米国ストップモーション専門誌船本恵太インタビュー完全翻訳記事公開!
アメリカのストップモーションアニメ専門誌である「ストップモーションマガジン第10号 日本特集号」に、掲載されている私のインタビュー記事を、日本語に翻訳したものを掲載いたします。インタビューの通訳の兼ね合いから、間違った内容になってしまっていたところに、修正も施しました。翻訳にご協力くださった皆様に感謝いたします。
なお、原文のオンラインマガジンは、こちらで無料で読むことが出来ます。写真はこちらをご覧いただいて、楽しんでいただけたらと思います。この雑誌は、紙媒体として発売もされています。
http://stopmotionmagazine.com/wp-content/uploads/2011/11/February-2011-Issue.pdf
船本恵太のストップモーションへの愛は、アートをもっと良いものにしようとしている人間にとって大変勇気づけられ、安心できるものだ。他と比べて物価がバカ高く、現地語でその道のプロのアドバイスもまともに受けられない環境で、彼は神秘的で魅惑的なストップモーションの世界へ恐れず頭から飛び込み自分の道を切り開いてきた。
そしてこの10年、素晴らしい数々の功績を残している。
コマーシャル、テレビ、映画の分野で映像作品を作り、その傍らでストップモーションの教室を東京で開校している。
恵太の家族は、東京で長くレコーディングスタジオを経営している。彼の妻と球体関節人形の教室を開き、その世界では広く知られている。つまり、恵太のストップモーションへの情熱はそういった環境で培われたものなのだ。
恵太のストップモーションの教室とスタジオは、口コミで評判が広がり、彼の芸術表現と知識は、豊富なアートの歴史を持つ日本で学び技術を磨かんとする者たちを惹きつける。
我々は恵太に会い、彼のストップモーションの世界をもう少し知るために彼の好きなこと、プロジェクトについて伺った。
SMM:アニメを始めたのはいつですか?
恵太:クエイ兄弟とシュワンクマイエルの影響で、30才からです。初めは、絵ではなく人形を使ったフラッシュアニメを作ってました。最初の作品は、ショックウェーブのコンテストに入選しています。翌年の2004年に日本の陶器でできた人形を使ってフラッシュアニメを作り、アヌシーとオタワ国際アニメーション映画祭等に入選しました。作品はフランスやカナダ等で上映されました。3つ目の作品は「WORKU」というストップモーションアニメです。
SMM:「WORKU」はいかにして出来たのでしょう?
恵太:デザインフェスタでアーティストを探したり、アートギャラリーを巡ってチームとなるメンバーを探しました。そこでコバヤシマサヒデ氏の人形を見て、彼にコラボレーションの話を持ちかけたのです。
SMM:これまでの経歴、過程等は?
恵太:独学で学びました。しかし私は人形は作れません。人形はコバヤシ氏が作りました。コバヤシ氏は8ミリカメラを使って個人作品も作っていたので、彼からはたくさん学ぶ事がありました。それと、昼間行雄氏の「Fantastic Animation Making Guide」を読みました。
SMM:ストップモーションはあなたの人生の一部ですか?ごく自然な事?
恵太:映画が大好きで、若いころから年間200~300本見てます。最初は映画が作りたかったんです。それがどうしてストップモーションになったのかわかりません。人形が好きで、多分それが理由です。
SMM: あなたの奥さまは球体関節人形を作ってますよね?球体関節人形で今までにどんなものを作ったか、それと今後のプランなど聞かせてください。
恵太:今までに球体関節人形を使ったストップモーションアニメは2作品あります。ユーチューブで探せます。初めの球体関節人形ストップモーションは、SHIN氏の作った球体関節人形を使った自主制作の作品です。2つ目は資生堂のマジョリカマジョルカのコマーシャル映像です。球体関節人形は柴倉一二三氏が作りました。人形のサイズは25cmくらいです。
SMM:次のプロジェクトについて教えていただけますか。
恵太:3D立体視のストップモーションアニメで、日本では初となります。試行錯誤が必要ですが、3か月くらいで終わればいいなと思ってます。独学で勉強してる時に、川村徹雄氏に出会い、色々と教えていただきました。3D立体視に関して豊富知識と技術を持つ人物です。彼はアーマチュア(人形の骨組みとなる金属関節のこと)のエンジニアでもあります。彼が開発した球体関節人形用のアーマチュアが、資生堂マジョリカマジョルカのコマーシャル映像に使われています。世界初の技術なんです。
SMM:それからストップモーションアニメを教えてもいますよね。どうして教えようと思ったのですか?
