苦しむMRJは日本製造業の等身大の姿 | 石田マネジメント事務所

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技術やものづくりに関する最近の話題と気づき、ちょっとした備忘録を書いています。

これまで何度も延期になってきたMRJですが、先日またも延期発表がありました。民間旅客機には必須の型式証明が大幅に遅れるとめとのようです。戦闘機と違い民間の旅客機は型式証明というものを取得しないと、どの空港にも着陸も整備も受け付けてもらえない。



なぜ遅れて来たのかというと、新しい技術の導入(主翼の材質など)ということばかりではなく一言でいうと、全部を全て自分たちの責任で作るメインコントラクターとしての経験不足ということに尽きるでしょう。型式証明のルールを作ったのは日本ではなく、欧米というか事実上アメリカです。



やったことがないことをわかるには時間はかかる とはいえ、全てが欧米の仕組みなので、ものづくりの考え方の根源にも遡ることになる。しかし、どうも単純な経験不足ということだけが理由でもなさそうです。以下の日経の記事にもあるように、三菱重工の内的な要因も多いようです。



「MRJ」計画遅延の本当の理由



これによると、



1)サプライヤの方が経験が上手で発注者と立場が逆転していてコントロールできていない


2)三菱重工内の高学歴社会体制のせいで、上に不都合な話が上っていかない



という事情もあるようです。要は、大規模な範囲にわたる組織を束ねて大きく旗をふって、全体最適行動をとるための資質(おそらくこれがマネジメントということだと思うのですが)に欠けるということなのでしょう。



で、これはこと三菱重工に限った話ではなく、日本の全製造業の本当の姿なのではないかと思うのです。それぞれの人、責任者が自分の身の回りの小規模な手の届く範囲のことしかコントロールできない、これでは大がかりなものは作れない ということになる。