ヨルゴス・ランティモスの新作「哀れなるものたち」の試写会に行ってきました
近年、最も好きな映画監督の一人、ヨルゴス・ランティモスの新作「#哀れなるものたち」の試写会に行ってきました
独創的な幻想性を纏った映像と衣装と音楽の美的感覚が秀逸で感嘆の声が漏れるほど
18禁だけど、どこまでも純真なフェアリーテイル
眉毛の凛々しさがフリーダのよう
シニカルでコミカルな作風に拍車がかかり、子供のような純粋な視点からの社会風刺が、現実離れした現実として淡々と心に襲いかかる。
生きる喜びとは何かという根源的な問いが胸に突き刺さる青春映画なのかホラーなのか。
少女が次々出会う様々な大人の男達のエゴの渦の中で。
個人的には黒一色のゴス服がかなり好みで、巨大な黒ボタンがたまらなく可愛い。
ファッションも、この映画の大きな見どころ。
そして数々の風景のビジュアルコンセプトアートも。
誤解を恐れずに言うならば、アメリとアダルトビデオをフランケンシュタインのように無理矢理接合したようなキッチュさが、瀬戸際で美になっている映画。
実はほとんど中身のない純愛映画ではなく、根源的な社会風刺や人生哲学の示唆がある骨格が備わった上で、文字通り肉付けされている。