五香店の向かいにある安藤薬局のおじさん。
私は密かに尊敬している。もう、かなりのお年だ。
まだ、薬局は夜遅くやっていなかった時代、あそこは遅くまで電気をコウコウとつけてやっていた。
締まっていても、インターフォンを押せば必ず応対してくれた。
しかも年中無休だ。
先日、奥さんと、おじさんと私とでその当時の話をしていた。
「私もずいぶんと世話になったし、心強かったんですよ」
私が言うと、奥さんが、
「でも、、ねえ、一日くらい休んでもいいと思うんですよ。先生のところもお休みあるでしょ?」
「はあ、ローテーションで、、私は毎週火曜日にお休みもらってますけど、、」
「でしょ、!、じゃないとねえ、、この人全然言う事聞かないんですよ」
「・・・・・・」
おじさんは黙っていたが、言いたい事は何となく分かって、私は少し恥ずかしかった。
今ですら、シャッター通りと言われるあの通りで、遅くまで電気が付いている。
おじさんは、男である。