DX企業モデルナ | 石田マネジメント事務所

石田マネジメント事務所

技術やものづくりに関する最近の話題と気づき、ちょっとした備忘録を書いています。

コロナワクチンをめぐっていろいろなことが言われているのですが、その話題の1つのモデルナという会社は中国でCOVID-19の遺伝子情報を入手すると、いち早く創薬に成功しました。

この会社がやっていることは何だろうと調べてみると、有数のDX企業だということがわかりました。

検体入手してから2~3日で抗原となるスパイクタンパク質を作り、その抗体を作るためのmRNAを設計し臨床試験用のワクチンを製造するのにわずか42日間で行いました。従来のやり方だと20ケ月はかかる工程です。スパイクとはコロナの表面についている突起で、こんな構造をしています。

 



コロナを作り自作自演だったのだと詮索する向きもあったようですが、実態はそうではなく10年も前からmRNAを使って、感染病予防ワクチン、ガンワクチン、細胞内治療、再生治療、腫瘍免疫といったいくつかのカテゴリーに分け、それぞれの領域で使える薬、ワクチンを開発するタスクは30近くにもなっている。

元はフラッグシップ・バイオニアリングというベンチャーキャピタルの要請から生まれたバイオベンチャーで、CEOはステファン・バンセルという人物で彼は、疾患ごとに一つづつ薬物療法を考え創薬するのではなく、一度に複数の疾患に対応するような取組みを目指してきたという。

mRNAを設計図とみなし、これをデジタル情報ととらえ「細胞のソフトウェア」を設計するという発想です。

そのために、クラウド(AWS)上にデータを集約し、治験データの集積からワクチン製造工程などもできるところは自動化をはかっています。システムもmRNAの解析、設計などの根幹に関わる部分は自作していますが、それ以外の機能は可能な限りできあいのものをSaaSなどを使って構築しています。

COVID-19はこうした下地の上で行われたものであったからこそできたということが理解できました。

モデルナの計画では20年スパンで事業を一巡させるようなので、現状はちょうど半分の10年たったところですが、DXがまだ今日のように騒がれる以前からすでにDXに取り組んでいた会社といえます。