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スッタカの歌うたいBlog

ストウタカシのブログ

「月を追いかけて」

傾く月を追いかけている
辿り着くことのない場所へ向かって

立ち止まることができない僕は
まるで周遊魚
呼吸さえも忘れて闇雲に駆ける
思いの先にあるはずの
安らぎの匂い
枕はそのままに
愛はそのままに

痛みはずっと後ろの方で
名残惜しそうに眺めている
諦めがちな遊星に
慰めの言葉が軽くてたまらない

君への思いを
僕は何処かに置いて来てしまった
大きな穴は空いたまま
月が照らす胸の影は
デジタルの形に浮かび上がる

(こんなはずじゃなかった)

いつの間にか周回遅れ
谷底ような難コースを
ただ空を見上げて往けば
音もなく降る月光の
冷徹に見せる現実を横目に
虚ろな魂は震えるばかり

(まだ僕はここにいるんだ)

見たくもない世界の
知りたくもないニュースに
足元をすくわれそうになるけれど
心地よいスピードで
あの月を追いかけている時
何もかも忘れて
透明になれるんだ

追いかけることの
その幸福をかみしめて
今夜も空に浮かぶ月を追いかける

涙はもう乾いてしまった

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明日のライブの告知です。J☆Popさんと対バン!僕の出番はトップ、19:00です。



↑フライヤーです。
The J☆POPさんは、お世話になっている先輩バンドThe GOOD IS GOODの録司さんがメジャーデビューしたバンドです。17年ぶりの復活ということで、僕もとても楽しみ!!ということで、7月5日、西川口でお待ちしてます!

<日時>
7月5日(土)
open18:30 start19:00
music charge2500yen(1drink付)

<出演>
The J☆POP
ターマン
ストウタカシ

<会場>
西川口 Live & Bar R
埼玉県川口市並木3-4-23石原ビルB2F
TEL:048-229-7286
http://www.livebar-r.com/

<アクセス>

西川口駅東口を産業道路方面に向かって真っすぐ進みます。信号2つ目(並木町交番)を越え、3軒先のトレーニングジム「KINGDOM」の地下です。分からなくなったらお店にTELしてください。
「ONLY ONE」

小鳥のさえずりで訪れる目覚め
瞬きの音が轟々と流れる
どこからが昨日で
どこからが今日で
いつから明日なのか
曖昧なまま「今」が移ろう

どこまでも深く
引き込む淵の、
甘い囁きは怠惰な香り
そこら中の細胞が好き勝手に言葉を放ち
脳は意識なくメカニカルにそれらを集計する
その多数またはイレギュラーあるいはアジテートされた総意を審判と呼ぶ

何かを失うこと
何ひとつ手にしていないこと
朧な夢の中で
微かに灯る光の跡
まどろみだけが優しい

何が欲しかったのか
既にそれも彼方
深森の声はlow Bbで
曰く、
「真実の声に耳を傾けよ」

美しい世界は
可聴領域を超えた振動によりその姿を変える
その線引きは同一カテゴリを蠢く
愛と憎
夢と絶望
本音と建前
真実と虚構

その度に
身体を構成するものの一部は
言葉なく去っていく
残された身体は
愛おしく惨めな姿を晒しながら
虚しさを埋めるように分裂していく

何度も、何度も、何度も

その繰り返しの末に残るのが
たった一人の私


 ◇まえがき◇
 私ごとですが、昨年の12月に原因不明の頭痛になりまして、その時の出来事をネタに書いたエッセイのようなものです。音楽の話は一切ありません。アーティストたるモノ民衆に夢、希望を与える存在でなくてはならず、ゴシップよろしくプライバシーを切り売りするなどけしからん!という方は芸人スッタカのイメージ低下の恐れが多少なりともございますので心してお読みいただくか無かったことにしてください。また、グロなしとはいえ病の話題が苦手な方も読み飛ばすかタブをそっと閉じてください。

