきにくい)試験になったり、国語の標準偏差がいつもより大きい(差のつきまやすい)試験になったりすると、算数の優位性を活かせず、急に成績を落とすリスクがあります。
今回の組分けテストのこぐまがまさにその例です![]()
逆に、Bさんのような子は、ふだんの成績では(加重平均の偏差値はAさんと同じ場合でも)Aさんに負けてしまいますが、安定感があり、急に成績が落ちるリスクは低いです。
特化型、バランス型のメリット、デメリットを正しく把握しつつ、お子さんにあった最適な戦略をとっていきたいですね!

