坂道と老人 | オッサンの呟き

オッサンの呟き

特にテーマはなく、独り言のように日々思ったことを呟きます。そんな他愛のない話しに付き合ってくれる人がいるかな?

横浜市内は坂道が多い。かくいう私の家の近隣も坂道だらけだ。

買い物の帰り道のこと、坂道で荷物を置いて休んでいる老人がいた。知らない人ではあったが、『持ちましょうか』と声をかけた。老人はにこやかに『ありがとうございます』との返答。私は手伝った。

 

昔の自分だったらこのような行動は無かったかも知れない。自分の親が老いていくのを日々傍らで見ているからこその行動だったと思う。

 

その老人の荷物を持ちながら少し一緒に歩いたところで後ろから坂道を上ってくる自転車があった。自転車は前に大きな荷物。後ろに子供。自転車はよろよろしながら登ってきて、重量と坂道の負担で横に倒れそうになった。真横に倒れそうなった自転車を私は瞬間的に支えた。

 

この瞬間に老人が吠えた。

『子供を乗せててそんな危険なことをしちゃ駄目じゃない!』

近辺に響き渡る大きな声だった。で、大きな声を上げたあとに温かな笑顔。二人は全くの知り合いというわけではなかったようだが老人は真剣に怒り、そして直後に『ねっ!』という感じで温かな笑顔。

 

昔はこんな老人が沢山いたのかも知れない。何やら心がほっこりするような出来事だった。