揺れる・・・想い#1
 
 
揺れる・・・想い#2
 
 
 
 
モニターの向こうにいる智くんの視線を意識する
 
気を抜くと、思いつめた顔になってしまいそうで
 
いつになく緊張している俺・・・
 

画面を通した俺を智くんは気にいってくれていた
 
必ず入るメールを心待ちにしていた自分に
 
もっと・・・・早く気づくべきだった
 

メールが智くんからだったから・・・
 
他の誰でもない智くんからのメールだったから
 
嬉しく感じていたことを・・・
 
 
 
 
 
 
 

強い憧れが・・・
 
そう錯覚させているのだと
 
感情を押し殺して
 
心の声に耳を貸そうとしなかった
 
 
 
 
くだらないシガラミ・・・・
 
純粋な思いに蓋をし続けてきた
 

そんな俺の思惑なんか
 
とっくに見透かされていたのだろう
 
いつの間にか一定の距離を保ち
 
俺のはすっぱな意地と比例して徐々に
 
傍に立たなくなった智くん
 
そしてその距離は確実に開いていった
 
 
 
 
 
 
 
若いころの俺は
 
思うがままに生きてきた
 
感情を抑えることなく
 
むき出しのままぶつかっていった
 
そのせいで周りに随分迷惑をかけた
 
メンバーにも、マネージャーにも
 
そして、智くんにも・・・
 
尖って、粋がって、自分は特別だと
 
無意識に舞い上がっていた頃
 
いつも側で俺を見守っていてくれた
 
そして、覚すように優しく
 
言葉を選んで俺に語りかけてくれたんだ
 
 
 

いつだって自分の事より他人を気にかける
 
その癖自分には厳しくて
 
だが、心許した人には惜しみない愛を注ぐ
 
そんな智くんを俺はいつしか
 
一人占めしたいと・・・・思っていた
 

だが、素直になれない俺は
 
智くんに他の奴等が纏わりつきだすと
 
面白くなくて余計に距離を取りだす始末
 
そうすることでしか
 
自分の感情を表現できないでいた
 
子供だったんだ・・・
 
ふふ、今だってあのころのまま何も変わらない
 
バカな俺・・・・
 
今さら・・・・なんだよ
 
と、言われればそれまでだ
 
 
 
 
 
なにを俺は伝えようとしているんだろう
 
会えば何かが変わるかもしれないと
 
微かな希望に縋る・・・・
 
 
 

会って、、、何を始めるつもりなんだ
 
俺は・・・・・
 
 
 
時間は嫌でも過ぎていく
 
カメラの先にいる視線に精一杯の虚勢を張る
 
固くぎこちない笑顔はきっと
 
あの人も気づいていることだろう
 
 
 
 
 
 
 
鍵をポケットの中で握りしめる
 
起きているか・・・・
 
眠っているか・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
賭けてみようか?
 
 
 
 
もし眠っていなかったら
起きて俺を待っていたのなら
あなたに直接思いを告げよう
今の気持ちを飾ることなく
 
 
もし眠っていたのなら
その時は、あなたにそっと触れさせて
言葉にしない代わりに
心の奥にしまうから、
思うだけなら迷惑にならにでしょ?
 
自分で決められないのなら
運に任せてみるのも・・・・・
いいよね。
 
 
結局俺は・・・・・臆病なのかも
嫌われるのが一番堪える
 
 
 
時間・・・・・だ