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スッタカの歌うたいBlog

ストウタカシのブログ

かなり久しぶりに音源をUPします。
「桜の下で」という曲です。



https://soundcloud.com/takashi-sutoh/zojsxmnqlxjp

正直あちこちミスはあるけど、
先日の篠原さんとのライブの熱が冷めないうちにUPしたかったので、殴り書きならぬ殴り録り??
既に録音やり直したり、アレンジやり直している箇所もあって、ちゃんと発表するときにはグレードアップしたものを届けたいと思います。

この曲は、既にライブでは何度か歌っていて、その時にMCで話しているのですが、
元々この曲はブログの「殴り書き」シリーズでUPした詩が先にありました。
それにメロディーをつけて、曲にしたという経緯があります。

元の詩はこちら
http://ameblo.jp/stowtk/entry-11843171820.html

前に作った「Bell」という曲も、村田博さんという同郷の方の詩にメロディをつけましたが、その時の、言葉を音楽へ広げる、という流れが今僕の中でちょっとしたブームになっていて、最近できている新曲は、すべてこのスタイルで作られています。

話変わって
以前、MySpaceという無料の音楽配信サイトを使ったことがありましたが、今回はSoundCloudというアプリを使って配信しています。
ここはPC、スマートフォンアプリで聞くだけでなく、MP3でのダウンロードもできるので、お気に入りのプレイヤーでも聞くことができます。

WEBにオリジナル音源をこうした形でUPするのはかなり久しぶりです。
正直、無料のサービスに自分のオリジナル音源を載せることへの抵抗が少なからずありました。
やっぱり作り手として、音源をちゃんと作って、CD買ってもらって…という形での提供に固執していた部分がありました。
もちろん、いずれはちゃんとした盤を手に取って聞いてもらいたいですがこれだけ無料配信が定着した今、それをやらないことは自分の活動の範囲を狭めるわけで、たくさんの方に自分の音楽を聴いてもらいたいという目的のために、今となっては低くなったハードルをひょいと越えたという次第です。

これからも作った音源はここに遠慮なくUPしていきますので、気に入ったらDlしたり、イイネ的なボタンを押したり、シェアしたりして広めていただけるとありがたいです。

僕の音楽が多くの方の耳に届きますように。
「明日の手紙」

いくら君の言葉を反芻しても
受け止められないんだ
嫌いになったのならそう伝えて欲し…
と、書いた手を止め
便箋を破る

欲しい答えなど何処にもない
それが現実なのに

カレンダーは虚しく空になって
2本の足は夜毎あてなく歩き回る
そうしていなければ少しも立っていられないと知っていたから

長い雨が不自由な体を溶かして
強い風が誰も知らない場所に連れ去り
照りつける太陽が記憶を全て消し
月光が存在さえ透明に酔わせ
自分が、
なくなってしまいたいと願う

でも、
雨の日は傘を差し
風に目を細め
日陰で涼み
夜明けと眠る

明日なんて
もうここにはないのに
いつまでも
古い伝票を捨てられず
ゴミ箱には丸めた便箋が積もるばかり

いつか、
いつの日か書き上げたなら
届けよう
花が好きな君のために買った
ローズの香りの封筒に
明るい言葉と未来が踊る
とびきりの手紙を入れて

いつか
いつの日か明日がやって来たなら
伝えよう
もう雨に濡れても平気だと
風に吹かれても答えを見つけると
陽の下で胸を張っていると
夜も怖くないと

今はまだ
道の外れで背を丸めているけれど
いつか、いつの日かきっと
音楽仲間の出合紀行さんの写真にインスパイアされて書きました。出合さん快諾ありがとうございます!