恵太:ストップモーションアニメを学ぶ場がとても限られてると感じたのです。勉強、実践する場がなかったので教室を作りました。初めは西武池袋コミュニティカレッジで講師として半年間教えました。そこにイシイトシカズという生徒がいました。彼はのちに私の教室の講師となりました。西武池袋コミュニティカレッジには40人ほどの生徒がいました。彼らに川村徹雄氏のアーマチュアのキットを用いて人形を作らせました。イシイトシカズ氏は、「映像+」創刊号に掲載されている川村徹雄氏によるアーマチュアの作り方の記事を読み、キットではなく、なんと自分で一からアーマチュアを作って授業に持ってきたんです。
私はネットでオカダシゲル氏にのウェブサイトに掲載されているストップモーションアニメの作り方の記事からも学びました。さらに、「映像+」創刊号に40ページにも渡り、オカダシゲル氏によるストップモーションアニメの作り方が事細かに載っており、そこからも学びました。今ではその雑誌はeベイで80ドルの値がつけられています。
その後、私達はストップモーションアニメの作り方の本を出版いたしました。「Adobe Premiere Pro ・ After Effects でクレイアニメ&人形アニメを作ろう!」(オカダシゲル、川村徹雄、小林 正和、船本恵太著)3800円(およそ40ドル)
SMM:本の中にフォームラテックスでできたイモムシが載ってました。あれにはどんなフォームを使ったのですか?
恵太:レヂテックスという、日本製のフォームラテックスで、東急ハンズで販売されています。アメリカ製とはだいぶ質が異なります。
SMM:プロジェクトをいくつも抱えてますよね?今現在いくつあるのですか?
恵太:「WORKU」、コマーシャル、林美登利氏との「Leaf」、Noe氏との3D立体視作品。4~5つの進行中のものと、企画段階のプロジェクトが2つあります。(※その後、林美登利氏との作品と、Noe氏との作品のプロジェクトは頓挫しました。)
SMM: 「WORKU」はいくつのエピソードを予定してますか?
恵太:全部で5つのエピソードがあります。撮影と映像編集が終わり、今は効果音のサウンドエディット中です。音楽は終わっています。
SMM: 「WORKU」では頭部の置き換え撮影を行っていますか?
恵太:はい。約20分間の最初の2つのエピソードでは使いました。エピソード3~5には使っていません。
SMM:どんな機材を使ってるんですか?
恵太:撮影にCanon EOS KISS X2。ソフトは Stop Motion Pro, Photo Shop, Premiere Pro とAfter Effectsです。
SMM:尊敬する人物は誰ですか?
恵太:川村徹雄氏です。氏のおかげで今の自分があります。
このインタビューは、編集長のジョン・イクマ氏が来日時に、私のスタジオに訪れて取材を受けたものです。通訳は、ミヤケアツコさんと、ロシア人声優のジーニャさんが担当してくださいました。
ジョンとはすっかり仲良くなり、私の自宅にも泊まっていきました。ドワーフスタジオへの取材時には、急きょ私が通訳として同行をしています。
さらに、ピグマリオンでの吉田良先生の取材のアポを私がとり、やはり通訳として同行もしています。本当は、ジョンの奥さんが通訳をする予定だったのですが、それが諸事情によって無理となり、私が代行をかってでたという次第です。
なお、マガリ事務所への取材時の通訳は、ミヤケアツコさんが代行しています。
どれも大変貴重なインタビュー内容で、ぜひとも誰かに翻訳してもらえたらなと願っています。私の英語力ではとても無理だから。
ストップモーションの専門誌における日本特集なのに、球体関節人形の人形作家の大家である吉田良先生のインタビュー記事が掲載されていることが不思議だと思います。なぜならば、ジョンは吉田先生の著書「吉田式」を持っており、球体関節人形を用いたストップモーションアニメを自主制作している途上にありました。また、私がパラボリカ・ビスやマリアの心臓等に彼を連れていったことも大きな要因です。もし可能だとしたら、吉田先生に取材したい?と私から投げかけました。彼はとても吉田先生のことを尊敬していたので、非常に喜んでいました。吉田先生は、とても気さくにご対応くださいまして、私自身も大変勉強になり、お話をお伺いできて心から嬉しかったです。私からもいくつか、質問をさせてもらっています。
ちなみに、彼はマリアの心臓で佐吉さんにも取材をしたがったのですが、残念ながら日本滞在の日数の限界からスケジュールに折り合いがつかず、実現には至りませんでした。
