立地コラム(23)“昼間人口”になぜこだわるのか?パート2
売上予測に使うデータなら商圏分析ソフト”統計てきめん2プレミア
イメージ図です

●立地コラム(1)手ぶらで現場を見に行く 1
●立地コラム(2)手ぶらで現場を見に行く 2
●立地コラム(3)手ぶらで現場を見に行く 3
●立地コラム(4)店は立地よりも、商圏だ
●立地コラム(5)セットバックした店は、長続きしない。だから工夫を。
●立地コラム(6)結局、物件というものは、どこかの撤退物件。
●立地コラム(7)物件探しで、重要なのは、利用者つまり住む者の利便性
●立地コラム(8)赤字の店1店舗出すことは、もう1店舗も犠牲になること
●立地コラム(9)人は、住んでいる場所によって他の人と似たような行動をする。
●立地コラム(10)看板を増やせば売上げも増えるか?
●立地コラム(11)マーケットの大きさを知る
●立地コラム(12)マーケット規模とは、『人口』のことではない
●立地コラム(13)商業統計は「繁盛度合い」のバロメーター
●立地コラム(14)商業統計を「人口」に変換する 立地コラム(15)看板増やして売上げが増えるかは、業種業態による
●立地コラム(16)マーケットの大きさを知る
●立地コラム(17)マーケット規模とは、「人口」のことではない 
●立地コラム(18)商業統計は「繁盛度合い」のバロメーター
●立地コラム(19)商業統計を「人口」に変換する  
●立地コラム(20)購買人口こそ、都市の本当の人口   
●立地コラム(21)ちょっと“商業統計”について オレンジジュリアス,ホワイトキャッスル,森永ラブ、ドムドム、100円バーガー
●立地コラム(22)立地分析で“昼間人口”はさほど重要な要素とはいえない理由

 

前回、「昼間人口にこだわる必要はない」という話しを書いた。
今回は、その反対の話しを書こう。
といっても、「昼間人口にこだわりなさい。昼間人口が多いほど良いですよ」
ということをいうのではない。それじゃ、まるで私は馬鹿だ。

今回は、
「昼間人口にこだわる必要はないが、それは、別の大きな意味がある」ということを知ってもらいたいと思う。

どんな別の意味があるか。
それを知るには、昼間人口の出し方、算出法を思い出す必要がある。
昼間人口は、次のような定義がある。
昼間人口=流入人口-流出人口
本来ならば、もし、この定義通りの意味ならば、昼間人口は、とても意味があり、こだわるだけの理由もある。
しかし、前回書いたように、いざ算出するとなると、流入人口には、街に買い物に来る人、遊びに来る人、気晴らしに来る人、観光に来る人、そういう一番大事な人達の数が入らない。
商売する人、店にとって、そういう流入こそ、もっとも大事な流入だ。
だから、そういう大事な人がカウントされていない昼間人口なんて、栄養分が抜けてしまっているから「糞(クソ)」といっしょだ(下品な表現で申し訳ないが、これが喩えとしてもっとも適切なのであえてこの表現をさせていただいた)。

しかし、糞には糞としての別の価値がある(少なくとも江戸時代には、商業的価値もあったようだ)ように、昼間人口も、少しは役に立つ。
栄養分(お金を使う人、使おうとしている人)が抜けているからこそ、栄養分以外の要素の大きさがわかる。つまり、お金を使わない人。お金をもっていってしまう人。お金を持っていない人。そういう人の数である。
主に、“勤め人”と“学生”である。

たとえば、テレビで何かというと街頭インタビューで使われる場所、「サラリーマン、オヤジの多くいる場所」で有名な“新橋”。
その新橋の昼間人口を調べると(*注)、半径1km圏内で、男女合計で375,200人である(2000年)。このほとんどが、“勤め人”である。

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“勤め人”と言っても、これは、新橋に住んでいる人ではなく、「流入」してくる人、通勤してくる人達である。
通勤してくる人達であるから、たいていの場合、夕方になれば、帰宅してしまうし、土曜、日曜、祭日は通勤してこない。
当たり前のことである。
ところが、ここに大きな問題がある。
新橋には、ほとんど人が住んでいない。同じ1kmの範囲で、8004人。

「いやあ、そんなに住んでいるでいるのですか?」と思う方もいるかもしれない。
では、同じ、東京都内のそんなに遠くない場所、例えば、月島なら、48071人。
また、錦糸町なら59764人、三ノ輪なら73691人である。
東京都内は、どこも人口密集地、過密地である。
そうしたところと比べたら、新橋は、1桁少ない。だから、新橋のこの数字は、「人がほとんど住んでいない」に近い。
極端な言い方だが、平日の夜間と土曜、日曜、祭日の新橋は、「ゴーストタウン」と化す。
でも、ほんとうにそうだから、日曜日にでも行ってみると良い。
冬場の晴れた日、寒空の下で、一陣の風が吹く。すると、くしゃくしゃになった新聞や枯葉が、人も車も通らない道路に舞い上がる。まるで、核戦争の恐怖を描いた映画“ザデイアフター”の一シーンでも見ているような錯覚を覚える。
時間が凍りつく街、ゴーストタウン、新橋。

「日曜になると『オバケ』だよ」と、店舗開発マンが言うことがある。一種の業界用語だが、この“オバケ”はこうしたことを指している。
オバケを相手に商売はできない。

まとめると、“昼間人口がひじょうに多い”ということは、“人口(住民の数)が少ない”ことと相俟って、ビジネスチャンス(商売する機会:この場合は「商売できる時間」)が少ないということを示している。
だから、
「昼間人口にこだわる必要はないが、その多すぎることには注意しなさい」
ということになる。
データを見て、昼間人口が人口(住民の数)よりも多いようなら、まずまず、よく調査してください。
店を出してしまってから「ちっとも良いことがない(売れない)」と嘆く前に。

(*注)商圏データ集計ソフト“統計てきめん2プレミア”にて算出。

 

 

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引用元:立地コラム(23)昼間人口にこだわる必要はないが、それは、別・・・