 ◇発症◇
 元来医者嫌いで具合が悪くても薬を飲む習慣もないため、基本自然治癒で対処してきたが、数日前から悩まされている咳と頭痛に改善の見込みがなく、咳はまだしも頭痛は今までに感じたことのないものであったため流石にこれはヤバイんじゃないか?の思いがよぎった。即ち左側頭部の頭皮に鋭い痛みが不定期にあり、かつ指などで当該箇所に触れれば、頭をゲンコツで小突かれたような痛みが走り、また首を捻れば首の後ろから左こめかみまで電気ショックが与えられる、という症状であった。また数カ月前に同年の友人の入院にショックを受けたこともあって、そろそろ身体にガタが来る年齢を自覚していた私は、かといって誰に相談できるものでもなかったため、仕方なくインターネットで検索をしてみたのである。
 教えてgoo曰く、頭皮の痛みは神経痛の類であり、重篤なものでないことが大体である、しかし脳波に異常のあるも可能性もあるため、専門の頭痛外来にて診察を受けるのがよろしかろうとあった。頭痛外来など始めて耳にした言葉だが、実際そのような診察科目が存在するのだから、私と同様、原因不明の頭痛に苦しむ人々が多くあるのだ、ソフトがいつの間にかアプリと呼ばれる時代の、これもひとつの現代病だろう、クワバラクワバラ…と、風刺にもならぬ経文を唱えながら、インターネットには嘘と誠が半々、いや実際嘘の方が多いと人づてに聞いていた私は、ネットなのだから、どうせ半分は嘘なのだろう、どうなら半分優しさで出来ているBで始まる頭痛薬の方が、効き目があるに決まっているとひとりごちてまた数日を、Nで始まる頭痛薬を飲んで過ごしていた。
 だが当然ながら事態は一向に改善されず、そうこうしているうちに、今度は左耳の下、左顎まで痛くなってきた。これは扁桃炎か知らん、と明後日のライブを前にようやく本格的にビビって来た私は遂にババっと医者に行くことを決意し、トットと近所の総合病院に向かった。

 ◇早計◇
 MU5(マジで受付終了時間の5分前)に総合受付に滑り込むや殴り書きで問診票を記入し、終了の札を出す寸前に笑顔で提出したところ、若い受付嬢は嫌な顔一つせず、私の症状を聞き取り、既に受付時間が終了しているにもかかわらず耳鼻科と内科の受診を案内してくれた、さらに時間がないから今すぐ耳鼻科の診察室に行ってくれ、その間に自分が内科の受付に話を通しておくから、耳鼻科の診察が終わったらそのまま内科に行ってあーだこーだしてくれとキビキビと、しかし慈愛に満ちた表情で対応してくれた。危うく心を奪われそうになったが、のぼせた私に、とっとと行きやがれ、と額に梵字を浮かべた嬢が、「耳鼻科はあちらでーす!」と指先から炎を出しながら指差した方向へと私は進んだ。
 途中美人のナースの尻を追いかけそうになったが、道草なんぞを食ったら最後、防犯カメラで一部始終を見ていた嬢が即メラゾーマを放ち私を黒焦げにするのは目に見えている。いつでも治療ができる病院内とはいえ、大やけどなど論外だ。誘惑に堪えながらなんとかたどり着いた耳鼻科では、閉店間際の雰囲気で蛍の光を口ずさんだ短髪の男性医師がけだるそうに横を向いていた。「いつもここから」のヤンキーじゃない方に似た彼、仮にピタゴラさんとしよう、ピタゴラさんはさも大仰に、「はい今日はどぉしました~」と間抜けな質問を第一投目に投げてきた。しかも若干甲高い声で。
 おう?ちょっと待てピタゴラ。確かにその手元にある問診票の字は汚い。時間がなかったことを差し引いたとしてもだ。がしかし、嬢が俺とのやり取りのなか、読み取りにくい箇所をさりげなく問診票に加筆修正を加えてくれていて、俺の独善的申告をより客観的医学的に正確な一次情報にまで昇華してくれたはずだ。それとも何か?俺と嬢とのおそらく最初で最後の共同作業を、お前はそんな間抜けな質問でぶち壊す気かコラ。まずは読め、読んで分からんかったら質問して来いやぁ!と心に秘めつつ、「いやー左顎のここんとこが痛くって、扁桃炎ですかね?あは。いやいや冗談。そんな素人診断なんかするはずおまへんがなセンセ」とへりくだってみた。手もみする俺の眼の奥に必殺の刃を感じたのか、ピタゴラはおずおずと問診票に目をやり、俺の左耳を見ると、「こっち赤いね~、耳痛いでしょ」と上ずった声で馴れ馴れしく話しかけてきた。確かに触ると痛い。頭痛と顎痛に気を取られて耳が痛かったことに気づかなかった。そう言えば前日にイヤホンつけた時、ちょっと違和感あったなぁ。などと瞬時に回想しているうちに、「あ~これ外耳炎ですね」と地味に宣言したピタゴラはカルテに書き込みつつ高速でキーボードを打ち込み処方箋も書き始めた。まだ事態を飲み込めない私は、外耳炎って何?という初歩的な質問をする間も無く。
 「1週間分お薬出しておきますね。お大事に~」と一瞬にして診察室を追い出された。受付終了間際の客なんてそんなもんか。私に残ったのは会計係に出す書類と、カルテ作成中にピタゴラが耳の絵を書いていた記憶だけだった。ボールペンで描いた耳に色鉛筆で執拗にぐるぐると朱色を重ねていたピタゴラ。何かに取り憑かれたように一心不乱に赤鉛筆の芯を減らしていたが、彼の方こそは大丈夫なのだろうか、そういえばヤンキー芸の他にフリップ芸もやってたっけ。と回想しつつ会計を済ませた私は、嬢の指令通り、内科へ向かった。

