佐藤愛子の心霊エッセイを読む。50歳からいろんな経験をしたとか。コナンドイルの晩年と似ているなあと思う。でも、切り口は相変わらずユニークで面白く読めた。この前、久しぶりに金縛りに。経験した人には、どう考えても
心霊現象なんだけど、科学的に説明したがる
人はレム睡眠がどうのこうのと言いたがる。
もう、好きにしたらとしか言いようがないけど。
僕の最初の経験は12歳の時に経験した洗濯
幽霊だが、佐藤愛子も全く同じ経験をしているのがおかしい。
実家の窓拭きをする。父がすこし物忘れが
ひどいらしい。2万円をゴミ箱に捨てていたとか。拾いたい。
原作本を読み終えました。もうすこし主人公の
性格描写を深くして欲しいと思ったけど
物語としてとても読みやすいと感じました。
それに、原作者が脚本も書いたということで、
本と映画との間にはあまり隔たりがないということも
感じました。

しかし、やはり疑問はありますね。まず殺された
女性なんだけど、これは原作ではさらに詳しく
書かれていて、出会い系ではっきりと売春をしている
という設定なんですよね。それも複数のそして不特定の
相手と、ということです。ということは高校を出て
何年もしないうちに、売春婦になった女だということ
ですよね。それに対して、ただ不憫だという感情しか
持たない父親というのは、正直不気味です。映画で見た
以上に、変だと思いました。

ただね。映画評でも見かけたんだけど、柄本明の
嘆きや怒りに共感して、その部分の場面が良いという
人が多いのです。でも、映画としてだけでなくて
その辺の整理が原作本でも出来ていないというのは
問題だと思いましたよ。そしてそれはやはり作者としては
きちんと自分の考えを書くべきでしょうね。もし、それは
それで(娘が売春婦だったのはおいといて)娘が可愛いから
大学生が憎いんだということが直につながっていることを
作者が是認しているのなら、僕はその考えにはついて
いけないと思いました。若い作者なのですかね。援助交際
が売春ではないという容認、あるいは仕事をちゃんとして
いれば金をもらって見知らぬ男性に体を売ってもそれは
売春婦じゃないというような容認が作者の気持の中には
すこしはあるのかなとも思いました。もしそうならそれは
間違いです。

僕自身は、そこはけっこう大事なポイントだと思って
いるんです。これは現実社会の話で、この前問題になった
けったいなサイコロを転がして生徒に罰則を与えていた
変態教師がいたじゃないですか。その会見でものすごく
違和感を感じたのは、校長だか教育委員会だかが
「生徒の大半は喜んでいた」と発言したことなんです。
問題なのはまさにそこなのに、それをさらっと見過ごしては
あんたの価値なんかないじゃないかと思いましたね。

それと同じことをやはり吉田修一にも言いたいです。
両親が精魂こめて育てた娘が、高校を出て2、3年で
平気で体を売ることと、親が子供を可愛がることとが
どんな糸でつながっているのか、そしてどの部分が
切れているのか、それを書くのが作家じゃないですかと
いうことですね。

だから、読後感じたのは、映画の主役の二人の演技が
素晴らしいものだったということなんですよね。特に
深津絵里は良かったです。それと妻夫木君が最後に
深津絵里の首を絞めるところの狂気の目。それについても
感想はあるけど長すぎるのでこのへんにしておきます。

 [編集 ][削除

まず、非常に立派な作品だと思ったということを
断わっておきたい。特に深津絵里の演技は素晴らしいし
モントリオールで主演女優賞をもらったことを素直に
喜びたい。

だから、僕の感じた疑問というのは、この映画の
中に登場する人物においての性格設定に関しての
疑問で、それが今の時代だといってしまえばそれも
そうなのだが、まあ爺さまの繰言だと思ってくれたら。

まず、殺される女性が悪でありすぎる。ネットで知り合った
男性を友人に語るときに、ただのセックスの対象と述べる
だけでなくて、その仕事を馬鹿にしてその性格もあしざまに
ののしる。おまけに何度か会ううちに相手に金を要求する。
殺される直前にわけのわからない脅迫めいたことを言うのも
非常に感じが悪い。金をもらえば売春だ。それでいて
金持ちの息子には(にんにく臭い息をしたまま)言い寄る。
岡田将生の大学生は嫌なやつだが、「お前といると
いらいらしてくる」と女を罵倒する場面では共感した。
こんな女は僕だってどんな状況でもごめんだ。

あまりにも嫌な女であるために、柄本明の慨嘆が素直に
伝わらない。あまりにも悪なのだ。
妻夫木君の性格も、携帯で裸体を撮影したりして、どうも
怪しいのだが、途中やたら純情だったので、何なんだと
心配していたのだが、最後に深津絵里の首を思い切り絞めたのでやっと悪人らしくなった。「ブーベの恋人」で終わるのではと心配したんだよ。

しかし、こんなに簡単に寝ていいのかなと思うでしょ。
思わない?メールを交換したといっても、せいぜいこの
サイトのミニメールを数回交換したくらいのものでしょう。
それで会って、食事にもいかないでいきなり後背位でさせ
るかねえ。その理由が、ずっと寂しくて真面目に相手を
お互いに探していたから・・・ではそれこそ寂しい。

全然知らない相手といきなりホテルに行ったことも
ありますよ。若いときには。でもそんなのはただの
交合。心のひだには何も残らない。
最近一番ショックだったものの一つに、話題の木嶋
容疑者と最後に同棲した男の人のテレビインタビューの
コメントがある。
その二人は出会い系で知り合ってすぐに同棲しているのだ。
まずそのお手軽さが泣かせる。

さらに「デブで気に入らなかったけどまあしょうがない
と思って」彼は同棲を決めたのだ。犬飼うんじゃないんだよ。
この軽薄さと、男女間ですぐ金を出すという風潮はリンク
しているような気がするなあ。普通は金を貸してくれとか
いう話が出たら、その関係はもう終わりでしょう。僕は
貸し借りとかしたことはないけど、どんなに好きでも
そんなニュアンスが出るだけで絶対に覚めてしまうと思う。
こちらも絶対にそんなことはかけらも言わないし。
そういう爺さまの常識が通用しない時代の映画なのかなと
ふと思ったりもした。