まず、非常に立派な作品だと思ったということを
断わっておきたい。特に深津絵里の演技は素晴らしいし
モントリオールで主演女優賞をもらったことを素直に
喜びたい。
だから、僕の感じた疑問というのは、この映画の
中に登場する人物においての性格設定に関しての
疑問で、それが今の時代だといってしまえばそれも
そうなのだが、まあ爺さまの繰言だと思ってくれたら。
まず、殺される女性が悪でありすぎる。ネットで知り合った
男性を友人に語るときに、ただのセックスの対象と述べる
だけでなくて、その仕事を馬鹿にしてその性格もあしざまに
ののしる。おまけに何度か会ううちに相手に金を要求する。
殺される直前にわけのわからない脅迫めいたことを言うのも
非常に感じが悪い。金をもらえば売春だ。それでいて
金持ちの息子には(にんにく臭い息をしたまま)言い寄る。
岡田将生の大学生は嫌なやつだが、「お前といると
いらいらしてくる」と女を罵倒する場面では共感した。
こんな女は僕だってどんな状況でもごめんだ。
あまりにも嫌な女であるために、柄本明の慨嘆が素直に
伝わらない。あまりにも悪なのだ。
妻夫木君の性格も、携帯で裸体を撮影したりして、どうも
怪しいのだが、途中やたら純情だったので、何なんだと
心配していたのだが、最後に深津絵里の首を思い切り絞めたのでやっと悪人らしくなった。「ブーベの恋人」で終わるのではと心配したんだよ。
しかし、こんなに簡単に寝ていいのかなと思うでしょ。
思わない?メールを交換したといっても、せいぜいこの
サイトのミニメールを数回交換したくらいのものでしょう。
それで会って、食事にもいかないでいきなり後背位でさせ
るかねえ。その理由が、ずっと寂しくて真面目に相手を
お互いに探していたから・・・ではそれこそ寂しい。
全然知らない相手といきなりホテルに行ったことも
ありますよ。若いときには。でもそんなのはただの
交合。心のひだには何も残らない。
最近一番ショックだったものの一つに、話題の木嶋
容疑者と最後に同棲した男の人のテレビインタビューの
コメントがある。
その二人は出会い系で知り合ってすぐに同棲しているのだ。
まずそのお手軽さが泣かせる。
さらに「デブで気に入らなかったけどまあしょうがない
と思って」彼は同棲を決めたのだ。犬飼うんじゃないんだよ。
この軽薄さと、男女間ですぐ金を出すという風潮はリンク
しているような気がするなあ。普通は金を貸してくれとか
いう話が出たら、その関係はもう終わりでしょう。僕は
貸し借りとかしたことはないけど、どんなに好きでも
そんなニュアンスが出るだけで絶対に覚めてしまうと思う。
こちらも絶対にそんなことはかけらも言わないし。
そういう爺さまの常識が通用しない時代の映画なのかなと
ふと思ったりもした。