なお、観光で、築地の市場や、清澄白川庭園や、江戸前天ぷらの老舗つな八などにもジョンを連れていっています。彼はとても素晴らしい大切な友人です。
なお、原文のオンラインマガジンは、こちらで無料で読むことが出来ます。写真はこちらをご覧いただいて、楽しんでいただけたらと思います。この雑誌は、紙媒体として発売もされています。
http://stopmotionmagazine.com/wp-content/uploads/2011/11/February-2011-Issue.pdf
船本恵太のストップモーションへの愛は、アートをもっと良いものにしようとしている人間にとって大変勇気づけられ、安心できるものだ。他と比べて物価がバカ高く、現地語でその道のプロのアドバイスもまともに受けられない環境で、彼は神秘的で魅惑的なストップモーションの世界へ恐れず頭から飛び込み自分の道を切り開いてきた。
そしてこの10年、素晴らしい数々の功績を残している。
コマーシャル、テレビ、映画の分野で映像作品を作り、その傍らでストップモーションの教室を東京で開校している。
恵太の家族は、東京で長くレコーディングスタジオを経営している。彼の妻と球体関節人形の教室を開き、その世界では広く知られている。つまり、恵太のストップモーションへの情熱はそういった環境で培われたものなのだ。
恵太のストップモーションの教室とスタジオは、口コミで評判が広がり、彼の芸術表現と知識は、豊富なアートの歴史を持つ日本で学び技術を磨かんとする者たちを惹きつける。
我々は恵太に会い、彼のストップモーションの世界をもう少し知るために彼の好きなこと、プロジェクトについて伺った。
SMM:アニメを始めたのはいつですか?
恵太:クエイ兄弟とシュワンクマイエルの影響で、30才からです。初めは、絵ではなく人形を使ったフラッシュアニメを作ってました。最初の作品は、ショックウェーブのコンテストに入選しています。翌年の2004年に日本の陶器でできた人形を使ってフラッシュアニメを作り、アヌシーとオタワ国際アニメーション映画祭等に入選しました。作品はフランスやカナダ等で上映されました。3つ目の作品は「WORKU」というストップモーションアニメです。
SMM:「WORKU」はいかにして出来たのでしょう?
恵太:デザインフェスタでアーティストを探したり、アートギャラリーを巡ってチームとなるメンバーを探しました。そこでコバヤシマサヒデ氏の人形を見て、彼にコラボレーションの話を持ちかけたのです。
SMM:これまでの経歴、過程等は?
恵太:独学で学びました。しかし私は人形は作れません。人形はコバヤシ氏が作りました。コバヤシ氏は8ミリカメラを使って個人作品も作っていたので、彼からはたくさん学ぶ事がありました。それと、昼間行雄氏の「Fantastic Animation Making Guide」を読みました。
SMM:ストップモーションはあなたの人生の一部ですか?ごく自然な事?
恵太:映画が大好きで、若いころから年間200~300本見てます。最初は映画が作りたかったんです。それがどうしてストップモーションになったのかわかりません。人形が好きで、多分それが理由です。
SMM: あなたの奥さまは球体関節人形を作ってますよね?球体関節人形で今までにどんなものを作ったか、それと今後のプランなど聞かせてください。
恵太:今までに球体関節人形を使ったストップモーションアニメは2作品あります。ユーチューブで探せます。初めの球体関節人形ストップモーションは、SHIN氏の作った球体関節人形を使った自主制作の作品です。2つ目は資生堂のマジョリカマジョルカのコマーシャル映像です。球体関節人形は柴倉一二三氏が作りました。人形のサイズは25cmくらいです。
SMM:次のプロジェクトについて教えていただけますか。
恵太:3D立体視のストップモーションアニメで、日本では初となります。試行錯誤が必要ですが、3か月くらいで終わればいいなと思ってます。独学で勉強してる時に、川村徹雄氏に出会い、色々と教えていただきました。3D立体視に関して豊富知識と技術を持つ人物です。彼はアーマチュア(人形の骨組みとなる金属関節のこと)のエンジニアでもあります。彼が開発した球体関節人形用のアーマチュアが、資生堂マジョリカマジョルカのコマーシャル映像に使われています。世界初の技術なんです。
SMM:それからストップモーションアニメを教えてもいますよね。どうして教えようと思ったのですか?
