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お決まりのようなシチュエーションは
己のしでかしたことを思い返すのに
さほど困らないほど生々しく・・・
散らばった下着やら靴下やらを
ボーっと見つめていた
なぜ?どうして?
とは、不思議と思わないことに
妙に納得している自分がいた
「・・あぁ、一限目間に合わない」
時計に目をやれば完ぺきに遅刻な訳で
ズキズキするこめかみを押さえながら
今、目に飛び込んでいる状況を順番に整理し始める
昨日の夜、金髪に腕を引かれて走ったあと
気分が悪くなって・・・
視界から金髪が消えた
その時たぶん・・・
リバースした気がする
どうやってここに来たんだろ?
金髪がなんか言ってた気がするのに
そこは覚えていない・・・
排気ガスの匂いがかすかにしたから
たぶん・・・タクシー拾ってくれたんだろうな
俺を担ぐには華奢すぎるし・・・
周りを見渡せば
それらしい部屋の佇まい
スケスケの浴室にどデカいTV
だだっ広いベッドの端にもう一人分の
盛り上がったシルエット・・・
・・・・・・・。
おまけに真っ裸ときたら
どうにかなっちゃったとしか
思えないわけで・・・
あっちこっちを確認するも
特に変わった様子はなく
もしかしたら、俺って・・・
酒の勢いで金髪に・・・・その、
あり得ないが勢いでってこともある?
恐る恐るそのもっこりした一角に
そっと近づくと
日焼けした顔からは
想像もつかないほど
真っ白な肌に奇麗に散った
花びらが目に飛び込む
「・・・・これって、」
ゴクリッ
生唾を飲み込む音が
部屋中に響いた気がした
