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右差し過去の開催レポ

 

 

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マレーシアクアラルンプール在住の

美帆です。

 

夫の海外赴任で来たマレーシアで3人の子育てをしています。

私の長男は注意欠陥多動性障害、ADHDです。

 

(↑名前をクリックいただければプロフィールに飛びます)

 

 

1ADHDで偏差値35の息子がインター校で変わった話① 〜イントロダクション〜

 

2ADHDで偏差値35の息子がインター校で変わった話② 〜謝らないということ〜

 

3ADHDで偏差値35の息子がインター校で変わった話③〜「ダイバーシティ」ってきっとこういうこと〜

 

の続きです・・・

 

 

 

前回、早期療育について考えていることを少し書いたのですが

 

 

実は、次男も3歳児検診で発達状態について「要経過観察」に丸を付けられています。

彼は、マレーシアのナーサリー育ちです。

 

 

つい先日、校長先生に

「兄がADHDだし、この子もレッスン集中できないし、ADHDじゃないかと思う」

と話してみました。

 

 

「心配するの早すぎ(笑)very playfulだし集中出来ないし相変わらず赤ちゃんみたいだけど、そんなのこのくらいならいくらでもいるわよ〜(笑)」

 

 

まさに

私が言いたかったことだなぁ、と感じました。

 

 

そのくらいおおらか「でも良い」。

 

早期療育で伸びる子がいてもいい。

 

 

インター校のキンダーでは

同い年で特別な指導を受けられる学校もあるようです。

 

 

それはあくまでも親の選択。

多様性が認められていると感じます。

 

 

さて、長男の話に戻します。

今日は彼の特性「書くことに対する困難さ」にまつわる話をします。

 

 

彼は診断名は「ADHD」です。

LD「かもしれない」というお話はありましたが、LDである、とは言われていません。

しかし、LDのうち「書字障害(ディスグラフィア)」の代表的な症状と彼の特徴は酷似しています。

 

 

・文字がマス目からはみ出してしまう

・鏡文字を書く

・漢字を覚えるのに多大な困難を伴う

・黒板の文字をノートに書き写すのが難しい

              など

 

 

日本の学校では普通級に在籍していましたが

特別支援学級へ週1回「通って」指導を受けることになり

特に漢字などを個別で指導していただいたり

眼球運動のために(板書は黒板とノートを交互に見ますが

書字障害はその眼球運動が苦手な子が多いため、その訓練として)

輪になって集団で風船でバレーをするといった訓練をしていました。

 

 

そのことからも、先生がたも「書くこと」に困難を抱えている

と考えてくださっていることがわかりました。

 

 

学習障害は「知的に遅れは無い」ことが前提です。

だからこそ、訓練で努力して身につければ良い、

知的発達に問題が無いなら努力次第で身につけられるはずだ、

ということなのだと思います。

 

一見、真理です。

 

 

しかし、裏を返すと「努力していないから」と言われることもありました。

 

 

知的発達に大きな遅れがなく、話すことも読むことも出来るからこそ

本人が怠けているように感じられてしまう…

 

 

漢字ノートを使って100回書いても

どうしても「この漢字は横棒が何本だったっけ?」

「ここに点は要るのかな、要らないのかな」

ということが覚えられない。

 

犬と太が見分けられない。

 

いえ、覚えているのかもしれませんが、それが書くシーンでは出てこない。

 

 

彼はいつも「つい、うっかり」と言います。

とにかくケアレスミスが多いのです。

覚えていないわけではない。

 

 

なのに、書く時に違うことを書いてしまう。

それでも必死に練習させていました。

 

 

息子は、本当によく頑張ったと思います。

人の何倍も努力していました。

 

 

 

「うんうん、わかるよ、パソコンとスマホのおかげで文字を書かなくなって、読めるけど手書きで書けないことが増えたなぁ。」

と思ってらっしゃる方、居るかもしれません。

 

でも大人になって困っていない。

 

そうじゃないでしょうか?

 

 

目の悪い人は眼鏡をかけます。

そうすると黒板が見えるようになります。

「何故眼鏡をかけるのか」

「努力して見ろ」

と言う人はいないと思います。

 

 

それと同じことでした。

書くことが難しい。

だったら、パソコンやスマホを使えばいい。

 

 

仕事なら、会議中ホワイトボードに書いたものを

写真に撮ってシェアするなんて「合理的」な方法を取ることもある。

だったら子供もそうしちゃえばいい。

 

 

今の学校は、手書きももちろんありますが、タブレット端末は必須です。

パソコンはパソコン室などに新しい機種がありますが、殆どの生徒は自分用を持っています。

 

 

私も子どもたちにパソコンとiPadを持たせています。

課題をパワーポイントなどで提出することも多いからです。

 

 

板書が出来なくても授業の内容はメールや学校のポータルサイトで後から確認できます。

授業中手書きでノートを取ることはそれほど重視されていません。

 

 

板書が苦手なら写真を撮ればいい。

書くことが苦手ならタイピングが得意になればいい。

 

 

実を言うと、このタブレットを使う、というのは日本の新聞で見たことがあります。

発達障害児の保護者が、書くことが苦手な我が子のために

「合理的な配慮」として、授業でのiPad使用を求め

かなりの交渉の末に認められた、という事例でした。

 

 

しかし私は

「それで息子が出来るようになるかはわからない」

「今の学校で認めてもらえるかわからない」

と思い、学校と交渉することすらしませんでした。

 

 

いえ、本音は…

「努力を怠っていると思われてしまう」

という保身だったように思います。

 

 

息子の為を思えば、他人にどう思われようが構わないはずなのに

私には出来ませんでした。

 

 

学ぶ機会と環境を用意することが親の役目、と思いながら、出来ませんでした。

 

 

2016年4月に「障害者差別解消法」が施行され

一人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」を行うことが義務化されました。

そこにはタブレット端末の使用も例示されています。

今なら、出来るのかもしれません。

 

 

しかしやはり、私にはできないかもしれません。

交渉は避けて通れないでしょう。

合理的な配慮としてタブレットの持ち込みをお願いしたところ

教育委員会に断られた、という事例もあるそうです。

なんと言っても、「2016年施行」です。

…そうやって言い訳して、踏み出すこともしないかもしれません。

 

 

今の学校とは交渉していません。

もともとデジタルデバイスを積極的に導入している学校だったからです。

 

 

結果として、「学ぶ機会」が大幅に増えました。

 

 

覚えることも出来ない漢字の練習や、後で読み返すことも

出来ない字のノートを取っていた時間を

「考える」ことに使えるようになりました。

 

 

また、日本語よりシンプルな文字(アルファベット26文字)である英語は

彼を楽にしました。

彼は「日本語より、英語のほうが楽」と言っています。

 

 

今の学校を選んで本当に良かった、と感じています。

 

 

自分に出来ないなら、最初から希望の環境のところに移る。

言い訳のようですが、親にも当てはまると考えています。

  

今はようやく息子に環境を用意することが出来てきています。

 

 

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これはマレーシアの

インターナショナルスクールで 
長男がAEP Level1で表彰されている時の写真です。
AEPは、Advanced English Program
英語が母語でない生徒の為の追加英語クラスです。
 
プレゼンターはマレーシアが誇る
世界的デザイナーのジミー・チュウさんです。