恵太:ストップモーションアニメを学ぶ場がとても限られてると感じたのです。勉強、実践する場がなかったので教室を作りました。初めは西武池袋コミュニティカレッジで講師として半年間教えました。そこにイシイトシカズという生徒がいました。彼はのちに私の教室の講師となりました。西武池袋コミュニティカレッジには40人ほどの生徒がいました。彼らに川村徹雄氏のアーマチュアのキットを用いて人形を作らせました。イシイトシカズ氏は、「映像+」創刊号に掲載されている川村徹雄氏によるアーマチュアの作り方の記事を読み、キットではなく、なんと自分で一からアーマチュアを作って授業に持ってきたんです。
私はネットでオカダシゲル氏にのウェブサイトに掲載されているストップモーションアニメの作り方の記事からも学びました。さらに、「映像+」創刊号に40ページにも渡り、オカダシゲル氏によるストップモーションアニメの作り方が事細かに載っており、そこからも学びました。今ではその雑誌はeベイで80ドルの値がつけられています。
その後、私達はストップモーションアニメの作り方の本を出版いたしました。「Adobe Premiere Pro ・ After Effects でクレイアニメ&人形アニメを作ろう!」(オカダシゲル、川村徹雄、小林 正和、船本恵太著)3800円(およそ40ドル)
SMM:本の中にフォームラテックスでできたイモムシが載ってました。あれにはどんなフォームを使ったのですか?
恵太:レヂテックスという、日本製のフォームラテックスで、東急ハンズで販売されています。アメリカ製とはだいぶ質が異なります。
SMM:プロジェクトをいくつも抱えてますよね?今現在いくつあるのですか?
恵太:「WORKU」、コマーシャル、林美登利氏との「Leaf」、Noe氏との3D立体視作品。4~5つの進行中のものと、企画段階のプロジェクトが2つあります。(※その後、林美登利氏との作品と、Noe氏との作品のプロジェクトは頓挫しました。)
SMM: 「WORKU」はいくつのエピソードを予定してますか?
恵太:全部で5つのエピソードがあります。撮影と映像編集が終わり、今は効果音のサウンドエディット中です。音楽は終わっています。
SMM: 「WORKU」では頭部の置き換え撮影を行っていますか?
恵太:はい。約20分間の最初の2つのエピソードでは使いました。エピソード3~5には使っていません。
SMM:どんな機材を使ってるんですか?
恵太:撮影にCanon EOS KISS X2。ソフトは Stop Motion Pro, Photo Shop, Premiere Pro とAfter Effectsです。
SMM:尊敬する人物は誰ですか?
恵太:川村徹雄氏です。氏のおかげで今の自分があります。
このインタビューは、編集長のジョン・イクマ氏が来日時に、私のスタジオに訪れて取材を受けたものです。通訳は、ミヤケアツコさんと、ロシア人声優のジーニャさんが担当してくださいました。
ジョンとはすっかり仲良くなり、私の自宅にも泊まっていきました。ドワーフスタジオへの取材時には、急きょ私が通訳として同行をしています。
さらに、ピグマリオンでの吉田良先生の取材のアポを私がとり、やはり通訳として同行もしています。本当は、ジョンの奥さんが通訳をする予定だったのですが、それが諸事情によって無理となり、私が代行をかってでたという次第です。
なお、マガリ事務所への取材時の通訳は、ミヤケアツコさんが代行しています。
どれも大変貴重なインタビュー内容で、ぜひとも誰かに翻訳してもらえたらなと願っています。私の英語力ではとても無理だから。
ストップモーションの専門誌における日本特集なのに、球体関節人形の人形作家の大家である吉田良先生のインタビュー記事が掲載されていることが不思議だと思います。なぜならば、ジョンは吉田先生の著書「吉田式」を持っており、球体関節人形を用いたストップモーションアニメを自主制作している途上にありました。また、私がパラボリカ・ビスやマリアの心臓等に彼を連れていったことも大きな要因です。もし可能だとしたら、吉田先生に取材したい?と私から投げかけました。彼はとても吉田先生のことを尊敬していたので、非常に喜んでいました。吉田先生は、とても気さくにご対応くださいまして、私自身も大変勉強になり、お話をお伺いできて心から嬉しかったです。私からもいくつか、質問をさせてもらっています。
ちなみに、彼はマリアの心臓で佐吉さんにも取材をしたがったのですが、残念ながら日本滞在の日数の限界からスケジュールに折り合いがつかず、実現には至りませんでした。
なお、観光で、築地の市場や、清澄白川庭園や、江戸前天ぷらの老舗つな八などにもジョンを連れていっています。彼はとても素晴らしい大切な友人です。