こんにちは。

美帆です。

 

ADHDで偏差値35の息子がインター校で変わった話 ① 〜イントロダクション〜

の続きです。

 

 

 

夫の海外赴任で来たマレーシアで3人の子育てをしています。

 

私の長男は注意欠陥多動性障害、ADHDです。

 

 

3年前、中学1年時の偏差値は35。

 

2年前、そんな長男をマレーシアの

ブリティッシュ系全寮制インターナショナル・スクールへ入れました。

 

 

入学後、子供の変化より先に私自身の変化に気付きました。

 

 

入学後数カ月たったある日。

 

自分がすごく楽になったことに気が付きました。

 

イライラしていない。心穏やかに子供に接することができている。

 

 

なぜ???

 

 

 

…この学校に入って

 

私はまだ一度も学校に謝っていない!

 

 

入学面接の時にも「ADHDであること」は伝え、子供の調査票の特記事項にも書きました。

 

 

トラブルを起こしていないわけではない。

 

 

息子は環境変化に弱く、当初は時折パニックを起こしていました。

そんな時は、叫んだり酷いときには物に当たったりしてしまいます。

入学すぐは英語が出来なかったこともあり、疲れてパニックにもなりやすくなっていました。

 

 

ADHDの子供の特徴の一つでもある「衝動性」から来るものです。

声を荒げたりするのは良くない、と「知って」はいても

疲れたり感情が高ぶると衝動的に大声を出してしまうのです。

 

 

小さい子供で考えるとわかりやすいかもしれません。

普段はおとなしい子が疲れると泣く、ということと同じようなもの。

四六時中ギャーギャー泣いているわけではありませんし

コミュニケーションが取れないわけでもありません。

こういったことは年齢が上がるにつれ少しずつやらなくなるものですが

ADHDの子供はそのコントロールを習得するのに時間がかかります。

 

 

パニック以外でも

同じく英語力が低い英語補助クラスのクラスメート同士

ストレスが溜まったもの同士の喧嘩も多発。

 

 

最初は小声で喧嘩していても

アンガーコントロール(怒りのコントロール)が

未熟な息子はすぐに大声を出してしまう…

 

 

想定できるトラブルでした。

それらは子供を教える傍らハウスマスター(寮長)を

務める先生から逐次報告されていました。

日本の先生と同じです。

 

 

でも私はそれに

「一切」謝罪していないことに気付いたのでした。

 

 

何故謝らないのか。

 

 

「すみません」と言う言葉が謝罪の言葉であるだけでもなく潤滑油でもある日本と

そうではない外国、という違いはあるでしょう。

 

 

でもそれだけではなく

「全方向教育」を掲げた学校が、「社会性を教える」ことも

学校の役割として接してくれるから、ということが

最大の理由だと感じています。そして全寮制であるということ。

 

 

日本の学校は、何かトラブルが起きると

「ご家庭で言って頂いて…」と

学習外のことは基本的に家庭でやるもの、というのが前提です。

 

 

だから、それが出来ていない時

親は「すみません」と謝る。

 

 

親と学校は対立とは言わないまでも完全に別の立場です。

(この問題点はいつかまたまとめてみたいと考えています…)

 

 

ですが、今の学校は全寮制でそもそも親は休みにしか子供と会いません。

先生と子供の話をする時は「協力」関係であり

親が悪いという話には決してならない。

もちろん先生が悪いという話にもならない。

 

 

 

ここに至って、やっと私は

「親は子育ての専門家でも教育の専門家でも無い。だから一人で抱え込まなくていいんだ」

と思えました。

 

 

 

感情にまかせて大声を出さないようにコントロールすること

怒りをコントロールすることも社会に出る為にはとても大事

社会性は重要です。

 

「さぁ、学校と家でどうしましょうか」というスタンスで接してもらえる。

 

むしろ今では「休暇中はリラックスさせて。学校ではこれこれの取り組みをしてみます」というところでしょうか。

 

 

 

息子のことで謝って謝って、謝ることが多過ぎて

気付かないうちに心底ヘトヘトになっていた私を

この「謝らない」環境は少しずつ癒やしてくれました。

 

 

 

謝るというのは「自分が悪い」ということ。

 

 

言い続けることで親の自尊感情も損なわれていたことに今更気付いたのでした。

 

そして、それを見ている息子にも

「自分が悪い」という意識を植え付けていたのだと思います。

 

 

 

私が元気を取り戻した結果、息子との関係も徐々に改善していきました。

学校が休みで家に帰って来たときも、彼はリラックスしていて、私が何か叱責してしまってもただ謝るのではなく、反論をしてくるようになり、自信をつけているようでした。