テレビのバラエティ番組で、大きなウォーター
スライダーのCMに出てくださいと嘘を言われて
何度も何度も繰り返してそのスライダーに
乗り、最後にコマーシャルの文言を叫ぶという
ことをさせられているタレントを見た。

やらせの番組だから、偽のディレクターが
適当にいちゃもんをつけて何度もやらせるのだが
もともと気の良さそうなタレントを選んでいるので
怒りもしないで繰り返している。
「水着が卑猥だ」なんていうとんでもないいちゃもんにも
「そうだと思っていたんですよ」と言いながら
着替えるという人の良さだ。

思ったのだが、こういう人はやはり幸福な人なんだ
と思う。普通の社会でも、そういう気の良い人は
いくらでもいるし、たしかに保証人になったりして
損をすることもあるんだろうけど、いざ、自分の
人生の中で印象に残っている人というのは大概は
そういう何事も引き受ける気の良い人のことで、
利に敏い人のことなど誰も思い出しはしないのだ。
人の記憶に残るというのは幸福な人生であるに
決まっている。

僕も駄目でしたね。若い頃。部屋に遊びに来ないと
言われると、断るのは悪いような気がして行く。
風呂入る?と聞かれれば悪いような気がして
入る。泊まって行くと聞かれると断わりきれずに
泊まる。隣で寝ないと言われると不本意ながら
寝てしまう。本当に気の良い男でした。