 ◇懊悩◇
 内科の受付は存外まともなものだった。耳鼻科とは何か出自が違うように思えた。検温、血圧を測り、さらに頭の中が心配なら神経内科も受けられます、もちろんCTもできますよ、と優しく勧めてくれた。もちろん全て受けることにした。女子の厚意を無にするなんて野暮は俺様の辞書にはない。CTでもMRIでもURLでも束になってかかってきやがれべらぼうめ、と肩で風をきって内科診察室3番へと入った。そこで待っていたのはキングオブコントの……じゃない方に似た医師だった。ここではキングと呼ぼう。イケメン医師のキングは首から下げていた聴診器を俺の服の上から当て、おもむろに舌にヘラをのせると、咳以外はどうですかぁ?と空々しく質問をし、耳鼻科の約1.5倍、およそ1分30秒もの時間をかけて診察してくれた。嗚呼なんて親切な。病院嫌いの気持ちを組んだスムーズな診察、痛み入ります、頭も耳も顎も。いたたたた。
 いつの間にか診察室を出ていた私は言われた通りCT部屋へ、ベテラン看護師と共に向かった。道中の絡みは一切なし。お互いその方がいい、これが大人の関係ということだ。などと一人頷きながら歩いていたら、案内してくれた看護師がいつの間にか別人になり変わっていた。これはもしかしたらとんでもない事件に巻き込まれてしまったのかもしれない。手術室に入れられ何か分からぬうちに麻酔をかがされ、腎臓と言わず肝臓と言わずあらゆる臓器を切り取って密売組織に売り渡す算段なのかしらん?病院内に巧妙に身を隠した犯人グループは、案内役を何人もリレーさせてバレにくくするなどという用意周到さで組織を拡大してきたに違いない。これは褌を締めて掛からねば、ぼぉっとした体でついていきながら決定的な証拠を掴んでやるから覚悟しろよ!潜入捜査だ!半沢ばりに指を指したところでレントゲン部屋にたどり着いた。

 ◇誘惑◇
 3人目の案内役は中学生のようにあどけない髪の長い女工作員だった。コミケにいそうな雰囲気の彼女に、俺はJCと名付けた。腕力では負けないように見えるJCだが、油断は禁物だ。こう見えてきっと何かの武術を極めているはずだ。一服盛られないように、そしておとり捜査に気どられないように、細心の注意を払って荷物を置き診察台に横になる。すると敵もサルもの引っ掻くもの、「失礼しまーす」と笑顔で拘束衣を被せてきた。しまった!このまま貨物船に乗せられて香港、マカオ、丸亀辺りに連れ去られたら一巻の終わりだ!焦る俺をあざ笑うかのように工作員JCは「目をつむって下さいねー」と顔に当て布で目隠しをした。もうダメだ、反撃のチャンスもなくここで俺は誰にも知れることなく朽ち果てるのか、これも極秘捜査員の定めだ、父上母上先立つ不幸をお許しください。観念した俺は言われるがままに力を抜いた。そうだ、やっくんだって、じたば~たす~る~なよ!って言ってたじゃないか、JC工作員に体の位置、すなわち体位を微調整されながら、しかし私は穏やかな心持ちだった。確かに何一つ成し遂げてはいない、だが、組織への潜入に成功し臓器密売の実態の証拠をこの体に残したじゃないか、後に続く捜査員は名もなき俺の屍を乗り越えて、きっと組織を摘発してくれるはずだ。その時俺は、天国に……ふっ、地獄に決まってるか、なぁ、ホーク。

