「DEVILMAN crybaby」を観た感想(ネタバレなし) ‐‐‐もっともっと生きよう。
「DEVILMAN crybaby」を観た感想(ネタバレなし)
まず、結論から言いますと、ひじょうに素晴らしい作品でした。
かなり泣きました。
テレビアニメ版の「デビルマン」よりも、
永井豪さんの原作漫画に近い内容となっており、
ひじょうに衝撃的なバイオレンス描写もあります。
ネットフィリックスのオリジナル作品、つまりウェブアニメですので、
ここまで過激な暴力シーンでも描き切ることができたのでしょう。
私は子供の頃にテレビアニメ版の「デビルマン」を再放送で観ていました。
原作漫画を読んだのは、10代後半か、20代前半かくらいのことです。
あまりにもテレビアニメ版と異なる内容で、壮絶な物語や絵に圧倒されてしまい、大変大きな衝撃を受けたものです。
誤解なきようお伝えいたしますと、ただの暴力漫画や暴力アニメでは決してありません。ひじょうに深い、人間や人間社会の心理を追求した、愛と憎悪が爆発する極限の問題作です。今回の「DEVILMAN crybaby」は、原作の熱量を維持し、見事なまでに昇華していました。
とはいえ、今回の「DEVILMAN crybaby」は、原作にまったく忠実なわけではなく、オリジナルの要素も加わっており、21世紀の今観て違和感のないよう、ネット社会の闇の表現だったり、スマートフォンがキーアイテムになっていたりと、ラップバドルブームにはまっている若者たちだったりと、時代に合わせた作りになっていて、それがプラスにはたらいていました。
ラップがとても気持ちよく、アニメーションの動きや色とシンクロしていました。音楽全般も心地いいもので、テレビアニメ版「デビルマン」主題歌のアレンジ曲も挿入歌として用いられておりましたが21世紀の今聴いても最高でした。
9話のエンディング曲だけが特別に、異なる曲になっているのですが、またそれがよくて、涙がとまりませんでした・・・ 作者は「卓球と旅人」と書かれていますが、まあ音を聴けばすぐにわかりますが、電気グルーブさんと、七尾旅人さんですね。私はずっぽり、どちらも最も輝いていた時代に青春時代を過ごした世代ですので、よけいに嬉しかったです。
サントラも買いたいぐらいです。
脚本的な要素としてオリジナルの要素は、主人公やヒロイン達が、陸上競技を行っていて、その青春劇の要素が今風で、これが無理なく見事にマッチして、現実感と非現実感を結ぶ役割を担っていました。かなり壮大なフィクションである上に、かなりクラシカルな作品ですからね。ひじょうに見事に現代に蘇らせています。
まあオシャレでした。絵も、演出も、アニメーションの動きも、音楽も。
監督の湯浅政明ワールド炸裂で、ちゃんとオリジナルの作品になっています。それでいて、原作を見事に昇華しているという。
ロビン西さんの「マインドゲーム」を映画化された時も、最高でした。あの時からずっと湯浅政明さんのファンです。
それよりも前に「音響生命体ノイズマン」という伝説的なアニメがありまして、まあ90年代当時入手困難でね。かなり高額なプレミア価値がついていました。
当時、私が最も好きだったアニメ監督の森本晃司さんの作品ですが、湯浅政明さんがキャラクターデザイン・設定デザイン・作画監督を担当されています。
湯浅政明さんの
「ジーニアス・パーティ」
「ピンポン THE ANIMATION」
も観ておりますが、松本大洋さんの漫画「ピンポン」をこれまた見事にアニメ化されておりました。
今や、以下のような経歴を持つ、世界のアニメーションの歴史上に名をはせる、事実上の日本のトップの長篇アニメーション映画監督と言って、過言でない人物までにのぼりつめています。
アヌシー国際アニメーション映画祭で日本人三人目となる長篇部門グランプリ受賞。しかも、宮崎駿さん、高畑勲さんに次いでですからね。アヌシーは世界最高峰の国際アニメーション映画祭です。
さらに、日本人初、オタワ国際アニメーション映画祭長篇部門グランプリ受賞。世界三大国際アニメーション映画祭の一つです。
去年、二本の長篇アニメが公開
「夜は短し歩けよ乙女」
「夜明け告げるルーのうた」
この二作品がアヌシーやオタワなど、世界の数々の高名な映画祭で讃えられました。
私はまだどちらも未見なので、観るのが楽しみです♪♪
最後に
「DEVILMAN crybaby」に話を戻します。
全10話のストーリーとなっているのですが、
神回と言われているのが9話です。
原作の漫画でも、一番衝撃的だったパートが網羅されているエピソードです。よく、あのシーンを、ウェブアニメとはいえ、作ることのOKが出たなと。。。よくぞあそこまで描き切ってくれたなと。。。
この作品を観て、私が感じたことは、
もっともっと強くなって、
もっともっと生きよう。
でした。
毎日のように、
死にたい死にたいと思っている私がです・・・
もっともっと強くなって、
もっともっと生きよう。
そこまで気持ちを動かされる傑作です。
「マインドゲーム」を観たときも、そう感じさせてもらったんですよね。
多分、それが湯浅政明さんの全体に流れるスピリットであり、テーマなんでしょうね。
尊敬してやみません。