「呼吸」

雲間に見える青の濃淡
別れを告げる手紙のペンと同じ色
正しい答えはそこにあるのだろう

突然の雹に怯えた午後の
切っ先はなんじを刺す
射抜くかたわれの心臓からつま先まで
ヘモグロビンが歩いて渡る
脳は酸素と窒素と二酸化炭素その他の混合気を欲しがるが
ため息ばかりでちっとも足りない
手のひらの気孔から吐き出した呼気に含まれるのは
真新しい哀しみ
その湿度は誰かの吸気となって蒸留され
やがてビードロの雨を降らす

連綿と続く幾重にも折り重なったサークルの
始点は誰も知らず
やがて蝕まれ朽ちるまで
この連鎖に生きるを受容するのみ

だから風よ
もっと強く吹け
明日の空が見えぬほどに
今日の呼吸ができぬほどに

{51D0622B-E552-4291-98EB-0A7FE3B0700E:01}


「言えない 2」

〈前書き〉
リクエストにお応えして、続編を書きました。
前回はこちら
前回未読の方はお読みいただいてからの方が楽しめると思います。

/////////////////

まだ痛みが残る体を起こして、憂鬱を身に纏う。充足と虚無が混濁したまま時は流れ、私は重い体を引きずるように夜に向かっていた。まったく、今日はひどい一日だ。
いつもの場所に腰掛けて路行くものを眺めていた。そこは一本道の傍にあるひとつの大きな花崗岩で、灰色に大小点々と雲母を含んだそれは長い侵食によって地表に滑らかな楕円形の姿を見せていた。その頂きにある直径1メートル程の窪み、そこは私がルームと名付けたお気に入りの場所だった。かなり時間がかかったが、ルームの中央部分には、自分で深さ6~7センチメートル位の穴をあけ、そこに誰かが捨てていったパラソルを差している。雨や直射日光を悩まされることもなく快適に過ごせるのだ。ルームは、誰かが来ればすぐに分かり、横になれば姿を隠すこともでき、気分が乗らない日はうたた寝をしながら一日を過ごせる、私だけの書斎兼寝室兼城なのだ。

だが、その日に限っては朝から誰も通る者はなく、もちろんそんな日もあるのだが、特に今日はそれが気に障っていた。体調が芳しくなかったからかもしれない。諦めて下に降りようとすると、遠くに若い男が見えた。軽い足取りとは言えなかったが、静かに背筋を伸ばし真っ直ぐこちらを向いて歩く姿は、巡礼者のようだった。
初めて見た彼は、身なりこそ小綺麗にしていたが、言葉を交わさなければ顔を忘れてしまうような、悪く言えば印象の薄い、もっと言えば興味の湧かない男だった。
そうでなくても今日は体調が悪い。いつも以上に批判がちだ。ただの通りすがりの冴えない男をdisるのはいた仕方ないだろうと自らに言い訳をしながら、焦点を彼に合わせた。土煙の中から次第に彼の姿が大きくなる。
何かしらの感情がその時湧いていたのだろう、まだこちらの姿が見えないうちに、思わず声をかけようとしていた私は、勘違いをされては困る自らの立場を思い出し、すんでのところで思いとどまった。