 ◇宿敵◇
 CTのトンネルを抜けると、そこは神経内科だった。死んではいなかったのだ。はははっ、たりめーじゃ惚け。全然ビビってねーっつーの。ほほほほ。っとっと、いけねぇ。安堵の表情を笑顔で隠して最後の診察つまりラスボス戦へと臨んだ。
 ちなみにこの時の主人公のそうびは、経験値アップにより、こんぼうと旅人の服の上下セットから、銅のつるぎ、鎖かたびら、皮の盾に成長していた。HP、MPは満タンとはいかないものの、いざとなったらキメラの翼で一時離脱して戦況を立て直せばいい。生温い風が頬をすり抜けて行く。武者震いを隠すように、おっさん、否勇者はその一歩を踏み出し地獄のドアを開けた。
 「そちらへおかけ下さい」穏やかな声が戦闘開始の合図だった。緊張気味に歩を進めると横向きにカルテを見ていたラスボスがこちらへ身体を向けた。
 だっ、だ、D蜜?!
 女医コスプレ(メガネオプション付)による痛恨の一撃に数秒記憶がなかった。危うく一発KOされるところだったが、なんと踏み止まる。いや待て、よく見れば別人だ。確かに白衣&黒髪ストレート&メガネは好物だし、ツンデレ気味に責められるシチュエーションはもっと好きだ、美人女医のエッチな診察なんてたまんねぇなおい!って、いやいやここで俺の性癖を披露しても仕方ない。ここは最終決戦の場なのだ。気を取り直して対峙する。胸元に目がいく。まんまと引っかかってるんじゃないぞ、これは敵の作戦に乗ったふりをして油断させるという高度かつ頭脳的切り返しなのだ。断じて鼻の下も鼻毛も伸びてない。眉間にしわを寄せ、腹にぐっと力を入れる。にじり寄ったD蜜はCT画像解説攻撃。あやうく眠るところだったが何とか踏みとどまる。続けざまにペンライトで左右の眼球へビーム攻撃。しぱしぱする目をこすりながらかろうじて防御。ここがチャンスとばかりにD蜜は最大の技を繰り出した。
 「それじゃ、そのベッドに横になってください」

 ◇投了◇
 流石はラスボス。最大奥義で俺を仕留めようというわけか、ふむふむそちらがその気ならこちらも必殺の剣を抜くまで。さぁ一合交えん!
 いきり立ちながら横になった私は、矛盾を抱えながら、待ち構えた。グランドポジションには自信あるぜとほくそ笑みながら。D蜜は俺の下半身に狙いを定めていた。「力抜いてくださいね~」両方の足を持ち上げ左右上下に振り始めた。お、そっちからサービスしちゃう?まじすか?と期待に胸その他を膨らます。さぁいつ上に来るんだ。こっちは準備万端だっちゅーの、と古いギャグで頭を冷やす。
 「はいお疲れ様でしたー」その一言で俺の勝利というか野望というか欲望は無残にも打ち砕かれた。嗚呼無常。「戻ってくださいね~」俺が診察台からどれほどゆっくりと椅子に戻ったか、ナマケモノもびっくりのスローモーっすよ、えぇ、万が一2回戦ってこともあるかもしんないじゃんねぇ。えぇ、なかったすけど。
 ダンジョンでの戦闘により、俺の頭痛は外耳炎が原因による神経痛と診断された。割りに高い医療費と、思いのほか高かった抗生物質その他諸々の薬をもらい、財布は軽く足取りは重く、這々の体で帰途に着いたのだった。(了)

 ◇あとがき◇
 当然ですが、盛ってます。