昨年の夏、軽井沢に行きました。
試験が終わって、自己採点したら絶望的な結果。
もうなんというか・・・やりきれなくなって、アパートの部屋にいられなくなったのです。
すぐにレンタカーを借りて、ハンドルを握りました。
とにかく関越にのって北に向かおう。と。
最初は一度も行ったことのない場所に行こうと思っていたのだけど、川越を過ぎたあたりから雨が降り出したんだ。
そしたら霧に包まれた軽井沢がまぶたの裏に急に浮かんだんです。
ああ、霧の中でずぶ濡れになったら気持ちいいだろうな・・・。
そう思って信越にハンドルを切りました。
実は台風が近づいていたこともあり、道路は比較的すいていて、軽井沢に着いてからも混雑に巻き込まれることはまったくありませんでした。
目的地はあるお店。
ジョンレノンが通っていたカフェ・・・のすぐ近くにある別のカフェ。
季節限定で営業をしているカフェで、店内はいつもエンヤの曲が流れてる。
初老のご夫婦がおいしい紅茶とパイを提供してくれるんだ。
小さなお店だけど、天井が高くて部屋に大きな窓がある。その窓際のテーブル席からは手入れの行き届いた庭を眺めることができる。
店内には奥さんが作った手芸品が並んでいて、なんともいえない暖かい空間になっている。
そういうお店。
まずはここで紅茶を飲みながらアップルパイを食べようと思った。
なぜなら軽井沢に着くと、雨があがって霧が晴れてしまったから。
霧の中を散歩する計画は、この時点で一時待機となってしまったのだ。
このお店、何年かに一度しか行かないのに、いつ行っても同じ空間なのが不思議だ。
初めて行ったのは・・・20年近く前になるというのに。
そんなことを考えながら、やってなかったらどうしようか。という一抹の不安を抱えながらそのカフェに到着すると・・・やってました。
お客さんは一人もいなくて、でもやさしい笑顔で奥さんが出迎えてくれました。
おいしい紅茶とアップルパイがテーブルに並ぶころには、このお店の世界の住人になってしまっています。
なにも考えない時間はなにもしないから訪れるのではないのですよね。
こうしてある条件が揃うと、なにもしない、なにも考えない時間の扉が開く。
ただただ窓の外を眺め、エンヤの曲が音楽ではなくなって風景になってきたころ、窓の外に雨がちらつき始めた。
急に現実に引き戻されました。
気づけば霧も出てきていました。
さあ、行こうか!!
わけのわからない意気込みを胸に秘め、最高に居心地のいい空間から外に出ました。
写真はそのときのもの。
車に乗り込む前の景色。
この写真を見ると、緑と水のにおいが鼻腔の奥によみがえります。
さて、長くなってしまったので、霧の中の散歩の話は次に書きます。
