学力が安定している/不安定であるとはどのような状態か? 


先日の記事で、こぐまの学力は比較的安定している方だと書きましたが、


そもそも学力の安定とは何でしょうか?


今回はその点を数学的に少し深掘りしてみたいと思います。


 一つの指標は「偏差値の最大値と最小値」


学力の安定/不安定を測る上で、わかりやすい指標は偏差値の最大値と最小値の差(ブレ幅)です。この差が少なければ少ないほど、予測可能性が向上するので、受験で失敗する確率も低くなります(もちろん、合格可能性には、入試の特性による相性など他の要素もからんできますが、ここではいったん措きます)。


他方、ブレが少ないということは上振れも期待できないということになるので、チャレンジ校に奇跡の逆転合格!みたいなことを起こそうとたくらんでいる方は、逆にブレ幅は大きい方が良いのかもしれません。


 もう一つの大事な指標「偏差値の標準偏差(ブレ率)」


もう一つ、私が塾講師時代から注目していたのは、「偏差値の標準偏差」、わかりやすくいえば、「偏差値がレンジ内でどれほど散らばるか」というものです。ブレ率とでもいえば分かりやすいでしょうか。


たとえば、同じ平均偏差値60、レンジ幅(最小値ー最大値)が55ー65の人でも、



こんなイメージの人(偏差値60近辺を取る確率が高く上振れ/下振れの確率が少ない人)もいれば、



こんなイメージの人(偏差値60が平均といえども、上振れや下振れが起きやすい人)もいます。


このイメージの人は、チャレンジ校に軌跡の逆転合格する可能性もある反面、滑り止めの難易度設定を間違えると足元をすくわれるリスクもありますので慎重な志望校選びが大事になってきます。



ブレ幅の大小と標準偏差(ブレ率)の大小で分けてみる 


標準偏差という表現が難しいので、ここでは便宜的に「ブレ率」としておきます。


ブレ幅の大小とブレ率の大小で、学力の安定/不安定は以下の4つにタイプ分けできます。科目別にタイプが異なることも多いので科目別に分析するのも有用でしょうし、四科全体で傾向を分析するのも当然有用です。


なお、この分析はある程度成績が固定化して、かつ短期間に多くの試験を受ける(同質のサンプル数が多くなる)小6後期に特に有用で、成績が上昇/下降しやすい小4や小5(特に塾に通い始めて時期が浅い場合)だと分析の精度が落ちる(たとえば順調に成績が上がっているケースでも、このタイプに当てはめるとタイプ1の「ムラっ気タイプ」になる可能性がある等)ことに注意ください。)


 タイプ1 ブレ幅大 × ブレ率大 = ムラっ気タイプ(目安:ブレ幅10以上/標準偏差3以上)



平均偏差値はほぼ参考。調子が良い時は爆発的に良い成績を出すものの、そうでない時は信じられないくらい悪い成績になる、そんなタイプです。


受験直前期に猛烈に勉強して詰め込むタイプは、このタイプの成績になりがちです。また、科目別に見ると、文系教科よりは(一問の配点が大きく、得意苦手分野で差が生じやすい)理系教科の方がこのタイプの成績になりがちです。


四科総合でこのタイプだと講師をハラハラさせますが、関東の中学受験はチャレンジ可能回数が多いので、関西に比べると、ムラっ気タイプには果敢にチャレンジさせるのが合理的ですし、実際その流れが強いかなと思います。



 タイプ2 ブレ幅大 × ブレ率小 = たまにやらかすタイプ(目安:ブレ幅10以上/標準偏差3未満)




基本的には平均偏差値通りの成績を取り、安定しているものの、何かの拍子に突然「やらかして」しまう驚きタイプです。


学力的に特定の苦手分野を持っていてそうなる場合もありますが、私の経験上では、このタイプは精神的な面が理由になることが多いです。普段はとてもよくできるのに、重要な試験でパニクってしまったり、試験序盤の簡単な問題でまれにつまづいて、普段の精神状態が保てなくなるような子です。


こういうタイプの子は場慣れさせ、パニクったときの自分なりの対処法(トイレに行くとか)を習得することで、下振れはすることは防げる場合がままあります。



 タイプ3 ブレ幅小 × ブレ率大 = 堅実タイプ(目安:ブレ幅10未満/標準偏差3以上)




レンジ内でのブレ幅はあるものの、レンジ自体が小さいので、その範囲で確実に成果を出す堅実タイプです。その範囲の中でチャレンジ校、本命校、滑り止め校を設定すれば少なくとも滑り止め校は合格確実、チャレンジ校も他のタイプよりも高確率で受かるので塾側からみるとありがたい人材ですにっこり(笑)



 タイプ4 ブレ幅小 × ブレ率小 = 抜群安定タイプ(目安:ブレ幅10未満/標準偏差3未満)




平均偏差値通りの偏差値を高確率で出してくる、抜群の安定感を誇るタイプです。科目別では文系分野に多く、めちゃくちゃ苦手で低値安定する場合や、逆にめちゃくちゃ得意で高値安定する場合もあります。


四科全体でタイプ1になる人は決して多くありません。(超有優秀層でもそれなりに成績はブレる子が意外に多かったように思います)。



ちなみににこぐまは 


ちなみにこれまでの組分けテストの偏差値で計算すると、こぐまは


​国語 ムラっ気タイプ(ブレ幅13.8 標準偏差4.5)

算数 堅実タイプ(ブレ幅9.8 標準偏差3.3)

理科 ムラっ気タイプ(ブレ幅13.1 標準偏差3.9)

社会 抜群安定タイプ(ブレ幅6.3 標準偏差1.9)

四科 抜群安定タイプ(ブレ幅9.2 標準偏差2.9)


となりました。理科がむらっ気タイプなのは小4の一年で怒涛の成長を見せたからで、今後5年生での1年間を後から振り返ると違うタイプ(堅実か抜群安定)になるのではと思っています。


また、社会の標準偏差1.9というのは驚異的な安定感で、ほぼブレが生じないことを意味しています。これはひとえにパパプリの成果でしょう(笑



四科では珍しく抜群安定タイプ先日の記事で、こぐまは成績が安定している方と思ったその感覚はやはり正しかったようですね。


なお、標準偏差(ブレ率)はエクセルでも計算できますし、ここを使って計算することもできます。過去の組分けテストなど単一種類のテストの、測りたい科目の偏差値を入力して、「計算する」を押すだけです。





    

ブログの紹介にっこり

元浜学園国語科講師で自身中学/大学/院/国家Ⅰ種/司法試験とあらゆる試験を一発合格してきた自称「受験のプロ」で、現役弁護士でもある「くま先生」が、国語が大の苦手な息子のこぐま(早稲アカから27中受予定)に伴走する受験記

※主な連載記事




アメンバー募集中です。「こぐまの戦歴」の一部記事はアメンバー限定公開です。受験や子育てについてのブログを定期的に更新されている方、相互フォローやコメント等で交流のある方のほか、ブログは更新されていなくても中学受験の子を持つ親であることがプロフィールなどから分かる方も申請していただいて構いません。なるべく多くの方と交流できたらなと思いますにっこり