いつだったか、もうずいぶん前だったと思いますが、神田神保町の古本屋(正確には、倉庫のようなところでの処分市)でたまたまこの本を購入しました。
なにげなく買いましたが、それまでの人生では見たことも聞いたこともないようなことが書かれていた。発行年月日からすると、ちょうど満州事変が起こったあたりで、明治維新の少し前あたりから明治、大正、昭和初頭にかけての日本の歩みがかなり克明に描かれています。
編集したのは戦前の”朝日新聞”であることもあり、軍国主義を煽るものである、侵略を正当化するものだ といった批判も聞こえてきそうですが、中国、朝鮮半島に対して現在のわれわれが抱いている感想とほぼ変わりがないことが書かれている。
もちろん日本の歩みとか外交政策を大筋において正当なものとして記述していますが、相応に批判もしている。
戦後の私たちは平和な世の中に生まれ生きてきたのですが、一方で「今さえよければいい」「自分さえよければいい」という輩を大量に生み出してきたのも事実です。会社も政治も、官僚も大学も、権限を持っている立場のある人ほど”個益”、”私益”を優先するようになった。だからみな巨大な既得権益集団になってしまい、国の安全保障(National Security)や日本らしさなどの国がらを守るといった、肝心なことをきちんと議論することすらできない社会になってしまいました。
アフガニスタンは米軍が撤退したらあっというまにタリバンに首都も占領されましたが、肝心の大統領は抱えきれないほど蓄財した財宝を持ってさっさと国外逃亡しました。簡単にタリバンに敗北したのも結局は、自分たちの国家安全保障を米軍に依存しきって自ら努力するという気概がなくなっていたからです。とても対岸の火事とは思えません。
内容が内容なので、発禁本になっていたのかと思いましたが、復刻版も出ているようであり、こういうご時世だからこそ一度は読んでおくことをおすすめします。