見るからに旅姿の男は、南へと向かっていた。私は目を細めて再び彼を見た。実はこうすることで、相手の考えていることが分かる、正確には見えるのだ。ある一定の距離、体調にもよるが3メートル以内にいる人物ならば、眉間に意識を集中させて顔を見ると、相手の心象風景が像となって背景に映って見えるのだ。一般にサイコメトリーと呼ぶらしいが、体も小さく非力な私はそれでこれまで生きてこれたと言っても過言ではない。永の歳月は伊達じゃない!ということだ。
思わず叫ぶ格好になってしまったが、私はかなり高齢である。40を境に歳を数えるのを止めたために正確な年齢を言えないのが残念だ。念のため言っておくが、高齢を恥じてはいない。経験によって得られた叡智は何にも代え難い財産であると信じる。もし死ぬ日が来たら、仁王立ちで、我が人生に一片の悔いなし!と右腕を掲げて往生することを心に決めている。そのために体には人一倍気を使っている。毎日100回のシットアップ、10キロのランニングは日課だ。おかげで腰痛、肩こり、頭痛などに悩まされたことはここ十数年ない。自分自身、昔の方が老けていたと正直思う。私よりずっと若い同輩の方があちこち痛いだの、目が見えないだの、食事が取れないだの愚痴ばかりで、よほど年寄りくさい。どうしてもそれが許せなくて、つい口をついてしまうので、仲間うちからは疎まれて当然だろう。だからこんなところで一人きり通りすがりの男を眺める羽目になるのだ。
しかし私は孤独ではない。筋トレ以外の楽しみもある。はっきり言って多趣味である。なかでも漫画、アニメ、それにまつわるCD、フィギュア、グッズ関連は気に入ったものならどんな高値でも手に入れてきた。限定品と名の付くものは大抵コレクションしている。マニアにはケースに飾り立てて日々拝んで愛でる者もいるが、私は邪道と断ずる。フィギュアはそれを用いて遊ぶことが至上であり、手を触れないなどど生ぬるいことを言っているような若輩には、バカ!と頬を殴ってやりたくなる。もし、父さんにもぶれたことないのにぃっ!と言い返してくれたらいい友人になれそうなのだが。ふふふ。というような妄想をしながら遊ぶことが本来の趣味者と私は信じている。
いつでもこの遊びができるよう、今日も数点のお気に入りを荷物に忍ばせている。今日は久しぶりに牙大王1/50スケールフィギュアを持って来たが、当然人前でひけらかすことはしない。それが嗜みというものだ。

趣味の話のおかげでつい脱線したので、時間を少し遡ろう。私はその男を例の力で透視した。と、美しい、髪の長い女の姿が見えた。女は泣いていた。正直見とれてしまった。私は今まであれほど美しく泣く女を見たことがなかった。そしてその前で男はおろおろと、何を言っているかは聞こえないが必死でなだめていた。しかし女は目を合わせることなく一点を見つめていた。涙は止まることなく流れていた。続いて場面が変わると、もう女は泣いてはいなかった。真っ直ぐな目で男を見つめ、穏やかな、しかし決意を秘めた表情で男に何か話していた。次第にうなだれていく男。女は笑顔で最後に何か告げると、男は一度だけ頷き、背中を丸めてその場を立ち去った。像はそれで終わった。

私は通り過ぎようとする男に向かって言った。
「ちょっと、お兄さん。そちらへ行っても何もありませんよ」
私にはその場所がわかっていたからだ。彼は間違いなくそこへ向かっていたはずだが、この道とはまったくの逆方向だった。このままどこまで行っても彼女はいない。決して辿り着かない場所へ男は向かっている。訝しげに私を見つめる男。その刹那、彼が彼女に会いに行くのではないことを私は理解した。彼女を傷つけ幸せに出来なかった自分を受け入れ、真に強い男になるために旅をしていると。それは終わりのない旅、決して行き着かない場所を目指しているということだ。彼の心には彼女への強い思いが残っていて、その思いが彼を突き動かしている。しかしこの旅の結果、彼の願いが成就するかということだが、それは未来を透視できない私にも分かっている。叶わないと知りつつ、旅をすることを決意し実行していることこそが、その証明なのだ。

私はこの男について行くことを決め、ルームから降りた。これから長い旅が始まる。その行く先や結末については、彼に言わないでおこう。
「雨の日に」

イヤホンを耳につけたまま
何も流さないiPod
雨が傘を打つ音と
呼吸だけが聞こえる
どんな人混みでも
ひとりきりになれる
雨の日の歩き方

傍らに珈琲と宮沢賢治
オノマトペとカフェインと
慈愛と自省が愛おしくて
悪意の有機化合物に満ちた
この世界も悪くない

明日には
この雨も上がるらしい
曇天に虹彩が見えたら
投函しない手紙を書こう
緑青の便箋に藍色のインク
拝啓、僕は元気です。

イヤホンからは
無音のミュージック
透明な絵葉書
無言の返信
ここは世界の中心なんだ
通りには色とりどりの傘の華
やさしい歌が何処からか聞こえてくる
紫煙立ち込める街
ここが世界の中心なんだ

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